日本ユネスコ調査(平成22年8月19日)

ありもと@孟子です。。 みなさんこんばんは。。。

朝6時
孟子不動谷到着です。
今日は日本ユネスコ未来遺産調査で、とんぼ池の水草
の抜き取り作業をします。
生徒諸君は9時に来る予定なので、一足早く行って野鳥
を中心にデータをとります。

ヒリリ ヒリリ
サンショウクイの幼鳥が3羽、飛びまわっています。
谷で巣立った個体でしょうか?
灰色の幼い個体が3羽、ネムノキ、ヤマザクラ、ハンノキ
等、毛虫イモムシの多くついた樹木を飛び交いながら餌
をとっています。

天堤池にはカイツブリ親子が仲良く浮かんでいます。

南側の谷に入ってすぐ、目の前にサンコウチョウの幼鳥
がピョコンと止まりました。
間違いなくこの谷で出た個体です。
今年も元気で巣立ってくれました。
未来遺産の孟子の森のシンボルともいえる小鳥の巣立
ち確認ができました。

天堤池では、ウチワヤンマ、タイワンウチワヤンマ、オ
オヤマトンボがマスゲームを演じています。
ウチワヤンマ類が天堤池を飛び交うようになると、いよ
いよ孟子の夏もクライマックスです。

堤体の草地でスズサイコが可憐な星型の花を開いてい
ます。
ツマグロイナゴモドキの個体数が、一気に増えています。

とんぼ池に戻ります。

8月20日から、耕地雑草の調査研究エリア作製(草刈り)
のため宿泊している和歌山大学システム工学部大学院
1年生の元安君がこんにゃく座から起き出し、草刈機をた
ずさえて谷の奥に向かいます。

きみひろ池のほとりのアカメガシワの実がたなっています。
その果実を求めて、小鳥たちが賑やかです。
しばらく観察してみます。

一番個体数が多いのはメジロです。
次々に幼鳥の群れが飛来しては、仁丹のような黒い果実
を一つ一つ咥えては呑みこんでいます。

メジロの様子を観察したり撮影したりしていると、ヒョイと目
の前の枝にキビタキ幼鳥が止まりました。
まだ羽縁の白い幼鳥羽を多く残す若い個体です。

メジロがアカメガシワの果実の房に止まって果実をついば
むのに対し、キビタキはフライングキャッチの要領で房に飛
び着き、「パチッ」と嘴を鳴らしながら果実を咥え、すばやく
呑みこみます。

ひたき科はひたき科らしく、めじろ科はめじろ科らしく、黒い
小さな果実をついばんでいるのでした。

アカメガシワに小鳥が群れると、秋の気配です。

気が狂わんばかりの猛暑ですが、暦は順調に、秋に向か
っているのです。

9時
向陽中学の諸君が到着します。

今日はNHK和歌山放送局「ぐるっと関西おひるまえ」の取材
があり、美人キャスターの水島奈緒さんたちが彼らを取材し
てくれることになっています。

「テレビの取材があるからといってエエかっこせんでいいんや
で!いつも通りに活動しろよ!」
顧問の前川先生の言葉です。

本日はとんぼ池の水草の抜き取り作業
目的は2つです。

1つは、とんぼ池にはびこりはじめた外来植物・オランダガラ
シとコカナダモの除去と、はびこりすぎた水草を除去して池の
陸地化を防ぎ、トンボや水生カメムシ類のように上空から飛
来する昆虫たちに、開放水面を確保することです。

水田まわりがかつて豊かな種数の一年草で溢れていたのは、
無農薬で稲作をする際の、「田の草取り」と言われる執拗な
撹乱作業があったればこそです。

イネから栄養を奪う稲作雑草を抜きとり、イネが生長するため
の水面を確保するためのこの行為により、成長力の弱い一年
草も発芽するいとまが形成され、その結果水田周辺は夥しい
種数の一年草が自生することになりました。

その後農薬が発明され、水田まわりの稲作雑草は壊滅状態に
なりましたが、稲作が放棄されて数十年の水田を活用して作っ
た孟子のとんぼ池には、豊かな稲作雑草のシードバンクがある
のです。

そのシードバンクを100%発芽させることで、とんぼ池周辺の
生物多様性は、100%目覚めてくれるでしょう。

今回の抜き取り作業は、それが最大の目的でもあるのです。

ありもとも生徒たちに交じって池に入り、抜くとりを行います。

夥しい株数のオランダガラシやコカナダモに交じって、トチカガ
ミ、イトトリゲモ等の希少植物も発芽しています。
これらの在来水田雑草たちがしっかりと世代を繋いていくため
にも、コカナダモとオランダガラシは抜き取らなければなりませ
ん。

同時に池からすくい取った多量のアメリカザリガニも、ありもと
が次々と踏み殺して行きます。

たとえ外来種といえども、命を奪うことはやはり気持ちの良い
ものではありません。
しかしこの「気持ち悪さ」は、無秩序に外来種を野放った我々
現代人が、皆等しく味わうべき「罰則」なのだと思います。

若い彼らにも、そこを理解してほしいと思いました。

久々に子どもたちに踏み荒らされたとんぼ池・・・・

開放水面の増えたとんぼ池の上空を、真っ赤なベニイトトンボ
が飛び交っていました。
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<鳥類>
カイツブリ、アオサギ、コジュケイ、キジバト、カワセミ
コゲラ、アオゲラ、ツバメ、キセキレイ、サンショウクイ
ヒヨドリ、キビタキ、サンコウチョウ、ウグイス、エナガ
ヤマガラ、シジュウカラ、メジロ、ホオジロ、スズメ
ハシボソガラス、ハシブトガラス
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<両生爬虫類>
ニホンアマガエル、ニホンアカガエル、トノサマガエル
ツチガエル、ヌマガエル、ウシガエル
ニホントカゲ、ニホンカナヘビ
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<昆虫類>
キイトトンボ、ベニイトトンボ、クロイトトンボ、モノサシトン
ボ、ハグロトンボ、コオニヤンマ、ウチワヤンマ、タイワ
ンウチワヤンマ、オニヤンマ、ネアカヨシヤンマ、ヤブ
ヤンマ、ギンヤンマ、オオヤマトンボ、シオカラトンボ
オオシオカラトンボ、ショウジョウトンボ、ヒメアカネ
リスアカネ、コシアキトンボ、ウスバキトンボ、チョウトンボ
オオカマキリ、ハラビロカマキリ、セスジツユムシ、ヤブ
キリ、ヒメギス、カヤコオロギ、カネタタキ、ツヅレサセコ
オロギ、マダラスズ、オンブバッタ、トゲヒシバッタ、ヒシ
バッタ、イボバッタ、ツマグロイナゴモドキ、ショウリョウバ
ッタ、ケラ
シラホシカメムシ、マルカメムシ、ホソヘリカメムシ、クモ
ヘリカメムシ、ホソハリカメムシ、モンキツノカメムシ、マ
ツモムシ、コマツモムシ、メミズムシ、シマアメンボ、アメ
ンボ、オオアメンボ、ヒメアメンボ、クマゼミ、アブラゼミ
ニイニイゼミ、ヒグラシ、ミンミンゼミ、ツクツクボウシ、
ツマグロオオヨコバイ、アオバハゴロモ
トビイロケアリ、クロヤマアリ、クマバチ、ニホンミツバチ
コガタスズメバチ、ヒメスズメバチ、オオスズメバチ、セ
グロアシナガバチ、キアシナガバチ、オオフタオビドロバ
チ、スズバチ、ベッコウバチ、ジガバチ
ヤマトアブ、シオヤアブ、ナミホシヒラタアブ、ホシアシナ
ガヤセバエ、アメリカミズアブ
モンシロチョウ、スジグロシロチョウ、キチョウ、アゲハチ
ョウ、モンキアゲハ、クロアゲハ、ミヤマカラスアゲハ、ナ
ガサキアゲハ、キアゲハ、ムラサキシジミ、ウラギンシジ
ミ、ヤマトシジミ、ルリシジミ、ツバメシジミ、ベニシジミ、
イチモンジセセリ、イチモンジチョウ、アサマイチモンジ
ツマグロヒョウモン、ルリタテハ、アカタテハ、ヒメアカタ
テハ、イシガケチョウ、ヒメウラナミジャノメ、クロコノマ
チョウ、サトキマダラヒカゲ、アゲハモドキ、オオトモエ、
キマダラツバメエダシャク、ホシホウジャク
ウリハムシ、オオミズスマシ、ヒメガムシ、キボシアオ
ゴミムシ
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