— 天地げんこう宇宙こうこう日月えいしゅくししんしゅくれっちょうす
かん来たりてしょ往き秋おさめ冬かくす —

ついこの間2月、幼木ながら河津桜が枝々に桃色の花をつけ、3月末には、花桃が空に向かって花開いたばかりなのに。
「冬蔵す」現在、月日の流れることの早いこと、ちょっとこの1年を振り返る。
今年の月下美人、6月の6輪の花をかわきりに、7月8月9月10月と、例年通り一月ごとに同じ夜に花を咲かせた。1日ちがいの花もあるが、殆ど同じ夜にそろって咲く。花咲く株は11鉢。庭の東側に並べてある。今年の夏も連日、(人間にとっては生か死かの)猛暑酷暑が続いたためか花の数が多かった。11鉢延べ数76輪咲いた。9月10月には、一夜で25、6輪咲いた。1株で、5輪咲いたのもあった。
花が終わると次の月の花の蕾がつく。10月の花のあとにも3mmほどの蕾の原形を確認したのだが、一向に生長しない。10月末からの低温のために育たなかったのだ。枯れて落ちたりしないのに生長しないままだった。その時点であきらめた。もう咲くことはない。霜が降りないうちに、全鉢を、2階の、空いた息子の部屋の南側窓辺に運び入れた。それで春を迎える。(写真: 月下美人1/撮影月日:9月27日)

(写真: 月下美人2/撮影月日:9月27日)

玄関先の植え込みから、コンクリート塀を這うように伸びたピラカンサ。10年ほど前のある日見つけた10cm足らずの木、これはピラカンサの木だ、とわかったので、そのままにおいたものだ。新芽が年々伸びて、5、6年してから小さな白い花が咲き始めた。
そして今では3mに伸びてみっしりと実をつける。これも「秋収め」の時期から、やがて間もなくヒヨドリに食べられる運命にある。周囲の南天の実がすっかりなくなったらピラカンサの番なのだ。
(写真: ピラカンサ1/撮影月日:11月23日)

塀の高さの真ん中あたり、道路面から4、50cmの位置を塀に沿って水平に伸びているのだが、その赤い実はよく目立つ。少しでも長く食べられないようにと、鳥よけテープを派手に張ってみる。何日かあとになるだけで、ほぼ3日間で食い尽くされる。数羽の集団でそんな低いところにも下りてくる。ピラカンサにしてみればヒヨドリに食べてもらったということになるのだが、私としてはもう少し赤い実を愛でていたい。
赤い実のなくなったピラカンサも、グリーンの葉だけとなって春を待つことになる。
そして・・・すぐ、河津桜の季節が来る。私事、60歳の坂を越えてからは、月日が過ぎ行くというより年月がぐるぐると素早く回っている感じがする。どう考えたらいいのだろう。この事実は認めなければいけない。
(写真: ピラカンサ2/撮影月日:11月23日)
 (2012.12.2) (会員:濱野さと子)