GIをきっかけに

GIをきっかけに
新たな挑戦が始まる

堀田 勝利氏

美東ごぼう生産者組合
組合長

集合写真

左の女性がJA職員であり、新規就農者である宮崎可奈さん。ごぼうのことを話すととまらない堀田さんからも刺激を受けているはずだ。美東ごぼうの伝統が引き継がれていくのだろう。GIに登録されて、何を変え、何を変えないのか、これからが楽しみだ

そんな美東ごぼうの栽培で気を遣うのは3〜4月にかけて行われる種まきだという。

「これも土との闘いなんです。土が湿っていると畑として準備ができません。そのため、乾燥しているときに手際よく種まきをするのですが、あらかじめごぼうがまっすぐ育ちやすいように、事前に油圧ショベルやトラクターで土を深くほぐす深堀りという作業を行います。

でも、重機を畑に入れると土が固く締まってしまう。そのため、種まきが深掘りの位置と少しでもズレると、ごぼうがまっすぐ成長してくれないのです」

油圧ショベルの幅に合わせて種を植え、収穫期は、その幅でごぼうを掘ることができるようになり、作業が効率化した。今後、GIを契機に栽培や収穫の方法も進化していく可能性もある。

そうした生産現場に、約15年ぶりに新風が吹き込んだ。美東ごぼうづくりを始めたのはJA職員でもある宮崎可奈さん、地元出身の20歳だ。作業手順を家族や先輩たちに教えてもらいながら日々仕事に取り組んでいる。

「きっかけは」と尋ねる魚住さんに「JAの新入職員研修で美東ごぼうの農業体験をしたとき、純粋に楽しいと思ったんです。今は、お客様から〝いつも買っているよ。ありがとう〟と言われることが一番うれしい」とはにかんだ。

堀田さんもGIによって生産者の意識が変わりつつあると実感している。「質の良いごぼうを提供し続けること。そのためにできることは何でもやるという気運が高まっています」と。