☆不登校について— 「不登校再考」の講義より 番外編 Música 2 鬼束ちひろ

日本で好きな歌手は?と聞かれると(そんなに聞かれることはないですが)、鬼束ちひろの名前をあげます。

 私がスペインから一時帰国し、迷いと不安の日々を送っていた時に一番心に響いたのが鬼束ちひろの曲でした。
前に紹介したCorrsもそうなのですが、両者とも自分の内面を深くえぐり、現状を鋭く時にはアイロニーを混ぜて批判し、しかしより高い所に向かう、という姿勢が歌詞などから感じられます。

 特に鬼束ちひろの、この腐敗した世界に落とされた、だの、イスを蹴り倒し席を立てる日を願ってた、等の歌詞は当時の私には非常に共感できました。恐らく彼女は方法は違うが、私と同じ様な事を表現したいのではないか、と当時思いました。

 不登校や引きこもりのみならず多くの人が生き辛さや絶望と共に日々を過ごしている時代なのでしょうか。或いは多くの人はあまり深く考えないようにしているのでしょうか。

 鬼束ちひろの曲は、己の心を砕きながら、世の中の矛盾や欺瞞を切り裂いていく感じがします。

 彼女は歌手の中でも異質に見え、その歌には心が熱くなりました。
まず是非ファーストアルバム「insomnia」の曲を聴いてみて下さい。

 ただ今のお気に入りの曲はそのアルバムの中の曲ではなく(なんでやねん!(‾^‾#))、私が約二年前に日本に戻ってきた時に聴いた「流星群」という曲です(ちなみに調べてみるとこの歌は2002年の初期に発表されており、その時には日本にいたので、耳にしたと思いますが、帰ってきてから聴いた時の方が印象に強いです)

 基本的に彼女の歌には“救い”がありませんが、そこらへんが私が好きな点なのでしょうか。この歌の中ではこんなにも醜い私を…、という箇所がお気に入りです。

 後、個人的にこの不登校というテーマから連想する曲№1が「シャイン」という曲です。聴いたことがない人は聴いていただければなんとなくわかると思います。聴きようによっては彼女の曲はほとんど不登校、引きこもりというテーマにどこかしら通ずるものがあるように聴こえますが、しかし不登校のみに限定されずこうした感情や思いを今の世の中の大半の人が心の奥で持っていて、それを彼女は歌っているのかもしれません。正に彼女は世の中の多くの人が心の奥で叫んでいるムンクの叫び\(◎o◎)/!、いや、すいません(%涙%)魂の叫びを代弁しているように受け取れます…

 では最後に次回は、日本に約三年滞在した後に、親の住んでいるスペインに戻った時によく聴いていた曲を紹介したいと思います。