(写真:ストックホルム郊外のアーランダ国際空港の出発ロビー・スウェーデン)
2011年7月18日
「女性が楽しみたい習い事」
<知的向上心を満たして、いつまでも美しく健康で>

 1985年、男女雇用機会均等法が制定され、女性が社会の第一線で働くことが当然のようになった。結婚後も今までどおり仕事仲間や取引先と接するために、夫婦別姓を選ぶ女性が増えた。積極的に海外旅行にも出掛け、その国の文化や芸術に触れ、そこで暮らす人々の日常を知る。

 ヨーロッパでは、石造りの建築物や絵画から伝統の重みや深さを感じる。電柱や派手な看板もなく、秩序の保たれた街並み。東南アジアでは壮大な宗教遺跡や雑然とした街並み。その中で、人々の活気と笑顔に出会う。

 異国に身を置いて日本を見直すと、あらためて日本のよさが分かってくる。日本古来の伝統文化にも新たな好奇心が湧いてくる。若い頃に経験した習い事を、もう一度真剣に学んでみたい。新しい習い事にも挑戦してみたい。また、いつまでも健康で美しくありたいと願う。

 子育てから解放された。子どもたちも結婚した。自分だけの自由に使える時間を持った女性が日常から離れ、いろんな習い事に挑戦する姿を次に紹介させていただきます。

(写真:アムステルダム近郊のスキポール国際空港・オランダ)—->
『<RANKING> 女性がリタイア後に楽しむ習い事』
2011年5月21日付け朝日新聞より引用

1位:外国語
 「海外旅行を2倍楽しく」(大阪、59歳)、「海外シニアボランティアに挑戦したい」(愛媛、58歳)、「異文化を知りたい」(京都、49歳)
2位:ヨガ・ピラテス
 「今の体形を保ちたい」(三重、59歳)、「呼吸法から瞑想まで、ヨガの世界を勉強したい」(大阪、61歳)
3位:書道
 「静かな時間が持てる」(山形、51歳)、「以前、空海の書を見て『ウワァッ!』ときた(東京、52歳)
4位:菜園作り
 「土いじりでストレスを解消したい。無農薬に近い野菜を作って、食の安全も自分で確保できれば」(神奈川、55歳)
5位:生け花・フラワーアレンジメント
 「花のある暮らしを楽しみたい」(茨城、37歳)、
 「老後は今まで以上に自然の美しさを感じたい」(東京、47歳)
6位:楽器演奏(ピアノ以外)
 「指を動かし、脳の活性化に」(大阪、57歳)、「娘と一緒に演奏したい」(兵庫、51歳)
7位:絵画・イラスト
 「学生時代の夢をもう一度」(福岡、39歳)、「昔から絵を描くのが好き」(愛知、49歳)
8位:ピアノ、「好きな曲を楽しく」(島根、46歳)。
9位:料理、「もう一度、基礎をしっかり」(大阪、27歳)。
10位:陶芸、「自分で焼いた骨つぼに入るのが夢!」(神奈川、50歳)。「時間を忘れて楽しめそう」(長崎、53歳)。

 調査の方法は、朝日新聞の無料会員サービス「アスパラクラブ」のウェブサイトで、4月22〜25日にアンケートを実施。編集部で用意した56の選択肢の中から1人五つまで選んでもらった。回答者数は1408人。

(写真:パリ郊外のシャルル・ド・ゴール国際空港・フランス)—–>
◆向上心で学んで 鍛えて楽しんで
 働く女性が増えています。主婦も、家事、育児、介護などに追われる日々です。退職したり子育てを終えたりして、自分の時間ができたとき、新たな挑戦をしたい人も少なくないでしょう。昨年好評だった「男性編」に続き、女性たちにリタイア後にやってみたい習い事を尋ねてみました。

 2100年、日本人女性の平均寿命は95.7歳に———。国連がそんな推計を公表した。現在でも86.44歳という長寿を誇るニッポンの女性たちは、リタイア後にどんな人生を送るのだろうか。その代表例の一つとなりそうなのが、習い事。アンケートの結果、群を抜いて1位となったのは、外国語の習得だった。シニアになったら思う存分海外旅行を楽しみたいという人が多く、実益を考えた回答が多かった。

 全国で36教室を展開する英会話大手の「GABA」は07年、シニアの需要を取り込もうと、50歳以上を対象としたコースを開設。外国人講師と1対1のレッスン(40分)で、授業料は1コマ5800円程度。通常の料金より1割以上、低くしたという。

 旅行、日常、商用といった目的に応じたテキストを選択。英国に滞在したい人が英国人講師を選べるなど、顧客のニーズに柔軟に対応する。広報担当者は、「講師との会話を楽しみながら知的向上心を満たそうという受講者が多い。『いろいろな仕事をしてきたが、英語の習得だけが心残り』という方もいらっしゃいます」。

◆美と健康追求 日本の文化も
 2位は「ヨガ・ピラティス」。いつまでも美しく健康でありたいという願望の表れか。深い呼吸を繰り返しながら、ゆっくりと体を動かすエクササイズで、体と心の双方に効果があるとされる。北米では、ヨガ教室に通う人の半数近くが70代以上という調査結果もあり、いま、「シニアヨガ」が注目されている。

 シニアヨガ専門のインストラクターを養成する講座を開く、「ルナワークス」(東京)の岡部朋子代表は、「椅子に座ったままでも、呼吸さえできれば実践できるのがヨガ。米国などでは医療の一環として活用する動きが盛んです」、と話す。

 3位は書道。東京・銀座の「東宮たくみ書道教室」には、65歳以上を対象としたシニアの部がある。受講者は静かに墨をすり、墨の香りを感じ、筆を執る。古典、名品の書にも触れ、日本古来の文化に向き合う時間だ。

 主宰する東宮たくみさんは、「字には個性がありますが、『入りがいい』、『バランスが素晴らしい』と、その人のいいところを伸ばすよう指導しています」、と話す。習い事ついでに買い物や食事を楽しんで帰る受講者も多いという。

 「日本の文化をしっかりと学びたい」(大阪、27歳)という思いは、書道だけでなく、「生け花」や「着付け」を選んだ人にも共通する思いのようだ。「日本人なら一人で着物を着て、ちょっとお出かけできるおばあちゃんになりたい」(大分、56歳)。

 「楽器演奏」や「絵画・イラスト」などでは、子どもや学生のころに楽しんでいた趣味の続きを夢見ている人が多かった。また、「マージャンで頭の運動とともに友人を開拓したい」(千葉、53歳)、「同じ趣味を持つ者同士、話せる場はいつまでも必要」(兵庫、58歳)と習い事を通じた友人づくりに期待する声も多くあった。

 昨年9月4日付け本欄の「男性編」では、「菜園作り」や「料理」など、生活感のある習い事が上位となった。それに比べ、女性編の上位には「外国語」や「書道」など、知的向上心を感じさせる選択が目立った。6位の「楽器演奏」、7位の「絵画・イラスト」は男女ともに人気。5位の「生け花・フラワーアレンジメント」や10位の「陶芸」は女性ならではか。

 アンケートでは、「既に始めている習い事がある」と答えた人が約48%にのぼった。「常に何かをしていたい」(千葉、53歳)と活動的な女性は多い。好きなことは、リタイアを待たずに楽しんでいるようだ。(中島耕太郎)