「好きなことを心ゆくまで」 <男性が楽しむご隠居生活>

(写真:世界一美しい港と評されるアカバ港・ヨルダン)—>
2011年7月15日
「好きなことを 心ゆくまで」
<男性が楽しむご隠居生活>

 団塊世代の定年退職が始まって数年が経ちました。現役を引退してからは、あれをやってみたい、これもやってみたいと思っている方。すでに社会の第一線から身を引いて、悠々自適の生活を謳歌している方。老後はのんびりと好きなことができると楽しみにしていた方。いざ、その時になってもなかなか思い通りに行かないのが世の常、人の常。

 会社からの命令で国内はもちろん、海外へ出張することも多かった。長く働き続けてきたので、しばらくは家庭でゆっくりと休みたい。その後で肩の凝らない楽しみ事でも探してみるか。自由に使える時間はたっぷりある。しかも、まだまだ体力には自信がある。60歳まで頑張ったご褒美として、心ゆくまで老後を楽しみたい。

 そこで、寝覚めのコーヒーを飲みながら、そんなことを考えているあなたのご参考になればと思い、朝日新聞に掲載された「男性が退職後に楽しみたい習い事」を次に紹介させていただきます。

(写真:九龍地区と香港島を結ぶスターフェリー、後方は香港島)—>
『<RANKING> 男性が退職後に楽しみたい習い事』
2010年9月4日付け朝日新聞より引用

1位:菜園
 土作りから肥料の与え方、収穫のタイミングまで、実地で学べる。種苗生産会社や自治体、大学なども講座を開いている。貸農園の増加も追い風。
2位:料理
 「男子厨房に入らず」はもはや過去の話。ベターホームの料理教室では、総菜作りや魚のおろし方を習うコースが特に人気だという。
3位:楽器
 ヤマハの大人向け音楽教室ではこの10年で、50代以上の男性が4.8倍に。サクソフォンが不動の一番人気で、ドラム、アコースティックギターと続く。
4位:外国語
 「海外旅行に役立つ」(大阪、61歳)として、やはり英語を選ぶ人が多い。
5位:登山・トレッキング
 ブームだが、事故が怖い。装備や技術の基本を教室で学んでから。
6位:写真
 高性能カメラを使いこなすため、「一眼レフを基本から」(島根、66歳)。
7位:そば打ち
 オトコの定番。そばパーティーを開きたいという人が多い。
8位:絵画・イラスト
 「全国の自然豊かな風景を写生したい」(東京、56歳)という人も。
9位:囲碁
 「頭の体操になる」、「仲間をつくりやすい」と効用を挙げる人多数。
10位:盆栽・園芸、「自己流を是正したい」(神奈川、49歳)と改めて学びたい人も。

 以下、釣り、ゴルフ、陶芸と続く。調査の方法は、朝日新聞の無料会員サービス、「アスパラクラブ」のウェブサイトで、8月上旬にアンケートを実施(回答は1246人)。55の選択肢の中から三つまで選んでもらった。

(写真:ボスポラス海峡から眺めたイスタンブール市街遠景・トルコ)—–>
◆『菜園と料理で食生活自立』
 退職まであと〇年—。今は社会の第一線で懸命に働いていても、心の中では、「老後は好きなことを心ゆくまで楽しむんだい」と、リタイアの日を心待ちにしている方が少なくないことでしょう。老後に習い事を始めるなら、何をしたいですか?現役で働く男性に尋ねたら、趣味と実益を考えた堅実な選択が目立ちました。(中島耕太郎)

 日本人男性の平均寿命は79.59歳。日本人女性の86.44歳にはかなわないが、また過去最高を更新した。睡眠や食事などの生活時間を除いた自由時間を1日12時間として計算すると、60歳で退職した男性には約8万6千時間もの膨大な時間がある。これは、1日8時間、週5日、38年間働いた場合の約7万9千時間よりも長い。

 「人生とは、死ぬまでの壮大なヒマつぶし。どうせ同じヒマつぶしなら、豊かにつぶしたい」。上野千鶴子・東大大学院教授は、リタイア男性の生活を考察した著書、「男おひとりさま道」に書いている。

◆実益を重要視 友人づくりも
 今回のランキングで一番人気は菜園作り。東京近郊の6ヵ所で菜園実習講座を開設する「田舎の学校」でも、年配の「生徒」と講師役の農家が談笑しながら汗を流す風景がすっかり定着した。田中直枝代表は、「野菜を収穫できるほか、畑に入るだけで癒しになり、田舎暮らしを考える人の準備にもなるなど、実益が大きいところが人気の理由でしょうか」、と話す。アンケートでは、「安全な野菜を食べたい」、「家計の節約になる」といった回答もあった。

 2位は料理教室。「これまで食事を作っていただいたので、少しでもお返しを」(千葉、63歳)など、家族を喜ばせたいという人が多かった。一方で、「家族に先立たれても生きていける」(福岡、58歳)という声も。家庭菜園で採れた材料を自ら料理して食べる・・・・・。そんな自立を目指す姿が見えてくる。

 1991年に男性対象の料理講座を始めたベターホーム(本部・東京)では、当初350人だった参加者が、全国18教室で約6500人にまで増えた。60〜70代が約6割を占める。仕事が一段落したのを機に通い始める人が多いという。「包丁をまったく持ったことのない人もいるので、しっかり握って洗い場に持っていくところから始めます」、と企画広報担当の下渚さん。

 習い事は友人づくりの場でもある。教室が終わると、男性同士で連れ立ってお茶を飲みに行くことも珍しくない。「習い事を通じて友人を多く持つことは大事」(広島、42歳)と考える人は多いようだ。今回、通信講座の大手業者も取材したが、「団塊世代の大量退職を狙ってたくさん講座を用意したんですが、不人気に終わりまして」。一人で知識や技術を磨くだけでなく、同じ趣味を持つ人との交流を求めている人が多いのかもしれない。

 アンケート結果で気になったのは、「定年後に楽しみたい趣味はない」との回答が、全回答者の約7%あったことだ。何人かに理由を聞いたところ、「現役引退までに何かを身につけ、その継続であるべきだ」(岐阜、43歳)との答えが目立った。退職してから始めるよりも、余裕を持って少しずつ準備することが大切だろう。ただし、「どうしてもお金の心配が」ついて回る。(了)