光技術により新しい農業を切り拓くベンチャー企業


光技術により新しい農業を切り拓くベンチャー企業

下記の記事が目に留まりました。
農業におけるベンチャー企業として心から声援を送ります。

・・・・・・・・記・・・・・・・・・・

光技術の新産業〜大学院から創業

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平成17年4月、光技術を核に企業家を育て、新産業の育成につなげることを目的とした光産業創成大学院大学が浜松市に開学した。

株式会社ホト・アグリは、勤務先企業からの派遣により、この大学で学ぶ岩井代表取締役が平成17年9月に創業した、農業への活用を図る光技術のベンチャー企業である。

光活用・光制御による農作物栽培法の提案や提供、安価で農業に使いやすい補光光源の開発・提供などが主な事業である。

また、生産者からの要求にあわせたオーダーメイド農業用光源の開発・提供や光処理実験も行なっている。

現在、会社は同大学内にあるが、同代表は普段ほとんどの時間を市内のホト・アグリ農場で過ごしている。

同代表自ら農作物生産者の目線に立って栽培実践をやりながら、光作物栽培方法の研究や農業用光源の試作・開発を行なっている。

また、女性の目線での農作物の栽培に取り組んでいる。

ホト・アグリ農場は、数年使用していなかった農家の温室を借りて再活用させた実証実験・生産をしている農場で、今後も使っていない温室をさらに借りて、拡大していく予定である。

光技術により新しい農業を切り拓く

機能性野菜「リッチリーフ」
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ホト・アグリ農場での栽培風景
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農業用光源の装置
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通常、野菜は太陽の恵みを受けておいしく育つが、同社では、自然の恵みである太陽に加えて、人工光を照射したり、遮光したりして光をコントロールして農作物生産を行う。

夜、発光ダイオードで植物を照射したり、収穫直前の植物を遮光したり、また、ある特定の光を通すフィルムで植物を覆ったりして栽培する。

このような光のコントロールにより、植物の生育を促進させたり、ポリフェノールやビタミンCのような機能性成分を増やすような工夫を行いながら栽培している。

光制御により植物の色素を抑制したり、形態を変えたりすることもできる。

こうして光をコントロールして栽培した野菜を成分分析し、光の効果を確かめたり、光のコントロールの検討をしていき、農業への光技術の応用を進めていくのである。

そして、このような実践栽培をもとに農業用光源の開発は行なわれる。

温室などの太陽光が降り注ぐ開放系作物栽培環境での補光光源や、植物工場のような人工光を利用する閉鎖系作物栽培環境の光源を開発し、提供している。

また、光を使った特徴的な栽培を試みる農家へ照射方法のアドバイスや光源の貸出しによる栽培実験など、農家・生産者とともに光技術を農業の発展へ貢献させるための努力を重ねている。

さらに、これまでの研究活動の集大成としての機能性野菜「リッチリーフ」の開発に成功し、販売が開始されるとともに、量産化とさらなる市場開拓に現在、挑んでいる。

光の無限の可能性

近年、多くの人に飲まれているサプリメントというかたちではなく、こうして光技術により栽培された機能性成分が多く含まれた野菜により、

食を通して健康を維持し、病気を予防していくこと、また、光が無く栽培不可能だった場所に光を導入し、植物栽培環境を生み出すことによる空間の有効活用など、まだ小さい同社の理念と光技術は、将来の食糧生産や人々の健康、社会全体へ大きく貢献していけるものと期待できる。

本ページで紹介している企業の情報は平成24年3月末現在、取組内容は平成20年度取材当時のものです。
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