廃校になった小学校を活用した農産物の加工・販売と食育の推進[兵庫県]

)先日 急遽、兵庫県は佐用町に行ってきました。

素晴らしい女性に会いに、心を躍らせながら、車の人になりました。

お電話の声で想像していたとうり、それはそれは前向きな明るい方でした。

私のこれからの目標にさせていただきたいと心から思いました。このところ少し自信がぐらついている私に、

第一声が、「がんばりなさい!負けたらアカンよ。反対する人は関心があるからよ。」

「これから、いつでも来たらいいから」、と大きな本当に大きな心を持っている方とお見受けしました。向かって右の方が井口さんです。

日本の女性の未来、これからの日本の地域を築くにはこういう女性がおられる限り未来は開けると確信しました。

何事にも恐れない、よいと思ったことを貫き通す強い信念、女性ならではの感性、直観、これです。

その方の名は、

生活研究グループほほえみ会(兵庫県・佐用町)のグループの代表である井口美子氏です。

以下の記事がすべてを物語っています。

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地域再生知恵持ち寄り元気発信

廃校になった小学校の給食室が井口さん(左)らの活動の拠点だ=兵庫県佐用町口長谷

 「駅ばあちゃん」

兵庫県佐用町の井口美子(みつこ)さん(72)は、地元の子どもたちにそう呼ばれている。「道の駅」で加工食品の直売所を運営しているからだ。

46年前、一人暮らしの高齢者らに、手作り弁当を自費で届け始めた。井口さんが振り返る。「年を取ったらどうなるんか、真剣に考えた。米や野菜が豊富な田舎やからできた」

同町の高齢化率は、県内市町で3番目に高い。住民の3人に1人が65歳以上だ。平均年齢70歳の仲間10人で、農家が差し入れる食材を使いながら、約50食を毎日手作りしている。

子どもの農業、食品加工体験も引き受ける。態度の悪い女子高生に手を上げ、しかったこともある。放課後、悩みを打ち明けに来る高校生もいる。

「年寄りは助けられる存在ではあかん。培った知恵をもっと生かすべき」。今日も地域の愛情を詰めた弁当を届け続ける。

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農村の高齢女性による起業活動が盛んだ。農林水産省の調査では2007年度、60歳以上が中心を担うグループ・個人は5390に上る。活動内容では、地域の農産物を使った食品加工、販売が目立っている。

兵庫では昨年、地域への愛着を活性化に生かす試みも始まった。「小規模集落元気作戦」。65歳以上が4割を超えた50世帯未満の集落で、都市との交流や魅力発掘を県がアドバイザー派遣などで支援する。対象集落247のうち、26集落がモデルに選ばれた。

全国で唯一、過疎集落の問題を扱う中山間地域研究センター(島根県)の野村悟治(さとはる)専門研究員は「活性化はカリスマ的なリーダーがいれば良かったが、今は違う」とし、「高齢者や若手らが企業経験やコンピューター、農業など得意分野を持ち寄った村が成功している」という。

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廃校になった小学校を活用した農産物の加工・販売と食育の推進[兵庫県]

[取組主体]生活研究グループほほえみ会(兵庫県・佐用町)

取組紹介

ほほえみ会では地場産農産物の加工・販売を行う傍ら、地元小学校の総合学習の講師として、農作物の栽培や農産物加工の作業を小学3年生に体験させ、食の大切さを教えている。

取組の背景

ほほえみ会は、休耕田の活用と健康づくりのため、農村地域で活動する女性を中心とした生活改善グループとして昭和48年に結成された。廃校となった小学校の給食室を活用した「ふれあい加工所」において、地場産農産物を使用した食品加工を行ってきた。平成6年には、道の駅「宿場町ひらふく」の敷地内に農産物直売所「因幡街角平成福の市」を立ち上げ、現在125人の会員で加工品や地場産農産物等の販売も行っている。
また、同グループの代表である井口美子氏を中心に、10年から地元小学校の総合学習の講師として体験学習を行い、農産物や農産物加工品の生産を通して食の大切さを伝える活動も行っている。

取組の具体的内容

ほほえみ会は佐用町長谷地区において会員11名(うち男性2名)で運営し地場産特産物であるもち大豆「夢さよう」を使ったきな粉やはったい粉、地場産農産物を利用した焼き肉のタレ、ドレッシング等8品目の加工および販売を行っている。また、17年から佐用産コシヒカリを使った米粉パンの製造・販売も行っている。
食育の授業は、地元の利神小学校3年生を対象に実施しており、20年度は、児童19名を対象に計80時間(36日間)行った。直売所を訪問しての特産品の学習や、佐用町の特産品であるジャンボピーマンや大豆栽培の体験のほか、大豆からきなこへの加工体験、茶摘みやこんにゃくの加工、特産物を使った親子料理教室などの食育を行い、一年を通して作物ができるまでの苦労や食べる喜びを体験してもらっている。また、授業の中から出た提案を具体化し、19年から米粉で作った「カレーライスパン」を販売(一個150円、一日限定50個)して好評を得ている。

取組の具体的効果

総合学習の授業のなかで、小学校3年生の児童たちに美味しいパンのアイデアを宿題に出したところ、ある児童からカレーライスのパンの提案があり、白飯に冷たいカレーをのせて、米粉のパン生地で包んだカレーライスパンの開発につながった。栽培体験学習では、あえて児童達が嫌いなピーマンを栽培・収穫して料理・試食したところ、児童達に大変好評で、給食にも出してほしいとの要望により、給食の食材に使用された。また、食育体験後の児童達は、全員が毎朝、ごはんを食べるようになるとともに、高齢者と小学生の交流が行われることによる地域の活性化にも貢献している。さらに、児童達が親に働きかけ、休日に直売所を訪れるなどの相乗効果も現れてきている。

今後の展開方向

現在、農産物加工や農産物直売所の運営、地元小学校等の食育に取り組みながら、県内の小学生から大学生までの短期体験学習も年8回程度受入れている。今後も、農作業体験や加工体験を取り入れた都市と農村の交流を進め、子ども達や都市住民に体験の場を提供し、食育を通した地産地消の推進と少子化のなかで地域を大切にする子どもの育成を図っていきたい。