皆さまこんにちは。ころころ通信委員のムニュです。

梅雨末期の再来とも、秋雨前線とも言われている大雨に見舞われました。

夏の空気と秋の空気の押相撲が繰り広げられる中、庭では秋の虫が鳴き始めています。

さて、ムニュが昔小さいころ、時折、家の近くを「夜泣きそば」といわれるラーメンの屋台が訪れていました。
その合図を知らせる笛のような音を、「チャルメラ」といって、どこか懐かしい響きを持っていました。
特に、熱を出した日の夕方などに聞こえてくると、のぼせてうつらうつらの意識に、遠く安心するような音色にひと時の憩いを覚えていました。

ですが不思議なことに、音は聞こえてきますが、その屋台を見たような覚えがほとんどありませんでした。
小さいながらに、そのラーメン屋さんは、とても不思議な存在に思えました。

その「チャルメラ」の音以外にも、不思議と時折「気が付くと」、出会っていたもの、再会したものはいくつかあるような気がします。
老犬を連れてトボトボ歩いていたおばあちゃん、青い実を成らせる柿の木、夜明けを告げる朝刊を配る新聞配達のエンジン音、スッと影のように歩く野良猫など。日々の喧騒に巻き込まれてあくせくしている中で、ふとホッと息をついたかのような時に聞こえてくる「チャルメラ」の音。

その後、少し大きくなったときに、偶然外で初めてそのラーメンの屋台に出くわしたとき、なんだか拍子抜けしたような気もしましたが、その時間の隙間から現れるような少しどこか滑稽さを帯びた存在に、小さな憧れと自分の行きつく先を思います。 ムニュ