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定額給付金をNPOへの寄付に!
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ジャンル:Weekly Report
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2009/06/30のBlog
[ 22:47 ] [ Weekly Report ]
ウイークリー・レポートとしてスタートしたこのコラムだが、前回の発行から早1ヶ月がたとうとしている、マンスリー・レポートに変えなければ、と反省の気持ちも感じていたころ、定額給付金と寄付に関するニュースが久しぶりに伝わってきた。

伝えたのは、日本経済新聞。
6月22日(月)の夕刊の15面に、トップで写真入りという大きな扱いになっている。
→→下記PDFファイル


 「給付金寄付『使い道次第』」という見出しに、「『就労支援』に限定→手応え、『NPO活動費』『地元に』→鈍く」というサブタイトルがついている。

使途を限定して寄付を募集した山口県萩市子育て支援課には、6月22日までに166件、152万円の寄付が寄せられたという。

 この記事では紹介されていないが、横浜市では、6月15日現在で2800万円余りの寄付が集まっている

寄付の使途は、若者の雇用確保のための支援、高齢者の安全確保のための支援、生活困難を抱える女性、子ども、障害者、外国人の子供のための支援、横浜市に一任の4つ。

このうち一番多いのは、生活困難を抱える女性、子ども、障害者、外国人の子供のための支援への寄付で、全体の半分を超える1421万円あまりにのぼる。

 では、NPOはどうか。

サブタイトルに「鈍く」とあるように、日本経済新聞は、かんばしくない状況を伝えている。

高齢者配食サービスの「きらっと」(堺市)は、「寄付はまだ1件」、「均等待遇アクションネット21京都」は「自分の生活も厳しく、寄付まで回らない」という。

 「きらっと」は、KNPOに加わっている「街づくり夢基金」が支援を呼びかけている団体のひとつだ。

「均等待遇アクションネット21京都」は、KNPOとは直接関係ないが、このWeekly Report#4で紹介した。


 日本経済新聞の記事に対して、「街づくり夢基金」の阪野修さんは、「『寄付が1件』とありますが、NPO法人キラットさんの口座に直接振り込まれたのが『1件』と言うことです。
街づくり夢基金の口座には、現時点で54名246,000円でほぼ毎日1件の振り込みが続いています」という。
ただし、「想定より苦しいのは事実です」と伝えてきてくれた。

 ちなみに、この記事では、私のコメントも紹介されている。
「3ヶ月が過ぎても、十分な金額が集まっていない」としたうえで、「不況が暮らしに影を落とし生活費に回さざるをえないのではないか」といい、「肩を落とす」とある。
 この記事を書いた記者の方からコメントを求められたとき、同様のことは述べたが、「肩を落とす」ことはしなかった。
そもそも、電話でのインタビューだったので、肩を落としたかどうかわからないはずだ。
声の感じで「肩を落とす」と感じられたのかもしれないが、1度の試みが十分な成果が上がらなかったと推察されたからといって、「肩を落とす」ようでは、寄付集めの仕事をやることはできない。

寄付集めには、忍耐が必要だからだ。

 というか、私は、今回の結果にそれほど失望していない。

阪野さんは、24万円あまりで予想より苦しいというが、大阪府下の箕面市では、AEDの設置などに活用するとして寄付を求めたものの、31万円しか集まってない。
24万円という金額を単独でみれば、大きなものではないかもしれない。しかし、行政が市民に呼びかけてもそれほど大きな額が集まっているわけではないのである。

 「寄付文化が未成熟」という言い方はあまり好まない。

しかし、寄付が集まりにくい状況が存在することは確認できた。

では、これからどうしたらいいのか。それをこれから考えていくことが大切であり、「肩を落とす」暇はない。
阪野さんは「秋には、街づくり夢基金と配食サービス3事業体との合同報告会を開催したく考えています」という。

KNPOは、直接寄付を呼びかけたのではないので、実際に寄付の効果がどれだけあったのか判断しにくい。

しかし、阪野さんたちを見習い、成果の検討と報告を考えていくべきだろう。

(柏木)

2009/06/02のBlog
ゴールデンウイークで一回抜けたものの、このレポートも、はや8回。

丸々2ヵ月続けたことになります。
当初は、いろいろな動きがあって、お伝えすることもあったのですが、徐々に話題が減ってきました。
世の中(?)をみると、定額給付金は遠い過去のできごとのような感じで、新型インフルエンザ、そして北朝鮮の核実験などの話題にかき消されてしまった感が強くします。

もともとこのサイトは、直接寄付を集めるものではありません。
したがって、どの程度の反応があるのかについては、「よくわからない」というのが正直なところです。
とはいえ、毎日、70前後のヒットが記録されています。
「関係者」がそれほどみているとは考えにくいので、サイトを訪れる方が少なくないようです。

それが掲載団体のファンドへの寄付などにどれだけ反映しているのかは、わかりませんが……。

このコラムでもしばしば紹介してきたチャリティープラットフォームの定額給付金基金は、6月末までの時限プログラムとして実施しています。

定額給付金は、6月以降にも支給が継続される自治体が少なくありませんが、寄付の呼びかけを効果的に行うには、時期を限定した方がいいでしょう。

このサイトは、いつまでという期限は決めていませんが、そろそろ総括の時期に入ってきたのではないでしょうか。

これから、掲載してくださった中間支援組織や市民ファンドの方々などに反応などもお聞きし、それをお伝えしていきたいと思います。

ところで、定額給付金とは関係ありませんが、アメリカのマッカーサー財団という助成財団が最近、アジアの安全保障に関するNGO/NPOの活動などに今後7年間で6800万ドルの助成を行うことを表明しました。

6800万ドルといえば、70億円近い膨大な額です。

北朝鮮の核実験の前から準備されていたものなので、核実験とは直接関係なく実施されるものですが、アジアの不安定化の解決にNPOセクターがこれだけ膨大な資金を投じることに、改めに驚きを感じないわけにはいきません。

興味のある方は、以下をご覧下さい。
http://www.macfound.org/site/c.lkLXJ8MQKrH/b.5200961/k.6808/Asia_Security_Initiative.htm

かつてアメリカのNPOシステムを日本に紹介していたころ、しばしば「彼我の差を感じる」という声を耳にしました。

このことばを改めて感じるようなできごとですが、定額給付金をNPOへの寄付にという活動が「彼我の差」を少しでも縮めることにつながれば、と思っています。

事務局 柏木 宏

2009/05/28のBlog
5月から6月にかけて、多くのNPOは、総会を開催します。
前年度の事業や会計の報告書類ができあがるとともに、新しい年度の事業計画や予算を承認してもらう必要があるためです。

私は、いくつかのNPO法人の理事や監事になっているので、この時期の週末にはしばしば総会に顔を出すことになります。

先日もあるNPOの総会がありました。
議題は、どこのNPOの総会でもでてくる事業報告や決算、事業計画に予算といったもので、特に目新しいものがあったわけではありません。

しかし、予算を検討したとき、多くの意見がでました。

会費や寄付、事業収入などに関して、計上されているような額を達成できるのかという懸念の声です。
景気の低迷により、会費や寄付が集まりにくく、事業収入の伸び悩む傾向があることなどが背景にあるといえるでしょう。

景気対策としての定額給付金!これが切り札となり景気が回復していけば、NPOの経営も少しは楽になるのかもしれません。
しかし、給付が行われている最中なので、結論じみたことをいうのは避けるべきかもしれませんが、「景気浮揚の効果は限定的」という意見が強いようです。

加えて、新型インフルエンザです。
特に関西では、兵庫・大阪を中心に感染者が相次でいます。
京都では、たった一人の感染が確認された後、修学旅行の中止や延期が相次いでいるということです。

新型インフルエンザは、景気悪化に追い打ちをかけていることは確実でしょう。

となると、NPOが提供するサービスへのニーズが拡大する反面、サービスの提供に必要な資金が十分確保できない状況が生まれてくる可能性が高くなります。

先日の総会での予算案への懸念は、こうした状況が現実化していることをNPO関係者が実感しているからではないでしょうか。

であるならば、NPOは、これまで以上に積極的に資金を集める必要があります。

このサイトで提起してきた「定額給付金をNPOへの寄付に!」という声を大きくすべき状況ではあっても、縮小ないしは停止させてしまってよい状況にはありません。

総会が終わった後、「そうだ、参加者に定額給付金をNPOに寄付する声をあげるとともに、率先して寄付をしていく意思を表明し、寄付をうながす動きを広げていきましょう」と呼びかけるべきだったのではないか、と思いました。

この総会は終わってしまったので、もう仕方がありません。

しかし、別の総会では、こうしたアピールをしていきたいと思います。

皆さんもぜひ、積極的に「定額給付金をNPOへの寄付に!」という声を上げ続けていただければ、と思います。

事務局 柏木 宏

2009/05/18のBlog
このサイトをオープンして、間もなく2ヵ月がたとうとしています。
その前段まで入れると、ちょうど半年が経過しました。

「前段」というのは、「定額給付金に関するNPO関係者の声明文」の署名集めや「定額給付金をNPOへの寄付に:市民公益活動の資金に集め直す理念と手法」というテーマのシンポジウムの開催などのことです。
昨年12月のことでした。

その頃、世論調査では、景気対策として適切でない、バラマキ政策で好ましくないなど批判的に考えをもつ人が7-8割。
その一方で、給付が決まれば受け取るという人は9割を超えていました。
定額給付金を批判する人たちの多くは、給付が決まって受け取った後、NPOなどへの寄付を検討してもらえるかもしれない、という予想(淡い期待?)から全国各地で定額給付金をNPOへの寄付にという動きがでてきたのでしょう。

 とはいえ、定額給付金をNPOへの寄付にという呼びかけは、どの程度あるのでしょうか?
そう思って、Yahoo!を使って、5月17日に検索してみました。
キーワードは、」「定額給付金」と「NPO」です。今回は、この検索でヒットしたところを簡単にご紹介していきます。

定額給付金基金(http://www.charity-platform.com/kikin/
 このコラムでも何度か紹介したチャリティ・プラットフォームが事務局になっている基金です。
全国各地の80のNPOが参加、子どもや環境など17の分野や事務局などへの寄付を求めています。
5月12日現在、366万円が集まったということです。

長野県NPOセンター(http://www.npo-nagano.org/
 定額給付金の定義、問題点、NPOに寄付をすることの意義などをパワーポイントにまとめた資料を作成しています。
資料からは、寄付集めをすることを行うとともに、推奨しているように読めますが、実際に集めているかどうかはサイトからは判断できません。

定額給付金をNPOへの寄付に!関西ネットワーク
 いうまでもなく、KNPOのことです。5月に入ってから、寄付の相談に応じる中間支援組織として、きょうとNPOセンターが加わりました。

ぎふNPOセンター(http://www.gifu.npo-jp.net/hatsuratsu/kyufukin-kifu.pdf
 定額給付金はつらつ寄付キャンペーンというのを展開しています。寄付の意義や振込のための書式なども紹介されています。

わははネット(http://npo-wahaha.net/index.php?ID=1691
 香川県の子育て支援団体で、チャリティ・プラットフォームの基金の参加団体の一つでもあります。

しみん基金KOBE(http://www.stylebuilt.co.jp/kikin/tkyufu2009.html
 KNPOの参加団体のひとつです。
基金として、寄付されたお金がどのような形で助成金としてNPOに提供されるのか、フローチャートで示したページにリンクされています。

ハート・オブ・ゴールド(http://www.hofg.org/jp/support/kyufukin.shtml
 カンボジアで対人地雷の被害者への自立支援などの活動を行っているNGOです。
1万2000円で何ができるかなどについても紹介しています。
また、寄付者の人数を公表しています。
4月13日現在で14人だそうです。

くびき野NPOサポートセンター(http://www.kubikino-npo.jp/topics/
 「ぐるぐる寄付キャンペーン」と銘打って、定額給付金の寄付を呼びかけていますが、具体的な内容についてはサイトからはわからないようです。

岡山NPOセンター(http://www.npokayama.org/
 「定額給付金で初めての寄付をはじめませんか」をキャッチフレーズにキャンペーンを実施しているそうです。
具体的にどの程度の寄付があったかなどについては、示されていないようです。

とさはちきんネット(http://tosa8kin.cside.to/2009/04/post_242.shtml
 高知県のNPOで、県内のNPO・ボランティア団体で組織しているNPOサポートチームが作っている「こうちボランティア・NPO支援基金」への寄付を呼びかけています。

心に響く文集・編集局
 東尋坊で、自殺防止の活動を行っているNPOです。
4月24日付の中日新聞が伝えているものですが、全国各地から4月23日までに10件、16万円の定額給付金からの寄付が寄せられたそうです。
記事については、こちらからご覧いただけます。

ハンズ(http://www.hands.or.jp/pagesj/00_whatsnew/teigaku.html
 アマゾン川流域やアフリカなどで人々の健康を守る活動を進めているNGOです。
「定額給付金を自分以外の誰かのために使いませんか」とキャッチフレーズにして、募金を進めているようです。

2009/05/11のBlog
4月25日から5月10日までの16連休の人もいるといわれた、今年のゴールデンウイーク(GW)。
高速道路では「1000円渋滞」が発生する一方、降ってわいたような豚インフルエンザの影響で、成田や関空などでは「厳戒態勢」がひかれたようです。

NPOの関係者のなかには、「連休といっても、職場でする仕事が家ですることに代っただけ」という人もいるようです。

かくいう私は、16連休ほどではないにせよ、「お休み」をとり、このコーナーも1週間スキップさせていただきました。

とはいえ、GW中にも定額給付金をめぐりNPOの活動がありました。今回は、これをまとえめてお伝えします。


1) 大阪でも申請案内が到着!
 連休の直前に郵便受けに1通の封筒がありました。
差出人は大阪市。

「市民税の督促かな?」とか思いながら封を切ると、定額給付金の申請案内でした。
よくみると、封筒の外にも「定額給付金」の文字がありました。
「いよいよ始まったのか……」となんとなく、感慨深い気持になりました。

手元に書類がないので、記憶に頼ってのことですが、連休明けにも申請の受け付けが開始されるとのことでした。
郵送のほか、市の窓口でも申請がOKとか。申請期限は秋。

忘れずに申請し、NPOに寄付しましょう!


2) 寄付の意思表明者リスト、150人突破
 前回のこのコーナーでもお伝えしたように、「寄付を!寄付を!」といっても、「でも、誰が寄付するの?」という疑問の声は当然でてくるでしょう。

「まず隗より始めよ!」といいます。
言いだしっぺを集め、「私も寄付するから、あなたも……」という雰囲気を作り出していきたいと思いました。

目標は、定額給付金の1万2000円にあわせて1万2000人といってもちょっと無理なので、120人。

定額給付金をNPOへの寄付に!関西ネットワーク(KNPO)の関連団体を中心に、署名集めが進み、5月1日時点で156人に達しました。

賛同者の方々のリストは、KNPOのウエブサイトに掲載されていますので、ご覧ください。


3) 朝日新聞に寄付推奨の広告!
 寄付の意思表明者リストの載せる賛同者を急いで集めたのは、理由がありました。

4月30日付の朝日新聞に定額給付金をNPOへの寄付に、と呼びかける広告をだそうというプランが浮上してきたからです。

KNPOのどこにそんなお金があるの?と思われる方も多いでしょう。

NPO向けの特別割引ということで実現したものです。

当日の新聞を見ると、紙面の半分が広告に充てられ、「ハッピーに使おう!定額給付金~使い道あれこれ~」という見出しの下に、KNPOを含め6つの広告が掲載されています。

このKNPOの広告には「すでに120人以上の人が寄付の意思を表明されています」と書かれています。
広告の原稿を作っている段階では、120人には達しておらず、「大丈夫かな…」と思っていたのですが、ラストスパートで達成できました。

KNPOの広告は、下記PDFをご覧ください。


4) 東京で定額給付金設立記念パーティー開催
 4月30日、東京で定額給付金基金設立記念パーティーが開催されました。
全国80のNPOが参加して、定額給付金をNPOへの寄付にと呼びかけている基金(事務局:チャリティ・プラットフォーム)が実施したものです。

チャリティ・プラットフォームのウエブサイトをみると、358人が参加したということです。

そのひとりは、私です。パーティーでは、参加者が3000円を払い、それと同額の寄付チケット(1枚1000円x3枚)をもらい、NPOの事業分野18のなかから自分の希望する分野に寄付する、というものです。

協賛企業の協賛費なども含め、149万7000円が集まったということです。

参加した印象としては、若い人と、スーツをはじめとした比較的フォーマルな服装の人が多かったことがあります。

NPOの裾野が広がっている感じを受けました。

ただ、NPOの経営をしてきた立場からいえば、財政的には赤字だろうし、目的・意義をどこに求めているのか、わかりにくさを感じました。

豚インフルエンザの影響もあったのでしょうが、メディアの取材はかなりあったようですが、記事になったのはほとんどなかったのではないでしょうか。

チャリティ・プラットフォームのウエブサイトでの報告もあまり大きなものではありません。

358人という参加者には、基金への参加団体の関係者も含めてだと思うので、純然と寄付をするためだけに参加した人は、それより少ない人数でしょう。
150万円弱という金額も物足りなさを感じます。

経費がゼロとしても、80団体で分ければ、2万円足らずです。

ややクリティカルになりすぎているように感じられたとすれば、申し訳ありません。

KNPOの場合、直接寄付を集めないので、活動への効果、特に財政的な効果はみえないのですが、定額給付金基金の場合、寄付を集めているので、効果がみえてきます。

「寄付文化の醸成」を考える上でも、しっかり検討しなければならないのではと感じた次第です。

事務局 柏木 宏

2009/04/27のBlog
定額給付金が2008年度内に支給が開始された地方自治体は全体の2割程度。
残りの8割は、2009年度に持ち越されました。このため、まだまだ先の話という感じもあったのですが、関西の三大都市、神戸市は3月末、京都市は今月中旬、そして大阪も5月中旬には支給が開始、あるいは開始されます。

 NPOへの寄付にという呼び掛けも「最後の追い込み」に入ったといえます。
このため、定額給付金をNPOへの寄付に!関西ネットワーク(KNPO)も、前回のレポートで報告したように、新聞広告寄付の意思表明者リスト作りを進めています。

また、「寄付の申し出があった」、「寄付をした」という報告もあります。

東京では、27日に「定額給付金基金設立記念パーティー」が開かれます。
今回は、こうした動きについて紹介したいと思います。


1) 「給付金を寄付に!」の新聞広告
 定額給付金のNPOへの寄付を呼びかける広告をださないか、という某大手新聞社からの打診を受け、KNPOでは、メーリングリストを通じて議論を進めてきました。
これは、新聞の紙面一面を全部、定額給付金関係の広告にするものです。紙面を小さく区切り、そのひとつがKNPOの広告になるかもしれません。

KNPOは、All Volunteerですから、広告代を払えるのか、という疑問が当然でてきます。
NPO向けの特別レートで、値段もほぼ妥結。
広告の文面も大体決まりました。
とはいえ、広告代を集めなければなりません。
皆さんにも「寄付のお願い」をすることになると思いますが、その節は、よろしくお願いいたします。


2) 寄付の意思表明者リスト作り進展
 「寄付を!寄付を!」といっても、「でも、誰が寄付するの?」という疑問の声は当然でてくるでしょう。

「まず隗より始めよ!」といいます。
言いだしっぺを集め、「私も寄付するから、あなたも……」という雰囲気を作り出していきたいと思いました。

呼び掛けの文章は、きわめて簡単なものになりました。
署名用紙は、これまでKNPOの関係者だけにしかお渡ししていませんでしたが、ここからダウンロードできるようになっています。

ぜひ、署名をして、KyufukinNPO@infoseek.jpへお送りください
広告の掲載にあわせ、リストも公開する予定です。


3) 募金の広がりと制度の問題
 前回のレポートで、街づくり夢基金の寄付集めが4月15日付の朝日新聞の夕刊に記事がのった、とご紹介しました。
「配食サービスに給付金寄付を 市民団体など呼び掛け」というタイトルのものです。
この記事を読まれた方から、寄付の入金があったそうです。

また、94歳の独居のおばあさんから電話あり、「年金生活ですが、寄付させていただきます」とありがたい声を頂きましたと伝えてくれました。
やはり「寄付を依頼する」ことが大切だと感じさせてくれるエピソードでした。

一方、給付金の制度上の問題を指摘しつつ、寄付を呼びかけるところもあるようです。
均等待遇アクション21京都という団体が「定額給付金、行政に突っ返すぐらいならカンパしよう」と呼びかけていることを知人が紹介してくれました。
寄付先は、失業と野宿を考える実行委員会、コレジオ・サンタナ(滋賀県にあるブラジル人学校)、NPO法人生野学園(DV被害女性のシェルター)の3つです。このうちの最後にある、生野学園は、大阪ボランティア協会の早瀬さんがKNPOのメーリングリストで指摘されたところでもあり、このレポートでも紹介しました。

関心のある方は、こちらをクリックしてください。

2009/04/19のBlog
定額給付金の支給が徐々に始まるとともに、NPOへの寄付へという動きや報道が広がってきています。
 
 例えば、4月17日付の朝日新聞夕刊には、「給付金誰かのために」というメインタイトルで、「難民医療費や父子家庭支援 寄付募るネットの輪」というサブタイトルの5段抜きの記事が掲載されました。

 東京のチャリティ・プラットフォームや難民支援協会の活動紹介から始まり、私たち定額給付金をNPOへの寄付に!関西ネットワーク(KNPO)の紹介を呼びかけ人のひとり、大阪ボランティア協会の早瀬さんのことばの引用で終わっています。

 また、これはコマーシャルのメディアではありませんが、市民活動を支える制度をつくる会(シーズ)のNPOWEBの「ニュース」のなかでも、KNPOの活動が紹介されています。

 関西の主要都市でも連休明けにも給付が本格化するとみられます。
このため、KNPOでも次のアクションに向けて検討を進めています。


1) 新聞広告

 大阪ボランティア協会の早瀬さんを経由して、KNPOに定額給付金のNPOへの寄付を呼びかける広告をださないか、という打診が某大手新聞社からありました。新聞の紙面一面を全部、定額給付金関係の広告にする、ということのようです。紙面を小さく区切り、そのひとつにKNPOの広告を、ということです。

 All VolunteerのKNPOにとって、広告代を払えるのか、という疑問が当然でてきます。NPO向けの特別レートが可能ということのようなので、いま値段について交渉中です。KNPOのサイトに寄付を受け取るサイトまたは寄付の相談に応じる中間支援組織として掲載させていただいているNPOの方々からは、「出そう、出そう!」という声があがっています。広告代の問題が残りますが、幅広い人々に呼びかけるためにも、ぜひ実現したいと思います。


2) 寄付の意思表明者リスト作り

 定額給付金をNPOへの寄付にという呼び掛けが広がるなかで、「日本に寄付文化を根付かせよう」という声が大きくなっています。日本に寄付文化がないかどうか、議論がありますが、NPOへの寄付が少ないことはたしかです。

 ある資料によれば、日本におけるNPOに対する個人の寄付は年間ひとり300円。一方、アメリカは10万円近い額です
 
 なぜ、このような差が出るのでしょうか。

「寄付をする理由」の第一は、万国共通といわれています。
「頼まれたから」なのです。

逆にいえば、頼まれないと寄付はしない、ということになります。

もちろん頼み方も大切です。
頼む人が自信をもって、推薦できるかどうかは、大きなポイントです。

では、自信をもって推薦しているかどうか、どうやったら判断できるのでしょうか。

頼む人自らが寄付をしているかどうかではないでしょうか。

例えば、レストランで、「このお料理オイシイですよ。ぜひ、お試しください」といわれて、「どおオイシイの?食べてみた?」と聞かれ、「いえ、私は食べていないのですが……」とウエイトレスなりウエイターの人が口ごもりながら答えたら、「ほんまに、オイシイんかいな」と疑って、注文しないのではないでしょうか。

寄付も同じことではないでしょうか。アメリカのファンドレイジングでは、理事の寄付とリードドナーが大切、といいます。理事は団体の所有者です。その団体が寄付を求めるのであれば、所有者自らが「オイシイ」つまり、その団体の活動が素晴らしいと自覚し、その活動に財政的な支=寄付をしているはずだ、という考えです。

もうひとつのリードドナーとは、募金活動を先導していく人たちをいいます。

通常、多額の寄付を最初にする人をさします。

要するにAさんが100万円寄付をするといってくれました。ですから、Bさん、Cさん、100万円とはいいませんが、いくらかでもお願いします、というような言い方につなげてくのです。

KNPOでも、理事の寄付やリードドナーと同じような役割を演じる人たちを提示することが必要ではないでしょうか。こういう考えのもとに、定額給付金をNPOへの寄付にすることを意思表明する人のリストをつくり、このサイトで紹介するなどして、「皆さんもぜひ、NPOに寄付を!」という呼び掛けにより説得力をもたせていきたいと思っています。

この点についても、いまKNPO内部で議論を進めています。
来週早々には、皆さんにお願いの文書がアップされると思います。
その折は、ご協力、よろしくお願いいたします。


3) 街づくり夢基金の募金活動、朝日新聞が記事に

 この原稿を書いているときに、街づくり夢基金の阪野さんからメールがありました。
4月15日付の朝日新聞の夕刊に記事がのった、というものです。

タイトルは「配食サービスに給付金寄付を 市民団体など呼び掛け」というもので、高齢者への配食サービスを行っている大阪府南部の3団体への寄付を求めていることが紹介されています。

記事には、寄付の振込口座や問い合わせの電話番号も掲載されています。
街づくり夢基金は、KNPOのサイトにも寄付を受け取る市民型ファンドとして載せていただいています。単に、寄付を、というのではなく、寄付集めのセオリーに基づいた具体的な内容を伴った寄付集めですし、ぜひ多くの寄付が集まってほしいと思います。

2009/04/13のBlog
光陰矢のごとしといいますが、時間がたつのは早いもので、このサイトを立ち上げてから半月が経過しました。このサイトとサイトに掲載された市民型ファンド・中間支援組織のリンクもだいたいできあがってきました。

 このサイトは、寄付を直接集めているわけではないので、どの程度の影響を生み出したのか、はっきりわかりません。しかし、寄付の申し出や相談依頼は、あまり寄せられていないのではないか、という気がします。


1) チャリプラへの寄付も60万円足らず
 このサイトの立ち上げの少し前に、東京にあるチャリティ・プラットフォーム(チャリプラ)という寄付文化の創造をめざすNPOが、全国80のNPOと連携して、寄付集めのサイト(定額給付金基金)を立ち上げました。

 ご覧になられるとわかりますが、実にしっかりした、わかりやすいサイトです。参加している全国のNPOも、NPO業界のなかでは知られた団体が少なくありません。しかも、メディアのレポートも相次いでいます。

 にもかかわらず、サイトに示された実績をみると、4月10日17時現在、募金者数271人、募金総額56万9213円ということです。
インターネットを通じた寄付実績だけのようですので、実際に受けた寄付の額はもっと多いのでしょうが、1日平均3万円にすぎません。
日本における寄付集めの難しさを感じないわけにはいきません。

→→ 定額給付金基金(チャリティー・プラットフォーム)
 http://www.charity-platform.com/kikin/


2) アメリカでも給付金集め!?
 アメリカでインターネットを通じて寄付集めを行っている団体としてよく知られているNPOのひとつに、Network for Goodがあります。1999年にTidesの関連団体として設立されたGroundspringと2001年にAOL、Cisco Systems and Yahoo!によって設立されたNetwork for Goodは、2005年に合併してできたNPOです。
 
 Network for Goodの財務報告書をみると、2007年に集めた寄付の総額は5600万ドルにものぼります。1万以上のNPOが参加しているとはいえ、60億円近い膨大な額です。
なぜ、こんなに多くの寄付が集まるのかについて、ここで検討する余裕はありませんが、募金で巨額の資金が集まる可能性があることは示していると思います。

 そんなアメリカで、昨年、「給付金」をNPOへの寄付にという動きがありました。
ブッシュ政権が景気悪化への懸念から、低中所得者向けの給付金提供を行ったのです。ひとり600ドル(約6万円)、総額40億ドルといわれた、この給付金のどの程度がNPOに寄付として提供されたのか、定かではありません。しかし、AP通信の調査によると、給付を受けるとみられる人の4%が寄付をする予定だと答えていたということです。
4%という数字を少ないと感じるかもしれません。

しかし、この給付金は、日本のように所得に無関係に提供されるのではなく、一定の所得以下の人が対象です。したがって、寄付をする余裕のない人も含まれています。また、NPOが寄付を呼びかける前の数字ですので、実際にはより多くの人が寄付をした可能性もあります。

 →→ Network for Good http://www.networkforgood.org/


3) 個々のNPOの呼び掛けが重要
 アメリカで昨年「給付金」が支給された時、アーカンソー州にあるYouth Ranchesという虐待を受けた子どもたちへの支援を行うNPOは、団体の寄付者リストにある4万人の人々に寄付依頼を行う予定だと、New York Times紙は伝えていました。

 Network for Goodに参加しているNPOも、自分のサイトで寄付の意義や使途などについて説明を行っています。だからこそ、寄付も集まってくるのではないでしょうか。
 
 このサイトを立ち上げるための会議を行っていたとき、定額給付金が支給されれば「万単位の人が寄付をする」という見方と、「あまりおらんやろ」という意見にわかれました。いまのところ、後者の意見が優勢なようですが、大阪や京都など、大都市の自治体の給付はこれからです。
 
 「寄付集めが難しい」のはたしかでしょう。

 定額給付金についても、このままでは寄付集めは難しいと思われます。やはり、ひとつひとつのNPOがこんなことのために、これだけ寄付が必要だ、という声をだしていただくことが大切なのではないでしょうか。
 前回のWeekly ReportのなかでDV問題に取り組んでいる「いくの学園を支える会」についてご紹介しました。

 KyufukinNPO@infoseek.jp にご連絡いただければ、このコーナーでお伝えしていきたいと思います。よろしくお願いいたします。(柏木)

2009/04/05のBlog
ウエブサイトの開設を広報するための記者会見を開いて、早1週間。
 多少見切り発車のところもあったのですが、次のような反響や運動の広がりを感じさせる動きがでてきているので、ご紹介したいと思います。

1) 応援メール
ウエブサイトの開設に合わせ、専用のメールアドレスを作りました。外部の方々からのご意見やご質問などを受けるためのものです。その第一号が記者会見の翌日、3月28日に届きました。

「みなさまの志は立派だと思います。しかし、私もギリギリの生活なので寄付は難しいです。最近の日本はどこかおかしいと思います。現役労働者がいきなり契約を切られ寒空に放り出されるなんて考えられませんね」
というものです。

 「ギリギリの生活なので寄付は難しい」という方は、もちろん「生活支援」定額給付金ですので、受け取られたらよいと思います。KNPOの活動は、「現役労働者がいきなり契約を切られ寒空に放り出されるなんて考えられませんね」というような問題に対して、定額給付金を役立てる方策の一つとして、「NPOへの寄付」を呼びかけたものです。

その意味で、「ギリギリの生活」の方からご意見をいただけたのはうれしいことです。


2) 運動への提言
 KNPOの呼びかけ人のひとり、大阪ボランティア協会の早瀬さんに、大阪で活動するDV被害者のシェルターのスタッフから次のような意見が寄せられたそうです。

「DV夫から逃げている妻や子どもは、住民票を移すわけにもいかず、定額給付金を受け取れず、本人のための給付金(子どもは2万円!)はDV夫のもとに届いてしまう。
経済的に苦境にある妻や子どもたちにこそ、給付金を役立てたいが、今の仕組みでは適わない。そんな時、今回の記事を見た。定額給付金を役立てたいという人がいたら、DV被害者のシェルターがあり、そこで給付金の仕組みから取り残される妻と子どもたちを支えていることを、寄付をしようという方に伝えてほしい。
DVホットラインの電話番号と、郵便振替番号は公開できるので、事情を理解して下さる方がいらっしゃったら、紹介してほしい」

早瀬さんは、この意見に対して、「今回の取り組みを通して、現場で苦労されている方の声を直接、聞けたことは良かったと思います。この種の取り組みは各地であるでしょうが、皆さんの近くでも同種の取り組みをされている団体の紹介も考慮してほしいな…と思って、報告します」といわれています。

なお、この団体は「いくの学園を支える会」で、
DVホットラインの番号は090-9629-4847
郵便振替番号は00990-3-68635

です。

早瀬さんがいわれるように、現場の声が伝わってきたことは意義あることでしょう。
できれば、DVのような女性団体、あるいは定額給付金を受け取れないが、経済的な問題などがある人々をクライアントにしているNPOが集まって緊急のファンドを作るなり、既存の市民型ファンドがそのための基金を作り、定額給付金を寄付として募金するように呼びかけるなどの行動につながっていってくれればいいと思っています。
KNPOに参加している街づくり夢基金が配食プログラムに特化して定額給付金からの寄付集めをしているのと同様な考えです。


3) 運動の体制の整備と広がり
 KNPOのサイトは、3月28日の記者会見にあわせて突貫工事で制作し(といっても、ソーシャル・デザイン・ファンドの金森さんに丸投げした形ですが)、公開しました。
このため、一部の市民型ファンドや中間支援組織は、KNPOのサイトとリンクが十分できていない状態でした。まだ、すべてのリンクが整っているわけではないのですが、ほぼできあがりました。

 先に紹介した「いくの学園を支える会」のDV被害者の例もKNPOの運動の広がりを感じさせるものですが、記者会見の時点ではコンタクトがとれていなかった団体からも問い合わせなどが入っています。そのひとつ、京都の「ドネーションショップわかちあい」の立川さき代表理事は、次のように述べておられます。

「定額給付金は当初「もっと有効な使い方がある」といった反対の声が多かったですが、支給が決まってしまって「もらえるものなら助かる、ありがたい」という空気になっているように思います。おかしいと思いながらそこに流されたくない、というわけで、この機会に「困った時はお互い様」という呼びかけをしています。給付金を有効に役立てようという気持ちを形にし、つないでいきたいと思っています」

 立川さんたちの活動は、中日新聞に掲載(※下記PDF)されました。ちなみに、この中日新聞の記事には、KNPOについても簡単に紹介されています。


4) メディアなどでの紹介
 記者会見の翌日、朝日新聞が記事を掲載しました。
記事の翌日はKNPOのサイトへのアクセスも増えていたので、効果があったのだと思います。
商業メディアではありませんが、KNPOの参加団体しみん基金・KOBEのニュースレターがKNPOについて紹介してくださるそうです。他の参加団体の方々もニュースレターなどを通じて、ご紹介いただければ幸いです。

(柏木)

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