大阪ツアー報告 2日目(5)

18:00〜ラスト【祭太郎】、【岡見賢】、【南隆雄】、【ドンマイダイ】
 パフォーマンスも終盤です。もう4時間が経過し、だいぶ場慣れしてきました。事務局のMCが盛り上げます。お客さんもさらに増えてきました。

【祭太郎】さんは北海道出身。「受身」のパフォーマンス、ということで、マイクがついたトタンの板の上に何度も受身をします。

【岡見賢】さんのパフォーマンスは光と音を融合させたスタイリッシュなパフォーマンス。電球の間に端子を挟んで、スイッチのon-offを繰り返すことで激しいノイズの音質を変化させます。脳震とうを起こすような音響の中で、閃光と共に浮かび上がる姿がカッコよかったです。

【南隆雄】さんは映像作品。言葉が空に描かれて、ゆったりと流れていきます。パフォーマンスも終盤の雰囲気。

そしてついにラストの【ドンマイダイ】さんです。この方は新世界アーツパークの事務局長・角さんもイチオシらしいです。外はいつの間にか真っ暗。最後とだけあって、事務局の方々も会場に来ています。
【ドンマイダイ】さんは極めて多芸なパフォーマー。自作の主題歌を作成し、歌い、CMをつくり、司会まで行います。事務局の野添さんが言うには「世紀魔Ⅱのように一つの世界観を創りだすアーティスト」とのことです。「ドンマイダイ!ドンマイダイ!」と歌いながらステージを動きまくります。お客さんに対してはクイズ番組のように「自分が間違っていると思う人。正しいと思う人。スイッチを押してください」と微妙な質問を投げかけたりします。「親父売ります。OYAJI.COM。」というように架空の企業のCMを流したりします。とにかく、手の込んだ技と、圧倒的なエネルギーで完全に場を巻き込んでいました。

大阪のアーティスト、観客のパワーに驚かされた7時間でした。今まで出会ったことのない表現も多かったです。面白いものもありましたし、退屈なものもありました。よく準備されているもの。すごい技術でできているもの。発想がいいもの。またそうでないものもありました。
新世界アーツパーク事業は「未だ評価の定まらない実験的な活動を支援する」というミッションをもち、アーティストに対し、有意義な活動の場を創っていると感じました。同時に、私たち鑑賞者も、このようなアーティストを応援していく必要があると思いました。それは、「その表現が面白いか、面白くないか」、こだわりを持ち、真剣な眼差しで観ていくということではないでしょうか。

最後に事務局スタッフの方と話しする機会を得ました。「多様な人を巻き込んだ『ウチらの盆踊り』と、エッジの効いた表現の『テクノポリタンミュージアム』の両方があってこそ、アートフェスなんや」という事務局長の言葉に、アートに対する強いこだわりを感じました。