二度目の宙組東宝公演「黎明の風−侍ジェントルマン 白州次郎の挑戦−/Passion 愛の旅」

昨日(4月12日)は娘と二人で
宙組東宝公演観劇しました。
私は先週に続き、二度目です。
2階のSS席2列目でしたので、
前回の1階のSS席3列目より
舞台全体を見渡すことができました。
やはり一階の10列目以内で一回
2階の5列目以内で一回
あとA席かB席で一回の3回観劇が理想かな?

「黎明の風-侍ジェントルマン 白洲次郎の挑戦-」
一回目はあまりにも政治的すぎる内容なので
泣けませんでしたが、今回は泣けました・・・
特に次郎がマッカーサーに
「我が国は唯一の被爆国です。」よ
土下座で朝鮮戦争の全面戦争化の阻止をお願いするシーン
そして、サンフランシスコで独立を果たしたシーン
もう数回観ても良いかも?

右も左も真っ青なほど正論ばかりで
東条英機についても
アメリカの無差別爆撃と原爆投下についても
勝者が敗者を裁くだけでなく
事後法である極東軍事裁判(東京裁判)についても
徹底的に批判します。

それはそれで痛快なのですが、
やはり天皇については違和感が。。。

マッカーサーは日本人が
天皇のお言葉に素直に従うということを
日本の美徳のように言います。
占領兵も天皇行幸の時にも
天皇に石を投げる日本人もいなかったと
感心するのですが、
逆に言うと、それほどまで日本人が
天皇に洗脳されているという現れではないかと思う。

それに(この作品では)
吉田茂反戦グループ、いわゆるヨハンセングループについても
英米と戦争すれば、必ず負ける、
戦争は勝っても負けても損する、
と言うだけで、当時としては仕方がないかもしれないけど
人権とかそんな意識ではないのです。

だから、戦後体制は戦前・戦中の権力の中枢近くにした
反体制派中心の組閣なので、
中身は実はほとんど変わっていないことが
よくわかります。
経済復興体制は戦時体制そのままなんです。

この作品で取り扱うテーマは
どれも政治的な問題ゆえに
簡単に泣けてしまうところの危険性があるような気がします。

ところで、プロローグは格好いいですよ。
戦後の焼け野原のシーンから、
石さん(轟悠)が、せり上がり、
シルエットが浮かび上がって登場!
続いて、ボンが回って、
裏側からタニちゃん(大和悠河)登場!
宝塚の舞台機構ならではの演出でした。

あとたっちん(和音美桜)が
下手からソロを歌いながら、
銀橋をわたり、上手で客席に向かって
「かっこいいぞ、白洲次郎!」のシーン
ウメちゃん(陽月華)で観たかったような気もしますが。。。

それにしても石田さんの演出ですが、
相変わらずコネタが多い。
特にマッカーサーの執務室のセクシー秘書は
意味不明なんだけど・・・