現在JENが野菜栽培を実施している、マルガンプラ/メッツェラナ再定住地域には、被災者が異なる地域から移住してきたこともあって、村人間であまり交流がありませんでした。出身地毎にかたまり派閥ができていたのです。訓練開始当初もその仲間意識に阻まれて、ソーシャルワーカーの勧める、受講生全員が混然となっての作業がし辛い雰囲気がありました。

 しかし暑い屋外の作業で共に鋤を振るい、共に水を運んで、相互扶助の精神が芽生えると、家庭問題や子どもについて、また苦労話など、村人の間で会話が弾むようになりました。そしてそこには、派閥を超えた助け合いを促す、ソーシャルワーカーの何気ない「後押し」があったのです。