人として、同じ社会に生きる仲間として・・・9月20日

先週の金曜日に、みんなにコーチから『ある宿題』を渡しました。読書感想文に似たものですが、こちらが用意したものでそれぞれの思いや感想を書いてもらいました。それを昨日回収しましたが、全員がきちんと提出してくれたのは良かったと思います(%笑う男%) その内容とは・・『校内暴力・その低年齢化の現状』でした。小学校の低学年が今の時代では先生に暴言・暴力をしているのが現状で、自分達の頃にはありえなかった事が起こっています。例に挙げられていた小学2年生の子が先生を退職にまで追い込むほどの言葉や行動を繰り返す・・机や戸を蹴る。先生を蹴る、殴る。給食のパンをゴミ箱に入れるゲームで楽しむ・・・もう『モラル(常識)』なんて言葉は彼等には通用しないのです。一体どうしてこのような事態になってしまうのだろうか???それをみんなの意見も聞いてみたかったのもあった。同じ年代の子がそうやって先生方に対して暴力をふるう事が頻繁に行われているのをみんなはどう受け止めるのだろうか?と。みんなには縁のない事だから・・そうやって他人事のように思っている人の身近で今の時代は犯罪が起きている。事件なんて起きた事のない地域なのに・・・という地域に犯罪が起こっているのです。そうした中、この地域だってみんなが笑って、安心して暮らせないようになる可能性だってあるのです。

全員の思いをしっかりと受け止めて読みました。原稿用紙に半分の子もいれば、一枚いっぱいに書いてくれた子。二枚書いてくれた子。量がどうこうではないけど、このテーマに対して真剣に考えてくれた子が多かったのがうれしい。みんな、この現状を見て、ビックリしたのが大半だった。これだけの多さの校内暴力がある事を知った事に。。。そして、どうすればそれをなくせるのか?減らせるのか?子供であるみんなにそれを考えさせるのもコーチにしたらおかしな話だと半分思ってる。何故なら、そうさせているのが我々大人だからだ!先生にしてもそうだし、もちろん親がそうなんだと思うけど、小さい頃から『事の善悪』に対しての認識が甘いからこうなってしまってると思う。これぐらいかまへんわ・・・その積み重ねが、結局『これぐらいしてもいいか・・』になる。そしてあげくの果てには、『どこまでしてもいいんだろうか?』と大人に挑戦するように試すようになってきている。『3つ子の魂100まで』と言います。小さい子なんかに言っても分からないから・・と間違った大人は思っているのでしょう。でも違います!小さい子に言って聞かす事で子供は『常識』を学びます。していい事と悪い事を理解します。それをしない、出来ない大人が、平気で子供を虐待したり、パチンコしながら車の中に子供を置き去りにしたり・・となっている。こんな乱れた世の中に存在し、これからの社会で生きていかなければいけないみんなには、この現状を知っておく必要があると思った。

だから、今回こうして問題に向き合ってもらった。そしてうれしかったのは、『そんな事をする意味が分からない』とか『家庭でのしつけに問題があるのでは?』など、悪い事は悪いときちんと認識がみんなには出来ているという事。そこでゆがんだ性格ならば、『注意する先生(親)が悪い』などを書くはずだし、現在校内暴力をする子の理由はそういうレベルだと思う。注意しない大人が増えているのが現状。自分が見ているのに、『何をされるか分からないから』と注意をしない。そういう『見て見ぬフリ』をする大人の犠牲者が校内暴力を犯す子供なんだと思う。間違った事って何?常識って何?本当に最近のニュースを見ていたらそう思います。校則でいちいち『先生を叩いてはいけません』なんて書かないはずです。パンは食べましょう。なんて書かないですよね。それは『常識』だからです。ただ、その常識自体にゆがみが出てきているのが今の世の中なのかもしれません。そうなるとやっぱり自分も地域の大人として、子供にはきちんとした事の善悪や常識を教えなければいけない義務があるし、教わったみんなはそれを次の世代へと教えていかないといけない。どこかで、誰かが間違ったからこそ変わっていくのなら、同じようにどこかで誰かががんばる事で直していけるはずです。自分が被害に遭わなかったらそれでいいような考えの人間にはなってほしくない。

同じ社会に生きる仲間として、人を大切にする心を失ってはいけない。感想の多くに『人のつながりがなくなってきたからだと思う』とも書いてくれていた。確かにそうだと思った。親と子。一番身近なつながりですらなくなってきている。我が子がどこで何をしているのか知らない・・・そんな人のつながりがなくなってきた事で起こる『ひきこもり』。心の病気を抱えてしまう。人とのつながりはファルコでも大事にしたいと思う。せっかく違う地域から集まった仲間が一生の仲間であるようにしてやりたいし。同じ目的で集まっているのならなおさら深いつながりになれるし(%ニコ男%) 人は一人では生きていけないもの。どうして力の強い人、弱い人がいるのだろうか?それは『守るという思いやり』が必要だからだと思う。力があるから弱い者をイジめる為に力の差があるのではないと思う。昔は『ガキ大将』がいた。こういう存在は力があって、力のない子にも優しい存在だった。でも、今は違う。みんなで集まってイジめたり、集団で何かをする。卑怯な子が増えている。いい事でまとまるのならすばらしいけど、悪い事を協力する自分の意志がない子が多いのも問題だと思う。人に流され、人にくっつく。そんな人間が多いからいつまでたっても犯罪は減らない。自分の意志がない人間になってはいけないと改めて思う。

今回のみんなの意見をじっくり読むと、個々の考えの深さに感心した。全員に読んでもらいたいぐらいだ。やはり中学生にもなれば『意志』がしっかりとしている。大人が思っている以上に子供は考えている事も分かった。みんなには直接関係ない話だったかもしれないけど、いつもでも関係がない話でもないと思う。これからきっとこういう問題には直面するはずだし、乗り越えていかなくてはならないかもしれない。そういう時に、『自分』というものをしっかりと持つ事。ファルコで教えているのはそういう当たり前の事、いわば常識です。やってはいけない事。やれば人が喜ぶ事。それをみんなには学んでほしいと思う。言ってもムダやから・・・大人がそう思ったら終わり(%ショボ男%) 理解出来ない子供はいない。そう思って伝えるしか方法はない。大人が問題から逃げていては結局、今の子供が将来の犠牲者になってしまう。自分はそう思っている。自分が今きちんと指導しておかないと、将来、悪い事を悪いと言えなくなるのではないかと不安だからだ。自分の責任は重大だと感じている。でも、その社会に出て行くみんなの責任はもっと重大なのかもしれない。その重みを個々がしっかりと受け止めて、明るい社会に生きていく人間であってほしい。君たちに救われる子が必ずいると信じている。常識を持った大人になろう!みんなにはこれからの社会を守っていく義務がある。サッカーには直接関係のない話だけど、もっと大事な事である事を理解してほしい。コーチも、コーチと出会った子を一人でも多く、きちんと常識を持った人間にしていきたいと思います。