オオムラサキの森・根来山(平成22年7月26日)

ありもと@孟子です。。 みなさんこんばんは。。。

先週20日と23日の2度孟子でデータが取れたので、今日は
「少年の日の戻り」に、岩出市根来にあるありもとの「第二の
故郷」県立森林公園根来山げんきの森に朝からでかけました。

この森には、ありもとが少年の日に戻れる迫力ある生き物が
すんでいます。
日本の国チョウ・オオムラサキです。
根来山一帯は、県下で有数のオオムラサキの発生場所とし
て知られています。
先週号で紹介した向陽中の高橋翠ちゃんが所属する根来山
昆虫調査隊(勝谷良博隊長)が、この森のオオムラサキを見
つめています。
とても理想的な形で保全された「オオムラサキの森」こそが、
ここ・根来山なのです。

ありもとの少年時代、自宅のある貴志川町一帯はオオムラサ
キの多産地でした。
孟子不動谷の例外ではなく、10歳の頃クワガタ取りの友人と
孟子の森を訪ねたとき、ノコギリクワガタやミヤマクワガタを取
る友人の傍ら、一人オオムラサキを見つめていました。

「オマエ女みたいやな!ちょうちょなんか、何がおもろいんや!」
そう友人にからかわれながらも、クワガタにあまり興味のないあ
りもとは、このロボットのような大きなチョウを、一人見つめてい
ました。

しかし残念なことに、貴志川流域のオオムラサキはその後ほぼ
壊滅し、孟子でも数年前に一度越冬幼虫を確認したものの、そ
の後は成虫の確認はできずにいます。
「絶対生き残ってるはずや!」という気持ちは失われていないの
ですが、何年かに1度はやはり少年時代に戻りたくて、根来山の
オオムラサキに会いに行くのです。

7:30
根来山到着です。

到着してすぐに、上空にサシバの幼鳥が出現しました。
太くて白い眉斑があり、まだ目の虹彩が褐色のようやく両親から
独り立ちしたばかりの若鷹です。
数年前に偶然巣を見つけた、あの谷で今年も元気で巣立ったの
でしょうか?
久々の根来で、幸先の良い出会いです。

そのまま気を良くしてオオムラサキの良く来る樹液溜まりのある
アベマキのあるプレーパークに向かいます。

バリアフリートレイルに着くと・・・・
「お〜い!! 助けてくれ!!」
という男性の声に振り向かされました。

見るとログハウスの中に1人のおっちゃんが横たわっています。
「どうしたんですか?」
「腹が減って動けへんのや。なんとかしてくれ!」
「生憎食べ物は持ってないんです。
 携帯貸しますから、家に電話しますか?」
「家は無いんや・・」
「・・・・」

途方に暮れて携帯を見ると、森の中で見事に圏外です。

「すみませんが、携帯が圏外でかからないんです。9時になった
ら森林公園の監視員が来るので、その人に知らせて救急車を
よんでもらいますけど、それまで我慢できますか?」
「その位やったら我慢できる。ありがとう」
「すみませんが、ちょっと我慢してください。」
この時点で8時、あと1時間です。 

そのまま速足で携帯の通じる尾根に出て、げんきの森の事務局
長の岡田さんに連絡します。
「ボラバイダの人が9時に来るので、救急車と警察を呼んでもら
うから、それまで我慢できるかどうか聞たら我慢できるっておっし
ゃっているのでそのまま待ってもらってます。すみませんが、ボラ
バイダの人に連絡してくれませんか?」
とお願いし、そのままアベマキを目指します。

いきなり本当にサプライズのハプニングです。
お腹が減って動けないだけで、顔色は良かったんで良かったもの
の、重病人やったら大変なことになってたな・・・
そう思いながらアベマキにつきましたが、オオムラサキの姿はあり
ません。

仕方がないので、そのまま谷を下り、大谷新池に向かいます。

ここの森には、サンコウチョウが繁殖しています。
サンコウチョウは孟子でも「常連」ですが、孟子以外のサンコウチ
ョウを見ることはあまりないので、しばらく待ってみます。
すると数分で森の奥から
ギギッ チッチョホイ ホイホイホイ
という独特の声が響いてきました。

どこの森でも、このチャーミングな夏鳥に出会うと、本当に得をし
た気分になります。

ニイニイゼミとアブラゼミが合唱する猛暑の谷間ですが、声が響
く間だけ一服の清涼感が体を包みます。

その後、炭窯のそばで巣立ったばかりのキビタキの幼鳥に出会っ
たりしながら、再びアベマキに到着します。

まだオオムラサキは来ていません。

ここで時計に目を落とすと9時なので、アンテナ2本ですが管理棟
に電話します。

中村さんが出て「ログハウスの人は無事救急車で病院に行きまし
た。思いのほか元気そうでしたよ」
とのこと、漸く安堵しました。

ルリタテハやオオスズメバチは入れ替わり立ち替わり飛来するも
のの、オオムラサキは来ません。
でもアベマキの樹液のニオイがスゴイのと、根来にはこれほど樹
液の湧いた樹は他にないので、ここに座って待つことにします。

途中ハイキングの人と談笑したり、今日のもう一人のボラバイダ・
渡辺さんから紹介されたという小学生連れの家族に出会い、カブ
トムシやクワガタムシの取り方を説明したりするうちに11:30にな
っていました。

もうアベマキの前で2時間30分座っていることになります。

「今年は相性が悪いのかな・・・」
とあきらめかけたとき・・・

パタパタパタパタ・・・・
懐かしい羽音が響いてきました。

「来たっ!!!!!!!!!!!!」
上空を見上げると、大小2頭の影が舞っています。
番です。

しばらくすると、少し高い地点にある樹液溜まりに、2頭で並んで
止まりました。
これが♂♂とか♀♀なら、樹液の取り合いのケンカになるのです
が、そこは「デート」中のラブラブカップル
樹液溜まりで仲良く向かい合って、ちょうど若いカップルがコップ
に刺した2本のストローで仲良くジュースを分け合うように、樹液
を吸い始めました。

♂はアンテナのような大きな触角を前にかざし、♀は2本の触角
を背後に向けて寝かせています。

子どもの頃、何度となく見たり網に入れたオオムラサキですが、
こういう仲睦まじいカップルの行動を観察するのは初めてのこと
です。

根来到着から4時間経過・・・
長時間粘った甲斐がありました。

そろそろわんぱく公園に向かわないといけません。

樹液溜まりで愛を語る、久々に出会ったオオムラサキ夫婦に分
かれを告げて、一路わんぱく公園を目指しました。
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<鳥類>
カイツブリ、サシバ、キジバト、ホトトギス、カワセミ、コゲラ
アオゲラ、ツバメ、ヒヨドリ、ウグイス、キビタキ、オオルリ
サンコウチョウ、エナガ、ヤマガラ、シジュウカラ、メジロ
ホオジロ、イカル、カワラヒワ、スズメ、ハシボソガラス、ハシブ
トガラス
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<チョウ類>
スジグロシロチョウ、キチョウ、アゲハ、クロアゲハ、モンキアゲ
ハ、アオスジアゲハ、ゴマダラチョウ、オオムラサキ、キタテハ
コミスジ、アサマイチモンジ、ルリタテハ、ツマグロヒョウモン、テ
ングチョウ、ダイミョウセセリ、チャバネセセリ、コチャバネセセ
リ、コジャノメ、クロヒカゲ、サトキマダラヒカゲ、クロコノマチョウ
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