アジア初、1000番目のフェアトレードシティ・熊本、誕生!

熊本の明石祥子(フェアトレード・シティ推進委員会、らぶらんどエンジェル)です。

●フェアトレードくまもとHP http://www.fairtrade-kumamoto.com/index.php

6月4日、熊本市でアジア初のフェアトレードシティ認定式があります。辻信一さん、中村さんは、熊本市国際交流会館にあるカフェはちどりのオープンやフェアトレードシティを目的にしたイベントに何回も協力してくださいました。お祝いの言葉もいただきました。自分の事のように喜んでくれる友と、この時を共有できていることが、フェアトレードシティの始まりとし相応しく思えます。

この8年間で450のイベントに参加し、150のマスコミ関係の報道がありました。これまでたくさんの方が、真剣にサポートしてくださったことを思い出しています。これからが、スタートといえますが、やっとここまできました。みなさんも、どうぞ、盛り上げてください。

●共同声明文●

世界はいま食糧危機に直面している。食糧への需要は供給を凌駕しており、国連食糧農業機関によると、2010年の68億人から2050年には91億人へと増大が予想される世界の人口を賄うには、世界の食糧生産を70%増やす必要がある。そうした中で、地球温暖化や、食糧を対象にした投機、拡大する不平等などの諸問題は、貧困層への影響をいっそう深刻なものにしている。

国連の調査によると、2005年時点で飢えに苦しんでいた人々の半数は零細な農家だった。彼らはトータルにみると食糧の売り手というよりも買い手側にあり、そのため食糧価格が上昇すると、その恩恵にほとんどあずかることができず、むしろ価格の上昇に真っ先に苦しむこととなり、両方の意味で貧乏くじを引く立場にある。

今日の食糧システムが引き起こす「底辺への競争」は、人間らしい生活を送りたい、持続的な経済・環境・社会を築きたいと願い、日々戦う生産者や労働者に悪影響を及ぼしてきた。 EU(欧州連合)やアメリカのような巨大食糧生産国は、農産物の輸入を阻止しようと障壁を設ける一方で、自国の農業セクターに対して 衰zの補助金を拠出してきた。そのことは、通常の貿易において弱い立場に立たされている南北の生産者が貿易を通して貧困から抜け出すことを難しくしてきた。

いま食糧危機に対する人々の関心が高まっているが、それは地球社会において農業問題が再び優先課題になっていることを示している。

この6月にフランスで開かれるG20農相会議では、地球規模の食糧安全保障と一次産品の問題が中心的な議題となると予想されるだけに、私たちは食糧システム全体を再構築する必要があることにスポットライトを当て続ける必要がある。

現在の食糧危機に対応するには、より多くの食糧をより安く生産するだけでなく、社会的公正と正義に基づいた対応をとるよう求める戦いが続いている。 それに加え、世界貿易機関を舞台に繰り広げられるドーハ開発ラウンドを真に貧困層の利益になる形で終結させるよう圧力をかけ、EUが2013年以降の共通農業政策を見直そうとしていることは、問題解決の糸口を提供するものである。

途上国の農家と先進国の農家との間に差異はない。真の課題は、G20の指導者が今日の食糧システムと農業貿易を、 南北の別なく持続可能な農業と食糧安全保障の実現を阻害するのではなく、その実現に寄与するものへと変えようとするのか、変えるならばどのように変えようとするかにある。

6月4日には、熊本市などがフェアトレードタウンを宣言することによって、世界58カ国の600万人以上の人々を直接潤すフェアトレードにコミットするフェアトレードタウンの数が世界全体で1000の大台に達する。 フェアトレードタウンは、地域の政府、企業、市民組織、それに市民が、より公正かつ持続可能な貿易という共通のビジョンの実現を目指すものである。 フェアトレード団体が輸入する産品やフェアトレードラベル産品を購入することによって、消費者は貿易には別のやり方があることを身をもって示している。

6月22日、23日の両日、世界的課題を克服するための世界的解決策を明らかにすべくフランスに集合するG20の農相は、世界の1000のフェアトレードタウンおよびフェアトレード運動が発する以上のメッセージに真摯に耳を傾けるべきである。

さあ、皆で世界の貿易をフェアなものにしていきましょう。

→6月4日の認定式イベントは、メディアにも報道されました。
http://kumanichi.com/news/local/main/20110605002.shtml