2016年4月9日 コラボ大学校『子供たちと絵本の扉を開き・千里に暮らして』

4月の講演は、青山台の絵本学研究家の正置友子さんが
『子どもたちと絵本の扉を開き、千里に暮して』
〜生きること・本を読むこと・行動すること〜
というテーマで、絵本との付き合い方、絵本の素晴らしさ等について語っていただきました。

はじめは、正置さんが生まれ育った名古屋から1965年に千里ニュータウンに引っ越してきたこと。1973年、若い世代が多く、小さな子供もたくさんいることから、子供への本の読み聞かせを始めるために自室の一つを地域の子供たちに解放し文庫活動を始めた事。
そんな話も正置さんにかかれば固い豆腐みたいな建物が並んでいる・・・と、冒頭から絵本のページを繰るように正置さんヒストリーがそのまま青山台文庫のヒストリーとして絵本一筋の正置さんの生活が語られた。

自室から始めた文庫活動が公団住宅(UR)から協力を得、集会所を現在も青山台文庫として利用させてもらえることに。
2001年、青山台文庫の一環として「だっこでえほんの会」をスタート、1才児を対象に始めたのが、三才児までつづけるようになった話には、地域の子供への愛情がひしひしとみなさんに伝わっていたと思う。

小学校へ児童文学の講演に行った時、一番絵本を理解してくれていなかったのが校長先生だったと、そんなことから、おとなに理解していただくことの大切さに気付かされたこと。
こどもは今も昔も変わっていないのですが、現在の環境が変わってしまったため、こどもが変わったように思われているんですよ。と、もっとこどもをだいじに育てましょうとのメッセージが発せられていました。
生まれたばかりの子供に絵本を見せても一方的に聴いているだけだが、こどもはちゃんと聞いているんですよ。時間が経てば絵本の文化に入って行き、お母さんとの会話が生まれ人として育っていくんですよ。だから、こどもにはもっと深くだいじに育ててくださいねと。

このあと、正置さんが絵本を手に取り、受講生の皆さんに読み聞かせを。小な四角い本にりんごがいっぱいに描かれている絵本をとり、こどもにこれを見せた時、アッポー(アップル)と英語が聞こえてきたことがあったと。この絵本は日本語でりんごと書かれている絵本なんです。そこで話が止まってしまうんです。幼児に外国語を学ばすのも大事ですけれど、母語があっての外国語なんです。外国語は、それからでもいいんです。

そして、おとなの方々に読んでほしい絵本として「アリスンの百日草」を手に取り絵本を読み聞かせるだけじゃなく、その絵本が書かれた背景も語られた。みなさんもより深く絵本の世界に入っておられたように感じた。

また、次はこどもたちと一緒に楽しめる絵本を、と「ぴょ〜ん」という四角い小さな絵本を取り上げ、この本はぴょ〜んと何かが飛ぶんですよ、なんでしょう?と語りかけるように読んで、「かえるがぴょ〜ん」「ねこがぴょ〜ん」「○○がぴょ〜ん」と続けられ、最後は「カタツムリがぴょ〜ん?」と誰もが跳びたくても跳べない話の背景に。
まるでお母さんに絵本を読んでもらっているこどものように笑顔と笑い声が充満し、とてもステキな時間がコラボ大学校に流れていたと思います。

今回のコラボ大学校は椅子だけと、いつもとは雰囲気の違ったコラボ大学校が演出できたと思っています。

冒頭のピアノ演奏はモーツァルト作曲 ソナタK.310 第3楽章
演奏:川上時子さん

関連本案内:江口さん(豊中市立図書館司書)

次回コラボ大学校は

5月14日(土)14:00〜16:15(3F第一講座室)
・語り手:上田充夫さん
・「卑弥呼が魏に遣わした使者をつきとめた」

報告:京谷 寛