OSTについて—学びの研修会より

1月27日にシチズンシップ共育企画主催の第26回学びのデザイン研修会に行ってきました。

 今回のテーマはOST(open space tecnology)についてです。この技術はこれから市民参加型のワークショップやミーティングなどをより効果的に運用したり、より多くの人にとって意義のある過程や結果をだすために注目される可能性があります。

 このオープンスペーステクノロジーの概要を述べると、①自分が強い思いを抱いている問題、課題を、②それに関わる人全員で、③個人の自らの責任において話し合う、という手法です。

 ①においては、会議の主題はあらかじめ設定しておいて、それに関連する個人が重要視しているテーマを発表していき、発表していない人は発表されたテーマの中で自分が一番気になるテーマの発表者のもとにいき議論していくというものです。もし気になるテーマがなければ、隅でお茶を飲んでいても良い、というルールで、これはその時間をどう使うかは自己責任である、という③の考え方にのっとっています。

 ②で見られるようにその主題に関わる全ての人に議論に参加する機会は与えられているが、自分がテーマを出して議長になるか、誰かのテーマの議論に参加するかしないと何も出来ないという、極めて個人の主体性と積極性の問われる会議の手法であると言えるでしょう。

 そして参加者がどの議論に参加するかは完全に自由で、人数のコントロールもないので、テーマを出した議長はいかに魅力的なテーマをだし、それをアピールせねば人が一人も集まらない可能性があります。

 さらに私が特に面白いなと思ったのは議論の途中でも、話を聞いている内にそのテーマが面白くなくなった参加者は、いつでもその輪から外れ、他のより自分の興味のある話をしている輪に移動出来る、というシステムです。会議をする形式自体には重きをおかず、正にテーマや議論の内容を重視した方法と言えるでしょう。

 この前のWWViews in japan のところでも述べましたが、我々個人が社会問題について話し合うため、或いは政策提言をするためにどのようなミーティングの方法があるのかという視点からこのOSTも一つになりうるかもしれせん。

 ただ実際にそれを運用し、意義のある結果を出すためには注意が必要となるかもしれません。

 今回の研究会では実際の事例に基づいて、このOSTを用いてディスカッションを行ったファシリテーターの説明と報告をもとに、この研究会の参加者同士でその運用における準備や環境整備、目的の設定等について意見を述べ、このシステムの利点や課題等を考えました。

次回に続く