海外で日本語学校を経営することの難しさ

海外で日本語学校を経営することは非常に難しい。
なぜなら、物価や経済に差がある国では、
採算が取れないからである。

例えば、ラオスやカンボジアの日本語学校では、
学費が1ヶ月5〜20$ぐらいである。

月曜から金曜まで授業があるとして、
1日に1人の教師が持てるクラスは
5〜6クラスが限度である。
6クラスになると、
よっぽどの経験のある教師しかムリである。

すると、1クラス15人学生がいて、
授業料が10$だとすると、
教師1人が1ヶ月に稼ぐ授業料は750$で
そこから、家賃などの運営費が引かれていく。

その結果、教師1人の給料は300〜500$ぐらいになってしまう。
この給料で外国まで来て働こうと思うのは、
やはり経験の少ない日本語教師に限定されてしまう。

経験の少ない教師は、
もちろんやる気はあるが、
生活に慣れることが、まず始めの課題になり、
授業に打ち込めるようになるのは
しばらく経ってからだ。

また、その経験の少ない教師を指導できる教師が
ほとんどおらず、
みんな頑張る気持ちがあるのだが、
時には、空回りをしたり、
違う方向に頑張ってしまうこともある。

そんな苦労を重ねて、
日本語教師として成長すると、
日本に戻ってしまったり、
もう少し待遇のいいところに移ってしまったりすることが多い。

そして、また新しい教師を受け入れ、育てるところから
始めないといけない。

この点を改めるには、
やはり経験のある教師が安心して、そして、安定して
外国で日本語を教えられるシステムを作らないといけない。

現在、そのシステムを確立するには、
日本語学校に、日本人が現地語を勉強するコースを併設し、
それでお金を稼ぐ方法が一般的だ。

また、経験のある教師が
現地の日本語教師を指導し、
現地人教師に、日本人より少し安い給料で働いてもらい
分業する方法だ。

ただ、このシステムを成り立たせるのには、
少し時間がかかってしまう。

これらが海外で日本語学校を経営することの難しさだ。

他に仕事をして、
その稼ぎを日本語学校に回している経営者も多く、
大きな課題を抱えている。