地域チャイルドライン、そしてヘルプラインへ 
ー期間限定フリーダイヤルキャンペーンからー

 めぐろチャイルドライン代表・早稲田大学教授 喜多 明人 

2014年9月1日から7日まで、目黒区在住、在学の18歳までの子どもを対象として、
めぐろ チャイルドライン独自のフリーダイヤルを開設して、子どもの声を集中的に聴き、受けとめる 活動が行われた。
着信6件のうち3件が会話成立。小学校低学年の子ども、高学年の子ども、そ して高校生女子の3名であった。
いずれも友達関係の悩みや生き方に係る話であり、「自分で もはっきりわからないような混沌とした思いを、そのまま受けとめてもらうこと」の大事さを 改めて認識できたという。
いじめや虐待などのヘルプライン関連は、今回は不発ではあった が、小児科医から目黒区医師会へのつながり、主任児童委員、弁護士、警察等との連携など地 域でのネットワーク作りの足がかりできたことは成果といえる。
1週間で6件という数字はけして多くないが、「めぐろハートネット」が年間22件、という ことで、めぐろの子どものつかみ方についてもうひとつ工夫が必要ということなのであろう。
わたしは、常々、チャイルドラインは“地域チャイルドライン”であるべき、と主張してき た。チャイルドライン活動を通して、めぐろという地域の子どもの声を受け止めること、多様 な子どものニーズ、要求を、子ども支援活動として反映させていくことが大切であると考えて きた。
フリーダイヤルは、電話のかけ易さからいえば当然であるが、地域チャイルドラインで ある本質を損なわない工夫が必要であると感じている。
いま中学生の間では、ラインでのコミュニケーションが発展している(弊害もあるが)。
めぐろの子どものつながり方としても、インターネット相談が有効であると思われる。 めぐろチャイルドラインも参加してきた「NPO法人めぐろ子ども支援ネット」では、近々、 インターネット相談活動に踏み切る予定である。その際は、わがチャイルドラインの経験や人 材が活かされてほしいと思う。