立冬を過ぎて(平成22年11月7日&8日)

ありもと@孟子です。。 みなさんこんばんは。。。

いつの間にか、立冬を過ぎていました。
一気に寒気が入り込み、暑かった秋が、冬に衣替えを済ませ
たようです。

11月7日、86人のお客様を孟子に迎えるので、わんぱく公園
を数時間抜け出して、孟子に行きました。

犬飼池に30羽ほどのオシドリが下りています。
ありもとの気配に驚いて飛び立ちましたが、池畔に降りてどんぐ
りを食べていたようです。
本当に今年はオシドリが多いです。

ジョウビタキとルリビタキの声が、雑木林の中から聞こえていま
す。
ツグミが上空を通過し、水路道のいつもの藪に、シロハラが来
ています。
暦は本当に正直です。孟子も冬鳥の季節になりました。

明けて11月8日
久々に貴志川河川敷を歩きます。
ノビタキはまだかなり残り、アリスイも1羽確認しましたが、ノジコ
やノゴマは確認できません。
アオジ、オオジュリン、カシラダカが揃い、川の奥のツルヨシ群
落にはベニマシコの幼鳥が来ていました。

オオブタクサの種子に、夥しい数のオオカワラヒワとアトリの群
れがついています。
アトリの群れの中に、見事な夏羽の個体を見つけました。

高水敷の草地の上を、ツグミが歩いています。

貴志川の渡り鳥も、もうほぼ「冬鳥」にかわっていました。

鼠色の時雨雲から時折雨粒が落ちるうっとうしい天候の中、
孟子に入ります。

山案山子のテラスに、クロジの♀が死んでいます。
モズか何かに追いかけられて、あわててガラスに当たったので
しょう。
今年「初見」のクロジは、死骸でした。

蕎麦狩りに大忙しの丸嶋さんの傍らで、キセキレイが杭の上に
止まっています。
雨覆羽の縁に淡色部のある、若い個体です。

セグロセキレイの幼鳥は、すっかり成鳥羽に換羽を済ませ、電
線に止まって囀っています。

モズの高鳴きが賑やかです。
小川さんの庭付近に1羽入っている♂が、小川さんの庭のイチ
ョウの樹上で、けたたましくナワバリの詩を歌っています。

クロコノマチョウの蛹に、すっかり翅を延ばした秋型♀が止まっ
ています。
どんどん緑色の蛹が増えているのに、どういう訳が終齢幼虫の
姿を見つけることができません。
昼間は土の中にでももぐっているのでしょうか?それとも、茎の
中にもぐるのでしょうか?
とにかく見えるのは蛹と羽化した新成虫だけで、幼虫の姿は、
どれだけ探しても見出すことができませんでした。
こんな普通種のチョウなのに、一歩その生態に踏み込むと、わ
からないことだらけです。

水路道を戻り、犬飼池に戻ります。

池畔の藪の中で、クロジの群れを見つけます。
今年初めてクロジと対面です。

結構近い枝先に♀が出てきて止まったので、記念撮影させて
もらいました。

一気に冬のたたずまいになり、冬鳥が一通りそろったことを確
認できたので、ありもとは一路、和歌山市永穂に向かいます。

11月に入り、和歌山県にナベヅルが結構渡来しています。

美浜町和田不毛に2羽、御坊市塩屋水田に6羽と飛来し、
白浜町や田辺市などでも見つかったようです。

そしてとうとう11月5日、和歌山市永穂の水田に3羽飛来して
いることを、和歌山県環境生活総務課自然環境室の谷脇さん
に教えてもらったのでした。

この周辺には1997〜1998年の冬、30数羽が飛来し越冬
し、その後も不定期に飛来が確認されています。
和歌山市の地図を見ても、和歌山市周辺でツルがおりそうな
のは、この周辺と岡崎周辺くらいなのではないでしょうか??

新24号線を西に走り、永穂の交差点を南西に折れると、広い
水田地帯が広がり、そのまん中に、3羽のナベヅルが下りてい
ました。

ありもとにとっては本当に久々のナベヅルとの出会いです。
すぐ近くで農作業をするおじさんを少し気にしていますが、それ
ほど警戒するそぶりもなく、水田で盛んに餌をさがしています。

谷脇さんが観察したときは、農作業の車が来て飛び立ち西に
消えたようですが、それは渡来直後であったらかのようで、もう
周辺の農作業の人々の営みには慣れたようです。

1997年の個体は、毎週のように観察に行きましたが、一度
バードウオッチャーが無理に近づいて飛んだのを見ただけで、
農作業の車や人には一応警戒はするものの、飛び立つことは
無かったです。

彼らの日本における「本来の」越冬地で、万単位の越冬個体
群の生息する鹿児島県出水市周辺も広大な水田地帯で、農
作業の人に関する過度な警戒は示さないのが普通なのでしょ
う。

ありもととツルの距離は100m強。
この距離さえきちんと守れば、ツルたちも過度に警戒するこ
ともなく、のんびり餌をついばんでくれています。

立冬が寒風を運び、それに乗って、和歌山市にもナベヅルが
降り立ちました。

これでいよいよ、「冬本番」ですね。
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
<孟子鳥類>
カイツブリ、オシドリ、キジバト、ケリ、コゲラ、アオゲラ、キセキ
レイ、セグロセキレイ、ビンズイ、ヒヨドリ、モズ、ルリビタキ
ジョウビタキ、ツグミ、シロハラ、イソヒヨドリ、ウグイス、ソウシ
チョウ、エナガ、ヤマガラ、シジュウカラ、メジロ、ホオジロ、ア
オジ、クロジ、カシラダカ、アトリ、カワラヒワ、イカル、シメ
スズメ、カケス、ハシブトガラス、ハシボソガラス
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@