千住宿の面影と、北千住の銭湯もう一方の雄、千住元町のタカラ湯

お正月ということで今回も立派な和風建築の銭湯を続けましょう。
北千住の駅を中心に、にぎやかな商店街があちこちに伸びています。駅の少し西から南北に延びる商店街は、江戸時代、街道(日光道中)の宿場だった通りです。若い人も多いにぎやかな通りですが、少し北の方へ行くと、町割りや古い木造建築に宿場の面影が残っています。右手に横山家住宅、その向いは手描き絵馬の吉田家、郵便局の先が槍かけだんごのかどやです。かどやの団子は、一本90円、あんことタレの2種類があります。一本ずつ買って柔らかい団子を食べながら歩いていくと、土手の手前の名倉整形外科まで、立派な古い建築が集まっています。

目の前に見えてくる荒川の土手と平行に西の方へ曲がって行くと、千住元町にタカラ湯があります。静かな商店街を抜けたあたりです。手前から煙突と堂々とした寺院のような屋根が見えてきて、期待が高まります。昭和13年の建築ということで、戦前の東京の銭湯建築を伝える貴重なものです。特徴は大屋根の破風が木を組んだものであり、目白台の月の湯と共通の構造です。フロント方式で、脱衣場、浴室とも構造は古い型を残しながら、格天井も簡素に、浴室の壁も新しいタイル中心です。
その中でタカラ湯の特徴は広い庭です。橋が架けられ、鯉のいる池、苔むした築山、桧皮の塀など、広くて立派な庭は、脱衣場の広い縁側からだけでなく、洗い場、浴槽からも眺められます。というのは、洗い場と庭の間がガラス窓で、昼間は太陽がまぶしいくらい明るいです。また浴槽も庭に張りして幅広で、9人くらいはゆったりと並ぶことができます。浴槽の背後は雁、魚、サンゴのタイルですが、中島師のペンキ絵も額におさめて貼ってあります。、
タカラ湯 足立区千住元町27-1 15:00〜24:00 金曜日お休み 北千住駅から15分