元旦(平成22年1月1日)

ありもと@孟子です。。 
みなさん新年明けましておめでとうございます。

旧年中は本当にお世話になり、ありがとうございました。
新しい仕事に就き、悪戦苦闘の中ものすごい勢いで経
過した一年でした。

昨年年の瀬に至り、ようやく回りを見渡す余裕めいたも
のができ、この新年に繋げることができました。
本年も、ビオトープ孟子にとっても、わんぱく公園にとっ
ても、昨年同様あわただしい一年になるものと思います。

本年も、皆様に支えられ、身守られつつ、過ごして行き
たいと存じます。

何卒宜しくお願いいたします。

平成22年元旦

10時
孟子不動谷到着です。
平成22年の元旦は、さすような寒さの、ネズミ色の雪雲
の下に明けました。

元日は穏やかな天候が多いのに、今年は季節風も強く
文字通り「冬らしい」気候からスタートです。

ピョッピョッピョッ!!
犬飼池の上空を、1羽のミサゴが鳴きながら飛んでいます。
平成22年の初鳥は、ミサゴで明けました。
純白の腹面が、時雨空に映えています。

犬飼池に登る道筋の雑木林で、カラの混群に出会います。
シジュウカラ、ヤマガラ、エナガ、メジロ・・・
冬の雑木林で元気に過ごす雑木林の道化師たちが、すっ
かり葉を落とした落葉広葉樹林の枝間を、小人のように
飛び交っています。

寒い中本当に御苦労さんなことです。

ツピッ! ツピツピッ!!
シジュウカラの警戒声に、一同林床の藪の中に姿を隠しま
す。
次の瞬間、1本の矢となって、モズが突っ込んで来ました。

モズのことを、「タカになり損ねたスズメ」と呼ぶ鳥仲間がい
ます。
冬が深まり、地面が氷と霜に凍り付き、昆虫たちが取れなく
なり、食に窮したモズは小鳥を襲います。
自分も小鳥であることを忘れ、「タカ」と化すのです。

この季節のモズを見るたびに、鳥仲間の懐かしい顔が浮か
ぶのです。

今年は冬鳥が異常です。
ふつう孟子不動谷の冬は、犬飼池から不動さんまでの雑木
林にたくさんの冬鳥が来ています。
なのにこの冬は、犬飼池から不動さんまでの間に、めっきり
冬鳥が少ないのです。

普通ならそこここで鳴くルリビタキやシロハラが、1羽も見え
ません。
その証左として、マンリョウも、ナンテンも、クロガネモチも、
ソヨゴも、いっぱいに赤い果実を樹いっぱいに付けています。

ヒヨドリやメジロはいっぱいいて、彼等も食べるのですが、
量が量なので、やはり冬鳥の「助太刀」が必要なのでしょう。

水田にもツグミが少ないです。
普通ならひこばえの伸びた水田で何羽か「だるまさんがころ
んだ」をしているのですが、今日ははるか上空からひと声
「ピャーピャー」という声が降ってきただけでした。

一転、天堤池から奥には冬鳥の声がします。
今日も池畔のハゼに青いルリビタキが来ています。
今年の「初撮り」は、この青い鳥に決めました。

グッ グッ
つぐみ類独特の地鳴きで鳴きながら、昨日同様フライキャッ
チで果実を咥えています。
2つ、3つ、呑みこむと、地面にとび降りて、ネザサの先に止
って小休止します。
それが撮影好機です。

ハゼの樹は、どうしても空ヌキになるので、ネザサで休んで
いる時が最も撮影も観察もしやすいです。
まだ背面にオリーヴ色の羽衣が混っていますが、ねずみ色
の時雨雲の間から刺す陽光に照らされると、背面が美しい
ルリ色に輝きます。
孟子にはルリビタキが多く、もう何枚撮影したか知れないの
ですが、何度見ても、撮影意欲が掻き立てられる「イケメン」
です。

撮影しつつも、しっかりと行動観察は続けます。
ルリビタキは「ひたき」という名があるものの、ツグミの仲間
です。
しかし一見すると、ヒタキの仲間に行動もしぐさも似ています。
しかしじっくり長時間観察すると「やっぱりコイツツグミやな」
と思わせるしぐさをします。

まず地上によく降ります。
大型ツグミのように落ち葉を足で裏返すことはしないのです
が、ものすごく素早く嘴で落ち葉を咥え、うらがえします。
このしぐさは、キビタキやオオルリは、絶対の行わないしぐ
さです。

約1時間
この青い鳥をじっくり観察して、ルリビタキが「ひたき科」では
なく「つぐみ科」であることを確信しました。

初撮りを終えて、鶴者峠への道を上ります。
普段元日にはまず行かない場所なのですが、今年は冬鳥が
入口に少ないので、仕方なく上ります。

池奥のコナラの枝にミサゴが止まっています。
美味しそうにコイを押さえて、食べています。
おそらくさっき犬飼池の上空を飛んだ個体でしょう。
コイ(マゴイ)は、海のタイ(マダイ)同様おめでたい魚です。
このミサゴも元日を祝っているのかもしれません。

ネザサの藪にはクロジがたくさんいます。
毎年この地点で越冬します。
兵庫県北部や京都、本州中部以北の山地のスズタケ藪で
繁殖するホオジロ類ですが、越冬場所もネザサや東日本
ではアズマネザサの藪に求める傾向にあるようです。

ここまでくるとシロハラも沢山います。

今年「年男(年女)」のトラツグミ夫婦も、落ち葉を裏返して
います。
トラツグミをじっくり双眼鏡の視野に入れたのは、今シーズ
ン初のことです。

鶴者峠まで足を伸ばして、漸く一通りの冬鳥を記録できまし
た。
本当におかしい今年の冬です。

13時
孟子での初見を終了して、一路わんぱく公園に向かいます。

わんぱく公園も、北寄りの季節風が吹き荒れています。
ネコに餌をやり、湯タンポ用の湯を沸かし、大池にカモのカ
ウントに向かいます。

上空をツグミの群れが通過していきます。
まだ渡りが続いているようです。

今日はキンクロハジロが多く、98羽カウントします。
マガモが少なく130。昨日、一昨日より30羽減です。
ヒドリガモ10、ホシハジロ24、カルガモ21、コガモ35、
ハシビロガモ1・・・
カモは7種319羽です。

大池の周辺にはたつべ池、くも池等、池が数か所あります。
カモたちはそれらの池を、行ったり来たりしながら越冬してい
るのでしょう。
大池のカモの個体数に変動が大きいのは、カモたちのそうい
う習性に起因しているのかもしれません。

どこかの池で餌付けでもすれば安定するのでしょうがそうでも
ないと移動するのが普通なのでしょう。
冬の季節は、カモにとっても、食糧確保が難しいのです。

鼻水を凍らせながらのカモのカウントも、結構楽しいものです。

15時を回りました。
寒さが一段と厳しくなります。

一通りのカウントを終え、湯タンポ用の湯をもらってココアをす
すり、湯たんぽをネコ小屋に入れて帰路につきます。

北野上に入り、やはた橋にさしかかると、電線に中型の小鳥
の大群が止まっています。
「もうムクドリの塒入りか・・・」
そう思って近づくと、なんと!ツグミの群れです。
総数300超です。

見ると貴志川の河川敷から、続々と飛びあがって来ます。

この光景は11月とか12月上旬によく見る光景です。
河川敷にノイバラの果実に、渡来当初のツグミの群れが執着
します。
ノイバラの実を食べつくすと、畑地や田んぼに移動するのです。

それが、元日にまだ、貴志川にこんな数のツグミが・・・・

孟子にツグミがきわめて少ない「理由」が、わかりました。

今年も孟子とわんぱく公園の鳥たちには、何かとお世話にな
ると思います。
今日はありもとにとって、鳥たちへの年始の挨拶なのです。
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<哺乳類>
イノシシ(堀跡)
ムササビ(食痕・ヤブツバキ花)
モグラの一種(坑道)
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<鳥類>
カイツブリ、ミサゴ、トビ、キジバト、コゲラ、セグロセキレイ
ヒヨドリ、モズ、ルリビタキ、ジョウビタキ、イソヒヨドリ、シロハラ
ツグミ、ウグイス、エナガ、ヤマガラ、シジュウカラ、メジロ
ホオジロ、カシラダカ、アオジ、クロジ、カワラヒワ、イカル
ベニマシコ、スズメ、ハシボソガラス、ハシブトガラス
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<昆虫類>
キチョウ(越冬中)
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<花>
モチツツジ、ヤブツバキ、ハコベ、ウシハコベ、ノアザミ、オニタ
ビラコ、カンサイタンポポ、セイヨウタンポポ、ハルノノゲシ
ユキヤナギ、ヒメノダケ、キツネノボタン
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<わんぱく公園鳥類>
カワウ 137
マガモ 130
カルガモ 21
コガモ 35
ヒドリガモ 10
ハシビロガモ 1
ホシハジロ 24
キンクロハジロ 98
カイツブリ、ミサゴ、アオサギ、キジバト、ハクセキレイ、ヒヨドリ
ルリビタキ、ジョウビタキ、ツグミ、シロハラ、イソヒヨドリ
エナガ、メジロ、ホオジロ、アオジ、カワラヒワ、イカル
ハシボソガラス、ハシブトガラス
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