ウグイス初音(平成22年1月18日)

ありもと@孟子です。。 みなさんこんばんは。。。

朝8:30
2週間ぶりの孟子不動谷です。。
先週は野鳥の会のカモの調査と、雨天で行くことがで
きませんでした。

ここ数日凍りつくような寒さが続いています。
今日もとんぼ池だけでなく、天堤池も結氷していました。
雲ひとつない好天のもと、放射冷却状態で、一気に気
温が下がったのでしょう。

シジュウカラが囀り始めました。
2002年 2月24日
2003年 3月 2日
2004年 1月24日
2005年 1月30日
2006年 2月11日
2007年 2月10日
2008年 3月 2日
2009年 1月 1日
2010年 1月18日
この小鳥は、年が明けると「春めいて」くるようです。
わんぱく公園でも、1月中に囀りを聞けました。

ツミに食われたかも?と思っていたちょっと若いルリビタ
キは、健在でした。
今日も同じ天堤池の池畔のササ藪周辺で、愛想よくして
くれました。
午前中逆光なのであまりよい写真は撮れませんでしたが、
とりあえずまだ健在なので、安心しました。

ハゼの実がもう残り僅かなので、これがなくなったらどんな
動きになるのか?興味深いところです。

ウグイスが囀り始めました。
これは不動谷ではかなり早い記録です。
2002年 3月20日
2003年 3月 1日
2004年 2月15日
2005年 2月20日
2006年 2月 4日
2007年 2月10日
2008年 2月 8日
2009年 2月10日
2010年 1月18日
過去9年間の記録の中で、ウグイスが1月に囀ったのは、
初めてのことです。
これだけ寒くても、日照時間の変化とともに、ウグイスには
「春」が察知できるのでしょう。

天堤池の池面に張った氷のうえで、カイツブリとキセキレイ
がスケートをしています。
氷の上に小さなユスリカのような昆虫がたくさんいるのか、
氷が張ると決まってセキレイがやってきます。
今日も氷の表面の黒いつぶつぶを、一心についばんでいま
す。

フッ ヒィフゥ・・
今シーズン初めてウソの声を聞きました。
今年は冬鳥の集まりが悪く、聞けないかもと思っていたので
ひと安心です。

10時になって、山案山子テラスが騒がしくなってきました。
今日は紀の国森づくり基金事業の、大旗山トレッキングルー
トの作業日です。

おなじみのみなさんが顔をそろえました。
今回は炭窯南谷から大旗山頂、鶴者峠のルートに看板を設
置するのが主目的です。
ありもとは主だった樹木に名前札を設置して歩きます。
久々の大旗山ルートの全踏破です。

炭窯南谷は暗いスギ植が多いので、クロジの個体数が多い
です。
先月にはミソサザイもいましたが、今回は確認できませんで
した。

和歌山県海草振興局林務課・千品さんが作業の視察に来ら
れたので、一緒に登ります。

クヌギ、コナラ、スギ、ヒノキ、ヒサカキ、ハゼノキ、ネズミモチ・・
ルートに沿って自生するごく普通の、里山らしい樹木に、名前
の札を付けていきます。
山を歩く人に、この単純な「木札」というサービスは、とても好評
なものです。
「これ何の木かな?」
この疑問は、山を歩く一般の人々に共通して起こるもののよう
で、今までも何度か設置しましたが、いつも好評でお礼を言って
いただけます。

自然に目を向ける人々を一人でも多く増やすのが目的で活動
させていただいているビオトープ孟子にとって、もっとも基本的
で、重要な事業といえるのかもしれません。

丸嶋さんたちは道案内の看板を立てていきます。
「右 延命地蔵 左 鶴者峠」
そんな表示を、一定間隔で設置していきます。

この大旗山ルートも、本当にたくさんの方々が歩いていただけ
るようになりました。
日本ユネスコの「未来遺産」への登録を機に、今後もっと多くの
方々が歩かれる可能性が高いので、今回の森づくり基金事業
は、とても意味深い事業になりました。

朝あれほど冷たかったのに、日が昇るとともにどんどん暖かく
なっていきます。

青い空をバックに、2羽のノスリが舞っています。
おそらく番いでしょう。
翼をU字型に反らせ、2羽で旋回しながらどんどん高く上がって
いきます。
ノスリはまだこの界隈では繁殖をはじめていませんが、近年、こ
のように仲睦まじく飛ぶペアのノスリをよく見かけるようになりま
した。
近い将来、ここらで繁殖を始めるかもしれないという「希望」を
抱きたくなる現象です。

尾根道に出ると、一気にヤマモモの樹が多くなります。
それも里道にそって、「等間隔」に並んでいます。
これに「人為的」な匂いを感じるのは、ありもとだけでしょうか?

ヤマモモは、根に根粒細菌を持ち、窒素を固定するので、里山
を伐採したあとに土壌を回復させるためによく植栽されたそう
です。
この里道のヤマモモも、そういう意味合いなのに違いないと思
います。
その証左として、どの樹も根元のところで、2〜5本に分かれて
います。
これは、昔から薪炭材として活用されていた証拠です。

ヤマモモの材は、とろとろと長く高温で燃える良質の薪であると
ともに、伐っても伐っても枯れずに萌芽する強い樹なので、里人
はとてもよく利用したのでした。
海南市の木がこのヤマモモですが、その理由もおそらくそのあ
たりにあるのだと思います。

また尾根筋にまでクヌギが見られるのも、ここの特徴でもありま
す。
海南北野上地区は、昔からクヌギ材を重用した歴史があるので、
ふつうコナラしか見えないような尾根にまで、クヌギが見られるの
です。

尾根道といえども薪炭林として盛んに活用された大旗山尾根道
ですが、数十年伐採されていないのでやはり植生遷移が進んで
います。
ツブラジイのかなり大きな樹が点々とみられるとともに、カゴノキ
の幼樹がそこここに目立ちます。
普通尾根を伐採すると貧栄養で乾燥するので、なかなか順調な
植生遷移は起こらないのですが、野尻山と尾根続きのこのあたり
が緑色片岩の肥沃な土壌であることと、昔から盛んにヤマモモを
植栽して土壌改善を行ったために、カゴノキが出るまでに林が回
復しているのです。
これは北野上の人々の森を大切にする気持ちが招いた結果とい
うことができると思います。

大旗山篠ケ城の歴史とともに、北野上地区の昔の方々の知恵に
より管理された里山としての植生も観賞しながらみなさんには歩
いてほしいと感じました。

鶴者峠を降りて天堤池におります。
ここにも2本、面白い樹があります。

カンコノキ(かんこのき科)です。
海沿いの温かい地域に自生する傾向が強い樹で、孟子のような
内陸に自生するのは珍しいのだそうです。
このあたりには同じく海沿いを好むウラシマソウが多産しており、
カンコノキがあるのもうなずけるのかもしれません。

また2年前、調査目的で「貴志川町史」を読むと、貴志川町周辺
にもこの樹があるようで、「特筆種」として挙げられていました。
そういう意味でも、この界隈を特徴づける樹の一つなのかもしれ
ません。

久々に大旗山尾根を歩きました。
身体が軽くなった分、より余裕をもって歩けるためか、以前よりも
っと、たくさんの発見をできたような気がします。
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<鳥類>
カイツブリ、ノスリ、キジバト、アカゲラ、アオゲラ、コゲラ、キセキレ
イ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、ルリビタキ、イソヒヨドリ、シロハラ
ツグミ、ウグイス、エナガ、ヤマガラ、シジュウカラ、メジロ、ホオジ
ロ、アオジ、クロジ、カシラダカ、カワラヒワ、イカル、ウソ、スズメ、
ハシボソガラス、ハシブトガラス
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