皆さまこんにちは。ころころ通信委員のムニュです。

陽も次第に短くなり、暗く鬱々とした季節が来ています。
冬至の一筋の灯りに向けて、ゆっくり落ちてゆく時期です。

さて、ムニュは統合失調症を発症したのは今から20年以上前のことなのですが、発症してしばらくの急性期には1年ほど閉鎖病棟に入院していました。
と言っても、ムニュは陽性症状と思われる症状が酷く、とても入院生活に収まることが出来ず、ほとんど外泊で自宅にいることが多かったです。
病棟には様子を見てもらうということで週に一回ほど顔を出していたのですが、やはり閉鎖病棟はいろんな意味で刺激が強く、苦手な場所ではありました。
状態の悪い時には保護室と呼ばれる部屋に入ったこともあるのですが、それからそれ以上に長く苦しいリハビリ、回復期に比べたらまだまだ苦労の始まりだったと思います。

それから15年後くらいに寛解となったのですが、今でも時折閉鎖病棟を思い出します。

当時のことは断片的にしか覚えていないのですが、ほかの患者さんとのやり取りやお医者さん、患者さんのご家族のことなど、思い出すことでぎゅっと緊張が走り苦しくなることがあります。

なぜそこまでして思い出すのか、無意識にムニュが自分の「原点」に立ち戻りたいと思うときがあるのかもしれません。
あんなに苦しい「病気」の始まり、ですが、そこから全身全霊をかけて病気を生きる、闘うというエネルギーに満ち溢れすぎていた頃を思い出して、今でも自分に生きるということを問うているのかもしれません。

何をもって人生と言えるかは、人生が終わってからでないと分からないものなのかもしれません。
ですが、「すべてを失った」と思った瞬間がすべての出発点であることもあるのかもしれません。
今後もどう続いてゆくかは分からない人生に、「原点」の痛みを抱きしめてゆきたいです。

 ムニュ