西日本豪雨災害 活動報告(第11報)

7月25日(水)、西宮社協さんのバスの別働隊として岡山県にて活動を行いました。午前中は、矢掛町にまず向かい、浅海集落へフェリシモさんから頂いた女性用下着の物資を届けさせていただきました。町内会長さんから現在の地域の状況を聞くと共に、ご趣味の音響器具の話で盛り上がりました。集めていた音響器具は水没してしまい、その多くは処分してしまったそうですが、つい2年前に購入した物に関してはまだ心の整理がつかずに捨てることができない、とおっしゃられていました。町内会長さんの音響器具のように、水没のために大切なものを廃棄してしまう、ということは一般的に行われてしまっているようで、倉敷市の中を車で走っていると、車窓から立派な家具からこどものおもちゃ、服やさらにはひな人形まで廃棄されているのをよく目にしました。捨てざるをえなかった人のことを想うと胸が痛くなる光景でした。
次に真備町のあるお宅に洗浄した写真をお届けに行きました。返却した写真は、子供さんが生まれたときに記念に取った写真などで、非常に喜んでいただけました。その一方で、他の家庭で写真を洗浄してほしいニーズはあるかとお聞きしたところ、多くの家庭が汚れてしまった写真を復元することを断念し、捨ててしまった、とのお話を聞きました。
 

その後、被災した神社・寺院を巡りました。途中訪れたお寺では、明治時代の倉敷での水害の追悼碑が残っていました。しかし、住職にお聞きすると、そうした過去がありつつも、災害が少ない地域で、かつ決壊した川も異なる川だったので水害に関しては特に危機感は抱いていなかったそうですが、水がお寺まで押し寄せることになり本当にびっくりしたと驚いておられました。また川の決壊した時にお寺にいらっしゃった方によると、川の決壊と聞いて東日本大震災の津波をすぐに想起したそうで、川から離れた地域でしたが、高台へと早期避難をされ、そうした判断が功を奏し助かったとのことでした。
 以上、今回は倉敷市の被害状況を広く見て回ってきましたが、人手不足という印象が強く残りました。週末から台風の接近で雨が降ると予測されている中で、人手が足りないために土砂の片付けや側溝の掃除などがいまだ不十分であり、週末に雨が降った際、事態が悪化することが容易に予測できました。タイムリミットの迫る中、地域の人々や自衛隊、警察、ボランティアの皆さんと一緒に私たちも私たちなりに懸命に動いてはおりますが、まだ支援が引き続き必要であると強く思いました。
NVNADは、今後も引き続き各地の小さな支援活動を積み重ねていきたいと思います。ご支援ご協力どうぞよろしくお願いいたします。
(林稜 大阪大学渥美研究室出身、現在東京大学大学院在学中)