かつて、洲崎はこんな街だった!

映画特集第2弾で紹介したいのは、「洲崎パラダイス赤信号」。
1956年の作品で、監督は川島雄三。

かつての洲崎といえば、江東区の一大歓楽地帯。いわゆる赤線地帯、カフェー街。
その入り口を舞台に繰り広げられる、男と女の物語で、これがどうしようもない、救いようがない話で、身につまされるシーンもかなりあります。
男と女の関係について、深く考えさせられますが、それでいて、どこか笑える作品です。名作でしょう。主役の新珠三千代が、とてもかわいいのも見ものです。

とにかく、当時の風景・風俗を見事に捉えています。
始まりは勝鬨橋の上。そこからバスに乗って二人は洲崎へ。その間、深川から洲崎へと続く当時の街並みをしっかりと映していますので、当時の深川の風景がしっかりと見えます。
洲崎の中までは映らないものの、その周りがどんな街でどんな人がいたのかもわかりますし、そこを舞台に、男と女がどんな駆け引きをしていたのもわかります。
私にとって嬉しかったのは、バス停に「北砂町行き」という文字を発見したことと、当時砂町を通っていた都電と思われる車両が見られたこと。それに、洲崎弁天とそのそばにあった芝居小屋、「秋木橋」という、今では聞いたことのない橋が映っていることなどなどです。
街の様子を後世に残す、貴重な資料でもあるでしょう。

レンタルDVDでも結構たくさん出回っていますので、簡単に見られます!