かかわり教室さんにお伺いしました。

マイナス4度?!と言われた札幌でしたが、皆さんに迎えられてちょっと一安心。かかわり教室の二峰さん、スタッフの皆さん(=授業がありながら・・すみません!)ありがとうございました! (話に夢中で・・写真をとるのを忘れてしまって・・残念・・・)

(%エンピツ%) かかわり教室はLD(学習障がい。Learning Disabilities)&軽度発達障がいなどの教育リハビリスペース。 (かかわり教室さんのブログはこちら) 

−かかわり教室には、小学から高校生まで、延べ40名の子ども達がやってくるそうです。お母さん方も。札幌医科大の学生さんをはじめ10名のスタッフが頑張っている。入れ替わって子ども達が不安にならないように、一人の子供に一人のスタッフがついていく。もちろん周りのスタッフはその状況をみつつ、お互いに意見を出し合い、サポートし合いながら子ども達の学習教材をつくったり、かかわり方を検討しているそうです。

子ども一人一人の状況は違う。よって、一つの教材があればいい、というわけではない。スタッフの皆さんが一人一人と接するなかで、『これが必要なんだ』という気づきを子ども達からもらってバージョンアップしていく、という感じでしょうか。
分からないことを分からない、できないことをできないと言えない雰囲気が今の学校にはある。一人一人を見るのではなく、集合体としてみてしまう。(見ざるを得ない教育現場なのかもしれない・・・)大人から見ると些細なことと捉えてしまいがちなことが子ども達を苦しめる。それをやわらげているのがかかわり教室の皆さんなんだろうなぁ。
二峰さんは、スタッフとの関係性を財産として、とても大切にしてらっしゃることがとてもよく分かる。スタッフもその関係性を大切に思うと同時に、多くのことを感じ取って、学び取っていることも・・・
最初にかかわり教室にやってくる学生は、子ども達の症状等何も聞かされず、ただ『この子と一緒に、ね』と言われるのだそう。とまどいがもちろん先にくるが、その方が良かった、とスタッフの皆さんがいっていた。

(%青点%)『最初は子どもに興味がある、というだけで来てみた。とりあえず男の子をみた。自分と感覚的に近いものを感じれたら・・という思いで。子どもは反応が素直。今ではその子にあうのが楽しみ』というなつみさん。
(%青点%)『最初はカルチャーショックだった』というhajiくん。『もっと知りたい。わかってあげたい。新たな発見が多い。今までやってきたことを無駄にしたくない!伝えていきたい!自分だけいい経験をしているのはもったいない!』
(%青点%)発達障害とはじめから捉えてしまったら、『こういう特徴がある、くせがある、よさがある子どもなんだ』と捉えていなかったであろう、Ryoくん。
(%青点%)1年前からきたAKANEさん。アスペルガーの少年との出会いもあった。(大人でも難しい本を小学校くらいから理解し吸収してしまうほど頭は良いけど、ちゃんとすわれない子。うるさい!といわれてもきかない。“TPOを考えたら?”というと納得して、自分で考えて行動するようになる、というエピソードにはやっぱり驚き・・)
子どもの目をしっかりみて、心を感じ取って、こうしたらどうか?と常に工夫することで変化をあげられることに気づいたという。

−スタッフは今、学生であり、権威或る医師ではもちろんない。けれど、話を聞いていると専門家である。いろいろなことに気づいて対応している。子ども達が直面している問題、それを解決するヒント、これからの課題(子どもを取り巻く環境。親や、学校との関係性等)について。

かかわり教室の課題として、
○学生であり肩書きがないスタッフ、ボランティアでしょ、という認識をされてしまう。(医師など肩書きがあるところでは費用がとれる、というのが現状。専門性はもちろん大切だが、肩書きだけが重要ではないことは分かりますよね・・今回会って話した皆さんから感じ取れる・・・) 現状、専門家との連携を計っているのはもちろんのこと。役割分担があると思う。
やはり、どんなことが取り組まれていて、それによって子ども達にどんな変化が起こっているのか。広く伝えていくことが重要だろう。
(%ノート%)かかわり教室では、『みのり−私たちの特別支援教育の試み−』というハンドブックを2005年9月に作成している。反響はかなり大きいと皆さん感触をもっている。私もいただいて読ませてもらったが、ぜひ、手にしてほしい!!
○団体として実績を得るという点では、就労の段階までサポートできていることがポイントだそう。その点で企業との連携も積極的にアプローチされているそうだ。

(%手紙%)このごろ常に感じる。遠いどこかの話ではない。自身にも起こりうること。潜在的要素が顕在化することはいくらでもありうる。生まれつき五感や感覚に対して過敏な人は多くいるわけで、障害だから、ということではなく、発達障がいの種類に関係なく幅広く存在するという。(スタッフの皆さんのお話、また上記『みのり』より。)自分がいる何らかのコミュニティの中に10人に1人はいる、と言われているそうだ。

今、できることはなんだろう。
『周りの人がきづいて、サポートする、受け入れてあげる。そのために必要なことをすべき!』そのための理解を深めていくことが大事。(発達障がいと診断されない、グレーゾーンの状況の見極めは難しい・・だからこそ必要な理解である) また、『いろいろな観点から、主体からのバックアップが必要!』と二峰さん。
『環境調整(学校や周囲)への取組からはじまり、意志(=なんのためにここにきているのか。自慢して、誇りをもって家に帰れるように。)の大切さを実感している。そうして子ども達と向き合っている。まずは人と人との信頼関係を築くことが大切。』と。

大切なのは結果ではなく、生きていく過程、プロセスなんだと、実感できる人は今、どのくらいいるだろう。それに気づいたら、ちょっとは変わるかもしれない、そんなことをふと、考えての帰路でした。