「結願(けちがん)」

5月9日(金)~11日(日)。
(一社)四国八十八ヶ所霊場会公認先達として、“お世話役”を拝命中の、四国遍路巡拝講「大阪楽心会」のみなさまと、お遍路しに行って来ました。
今回は77番道隆寺から88番大窪寺まで、いよいよ結願(けちがん)となりました^^♪
遡れば、2019年8月に1番霊山寺をスタートした時は、極暑極寒の時期に開催する「歩き遍路」で始めたのですが、参加者の高齢化にコロナ渦時の日本政府によるステイホーム施策による体力低下にと、紆余曲折ありまして、途中から車遍路に変わり、11回の区切り打ち/6年弱をかけての結願となりました。
今回の行程は比較的時間のゆとりがあり、参加者のみなさん以外にもお寺の方、宿泊施設の方、他のお遍路さんなど、いろんな方々とゆっくりお話ししたり、四国遍路の新緑の美しい風景を大満喫することが出来ました。
“お世話役”である公認先達として、予定通り全ての行程を終え、ほっとしています。みなさん楽しく真剣に安全に、充実したお参りが出来たことを、非常に嬉しく思っています。
四国霊場界隈もご多分に漏れず、私がお遍路をし始めた20年弱と比べ、物価が急上昇しています。
一ヶ寺あたりの納経代が1.5倍程になり(重ね印のみ据え置き)、宿坊や遍路宿が一泊二食付きで8~9千円もしているのは、本当に驚きました。(コロナ渦までは6~7千円程度でした)駐車場代が有料に変わっていたり、値上げされていたり、京都等の観光寺院のように拝観料のようなものを取るお寺も現れています。
霊場寺院巡りも、「贅沢な旅行」になりつつあることを痛感し・・・そんな理由からも、コロナ渦前のお遍路さんのお参り数には戻ってはおらず、四国霊場界隈のみなさまは、とても苦戦され、あの手この手で知恵をしぼり、日々いろいろな努力をされておられるそうです。
これから先の日本においても、四国遍路などの古き良き巡礼遍路の道が続くように、願っています。
「大阪楽心会」は、四国遍路巡拝講として、60年以上の歴史があるそうです。(私は公認先達になってからの過去10年しか関わっておりませんが)
「大阪楽心会」でずっとお四国参りをされていた80代のおばさまは、かつての大阪楽心会がしていた、お参りの方法を今も覚えておられ・・・
その日、その日の最後にお参りしたお寺の大師堂で【「いろは歌」を歌う】ということをしてくださいます。
現在の遍路道をゆく、お遍路さんでそんなことをしている人は誰もおりません。
なんとも言えない、哀愁漂う、、、昭和の懐かしさが漂う、本当に美しい歌(巡礼遍路文化)で今回、結願の地である88番大窪寺の大師堂で撮影に成功しましたので、みなさまにシェアさせていただきます。
かつてお遍路をしていた、私のおばあちゃん(大橋キクエ)も、この美しい歌を遍路道で歌っていたのかも知れませんね。。。☆
【いろは歌】
いろはにほへと(色はにほへど)
ちりぬるを(散りるぬるを)
わかよたれそ(我か世たれぞ)
つねならむ(常ならむ)
うゐのおくやま(有為の奥山)
けふこえて(今日越えて)
あさきゆめみし(浅き夢見じ)
ゑいもせす(酔いもせず)
【いろは歌】現代語訳
色は美しく照り映えていても
(花は)散ってしまうものである
私たち この世の誰が
永久に変わらないことがあろうか
いろいろなことがある(人生の)深い山を
今日も越えて(いくのだが)
浅い夢など見ることはしない
心を惑わされもしない
「人生即遍路」
これからも、人生の遍路道を、しっかりと歩んで参ります。
今回も非常に学び深い、感動の遍路行となりました。
お世話になったみなさま、ありがとうございました(=人=)☆
【写真】88番大窪寺など