3年間、ありがとうございました。(前代表から)

2010年春から先日の総会まで3年間、代表をした奥居です。オタクのつたない代表ではありましたが、皆さん一緒に千里市民フォーラムと千里ニュータウンを盛り上げていただき、ありがとうございました!

千里市民フォーラムの代表は、前任が谷川一二さん、赤井直さんと千里ニュータウンの名物みたいな人で、そのあとで代表やることがどれだけプレッシャーだったか…!しかしともかく「ニュータウン二世」の僕ががんばらねばという思い込みで、やりました。僕は谷川さんより30歳近く若く、赤井さんとも「親子ほど違う」わけなので、それでバトンもらってパワー出ないってわけにいきません。3年間のキーワードは、「若返り」と「活性化」。これはもちろん、初期からの会員の方には引き続き頑張っていただきつつ、これまであまりにも若い現役世代の参加が少なかったので、老若男女、いろんな人がいる千里市民フォーラムにバラエティを広げたかったのです。いい町って、そういうものだと思うから。

実際にやってみると現役世代はやはり忙しく、難しさを感じたことも多々ありましたが、これは乗り越えないと、バトンが若い世代に渡っていきません。皆さんの強力な協力により、会員数も約90名から125名まで増やすことができました。

千里の人は特定のテーマで話聞いてるだけじゃつまらないだろうと途中で気がついて、「やってみたいこと」を各自が発表して実現に向けて動く、という試みも始めることができました。千里市民フォーラムの本質は交流ネットワークだろう…ということで、そのためにはグループ単位より個人単位まで分解して個性が見えたほうがよかろうと、会員プロフィールを展示する「ひとびと見本市」も2回やることができました。

大阪という土地は「ヨコ社会」で、ニュータウンというものは「ヨコ社会」で、つまり大阪のニュータウンである千里ニュータウンは「二重にヨコ社会」。こんな土地柄できれいなピラミッドの「タテ組織」を作ろうとしても誰も人の話なんか聞いてやしないので、僕は千里が元気になるコツは「一致団結より百花繚乱」だろうと見抜いております。いろんな人が、出たり入ったり、やりたいことをやれる町(少しおちつきに欠けるけど…)。そんなふうに千里が目立っていったらいいなと思っています。

昨年(2012年)の「まちびらき50年」では、フォーラムの活動自体は少しお休みになりましたが、多数の会員が記念イベントのキーになって、心に残るユニークで多彩なイベントができました。やはり普段のざっくばらんなつながりあればこそ、いざというときに力が出せるんだなと、千里市民フォーラムの「価値」をとっても再認識しました。

千里ニュータウンはこれまで50年、似たような世代の若い家族が一度に入って、あまりに暮らしやすくて楽しいのでそのまま持ち上がり、いま一度に…人も建物も…「入れ替わり」のときが来ています。「普通の町」ならそういう新陳代謝は少しづつずっと続いていくものですが、ニュータウンは「激変期」と「安定期」を数十年単位で繰り返すので、やはり普通の町ではありません。いまはじめて、千里の人たちは突然来た「新陳代謝」にとまどっているようです。町は生き物で人は誰でもトシをとるのですから新陳代謝は必要ですが、これは3回転ぐらいしないと「にじんで」「こなれて」いかないでしょうね…。

その時に、継承か、断絶か。

新しい、若い人たちが来やすい、来たくなる町になっているか。もともと全国から人が来た「よせあつめの町」であったのに、外に対してクローズドな雰囲気になっていないか。いまは都心のマンションも規制緩和で安くなり、これから日本の人口は激しく減っていきますから、「魅力のある」町に見えていないと、わざわざそこに来る理由がありません。いくら便利でも「便利だから住んでいる」だけなら都心のほうが便利です。若い世代をとりまく経済状況は厳しく、いまとっても貴重なのは「時間」なので、それで若い人たちは都心に引き寄せられていくのではないでしょうか。

千里市民フォーラムがここのところチャレンジしてきたこと、やろうとしていることは、千里市民フォーラム自身の継承であるだけでなく、千里ニュータウンがここだけの魅力を発揮して、継承できる、一人前の町になれるかどうか、そういうことなんだと思います。

日本最初の大規模ニュータウンでそれができれば、それは後続のニュータウン、海外のニュータウンや多くの町にとって、希望の灯台になるのではないでしょうか。

だから千里市民フォーラムには「現実に影響を与える」存在であってほしく(吹田と豊中、住民と行政が垣根を持たずに話せる貴重な場所です)、ニュータウンの全人口9万人の1%=900人ぐらい会員がいてもいいんじゃないかと、なかば本気で思っています。株主だってなんだって、1%あれば全体に影響を持てるでしょう。

ここには面白い人がたくさんいて、面白い人がいるのが面白い町で、これをつなげていければ、千里はまだまだいろんなことにチャレンジができると思います。

最後に!(パーティーでは言い忘れましたが)最初の仕掛け人だけじゃなく、それを引き継いで伴走してくださる両市の行政職員の皆さんには、心からお礼を申しあげます!土曜や日曜に…。これはすごいことです。でも楽しいでしょ?行政の皆さんの働きぶりを見て、市民もずーいぶんがんばれてるんだと思います。

これからも一緒に「千里」を盛り上げていきましょう!

前代表・奥居武(新年度は広報としてがんばりまーす!)

(この文章は5月18日の総会+10周年パーティーでの原稿なしスピーチに、あがってしまって十分話せなかったことをプラスしたものとなっております。)