にんにくの効用

にんにくはすりおろしたり、刻んだりすることで、その効果をより高めて活用できます。

もちろん、食べておいしくするテクニックも含めて、ポイントをお伝えしましょう。

すりおろす、刻む、加熱の時間の違いなどで、にんにくの新たな有効成分が生まれます。

すりおろす 刻む 加熱 → パワーアップ

生のにんにくはほとんどにおいませんが、すりおろしたり、刻んだりすると強いにおいを発するようになります。

これは、生のにんにくに含まれている「アリイン」というタンパク質が、にんにくをおろしたり刻んだりすることで、にんにくの中に含まれている「アリイナーゼ」というタンパク質分解酵素が空気中の酸素と働いてパワーをアップ。

「アリイン」を分解して、あのくさい「アリシン」に変化するのです。

「アリシン」は揮発性のイオウを含んだタンパク質です。そのせいでにおうわけですが、体の生理作用に働き、脳の活性化に作用します。

「アリシン」はにんにくのパワーの源。
にんにくパワーは、このにおいの中に含まれています。

スライスよりみじん切り、さらにすりおろした方が、細胞が細かく分かれ、空気(酸素)に触れる率が上がり、より多くの有効成分のアリシンを生み出すことができます。

油に溶かすと、さらに有効成分が増加します。

アリシン 放置すると…

細胞を壊すことで生まれるにんにくの有効成分「アリシン」は、揮発性の成分。放置すると、20分くらいで空気中に逃げていってしまいます。

逃がさないようにするには、すぐ油に溶かし込んで、アリインをキープすることが大切。

アリインは油の中に溶け込むと、ジアリルトリスルフィド(DATS)などの「スルフィド類」に変化します。

さらに、一部のアリインは「アホエン」という成分にも変わります。これらのスルフィド類や「アホエン」は、がん予防や血栓抑制にも強い効果を発揮します

これらのことからおわかりのように、にんにくパワーを最大限に取り入れるためには、にんにくをドレッシングに入れたり、炒め物に利用するのが一番!

といっても、高温の油の中にいきなり入れないこと!タンパク質分解酵素の「アリイナーゼ」は、60℃を超すと失活してしまうからです。

フライパンや鍋に油とにんにくを入れて火をつけ、弱火でゆっくり加熱することが大切です。

皮付きにんにくを加熱する

皮付きにんにくを油とフライパンに入れ、弱〜中火で加熱。ぷっとふくらみ、皮がきつね色になり、パッとはじけたら火を止める。

取り出して、香りの移った油で鶏肉や魚などを焼く。器に盛ったら、取り出しておいたにんにくも添える。

にんにくスライスを加熱する

フライパンに油とにんにくスライスを入れてから火をつけ、弱火でゆっくり加熱する。

フライパンを傾けて、油を寄せたところで、にんにくに火を通す。にんにくがきつね色になったら火を止める。

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