「鶴丸の背中に乗って 〜スペイン巡礼ふりかえり日記【概要編】〜」②

サンチャゴ空港に着き、

今回の旅【三大苦難】の一つ目がやって来ました。

空港からルーゴという町に、バス移動だったのですが、

カタコトの英語で空港の清掃のおばさんから

「3番のバスのりばで待っていたら来ます」と言われ、

待ってますと、事前にネットで調べた通りの時刻に

バスがやって来て、

そのバス停の50メートル手前の、

空港の出入口でお客さんを下ろし・・・

「お客さんを下ろした後、

この3番のりばに来て私を乗せてくれるのかな?」と思っていたら、

そのままバスが行ってしまいました。

慌てて追いかけましたが、そのまま行ってしまい、

途方に暮れました。

サポーターの柴田さんに泣き寝入りメールを入れ、

スペイン語も話せるエミリさんには、

その日夜泊まるホテルに「大橋さんは遅れて到着します」と

連絡を入れて貰うようにお願いしました。

日が暮れて1時間半待って、

その日最終のバスが来ました。

これを逃すと、完全に路頭に迷います。

もしくは100キロ程離れたルーゴまで、

タクシーか何かで移動しなければなりません。

一体いくらかかるのでしょうか。。。?

予定時刻から5分程遅れてバスが来ました。

空港の出入口と3番のりばの間に私は立っていました。

そのバスは、降りる乗客がいなかったようで、

一旦徐行して、またアクセルを踏んで走り出し・・・

「や。やばい!また置いていかれる!!!」と

最大限の危機感を感じ、猛ダッシュで、

そのバスの前に走り込みますと、

そのバスは急ブレーキをかけて止まってくれました。

スペインでは、バス停の定義・場所が曖昧のようですね。

「私はこのバスに乗ります」と手を振るとか、

走って向かったりすればよかったです。

やっとのことでバスは止まってくれましたが、

バスの運転手さんはスペイン語しか話さず・・・

私に向けて、ワーワー何か行ってます。

全く困りました。

たまたま、運転席と反対の最前列におばさんが2人座っておられ、

そのうち一人のおばさんが英語で

「あなたの背負っているリュックサックを

バスの下の荷物置き場に入れなさい」と教えてくれ、意味が分かりました。

でも、そのリュックに私はパスポートとか貴重品一式を入れています。

このバスは路線バスなので、

目的地&終点のルーゴまで1時間半程の間、

たくさんのバス停に止まります。

すると、その間のバス停で私のリュックを持ち去る人もいるかも知れません。

ということで、私はそのリュックから、貴重品を一つずつ出してますと、

思いっきりクラクションを鳴らされ「早くしなさい」とせかされ、

泣きそうになりました。

ほんと、全く意味不明な感じでした。

が、旅の恥はかきすて状態で、

バスは何事もなかったかのように、

夜道をどんどん進んで行きました。

本当にルーゴに行くのか?かなり不安でしたが、

事前に、スマホのグーグルマップに、

自分が泊まる場所や立ち寄る場所に「☆」をつけていて、

今自分がいる目印「青い◯印」が、

どんどん近づいて行っているのを見て、一安心いたしました。

最後そのバスを去る時、「グラシアス〜」というと、

運転手さんも同じように言ってくださいました。

こんな時、もっと語学が話せたら、

いろんな会話が出来、お互いの誤解も

解けるのになぁと感じました。

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ルーゴのバスターミナル側のホテルに一泊し、

翌朝8時半発のサリア行きの路線バスに乗りました。

ルーゴのバスターミナルには

「インフォメーション」があり、

英語が話せるおねえさんが座っておられ、

事前にチケットを専用窓口で買うことと、

どんな表記をされているバスに乗ればいいか教えてくださり、

スムーズにバスに乗れました。

30分バスに乗ってサリアに着きました。

サリアのバスターミナルから、

スマホのグーグルマップを見ながら事前に調べた、

巡礼路まで5分程歩きました。

徒歩でのスペイン巡礼で、

最後、ゴールの教会で「巡礼証明書」を貰いたい人は、

最低100キロを歩かなければなりません。

このサリアという町はゴールから114キロ手前です。

私のような「最低限歩いて、巡礼証明書が欲しい」と思った人は、

このサリアから歩き始めます。

で、ゴールの教会で、何を証拠にして、

「この人は100キロ以上歩いたか?」を確認する方法は、

「巡礼手帳」というものを使います。

私は、事前に日本で日本語の巡礼手帳を入手して行きました。

で、この114キロ手前のサリアから

ちゃんと歩き始めた!という証拠の為に、

このサリアの町の中で、スタンプを1つ頂けないといけません。

ところが、朝9時過ぎでしたので、

一般的にスタンプが置いてある、バル(食堂)はまだ開いておらず、

アルベルゲ(巡礼者向けの安宿)やホテルは、

既に巡礼者が出た後で閉まっていて・・・

そこで途方に暮れてしまいました。。。

が、町の外れに教会があることを思い出し、

「確か教会にもスタンプがあると巡礼本に書いてあった」と行くと、

教会も固く扉が閉まっており・・・ますます途方に暮れました。

が、ここで諦める訳にも行かず、

その教会の隣にあった小学校の事務室に行き、

カタコトの英語で

「巡礼のスタンプが欲しいんです」と言いますと、

英語が分かるおにいさんが「ご案内します」と、

私が想像もつかなかった方向の教会の入口に連れて行かれ、

入口の横にあった天井からぶら下がっていた

紐を引っ張りなさいと言われたので、

引っ張ると、鐘が鳴り、

そしたら中から教会の人が出て来ました。

ほんと、何の案内も矢印もなく、完全に困っておりましたが、

(※空港もそうでしたがスペインは

全体的に旅行者にとって案内が少なく困りました)

このおにいさんのおかげで、教会の人に最初のスタンプを頂き、

巡礼をスタートすることが出来ました。

すったもんだで、サリアで1時間費やしてしまい、

早足で巡礼路を歩きはじめました。

さすが世界遺産だけあり、

巡礼路は大変整備が行き届いていて、風景も美しく、

バチバチ☆写真撮影しながらゆっくり歩いてしまいました(笑)。

巡礼の繁忙期は5〜6月、9月だそうで、

今は閑散期で1日10〜30人くらいしか見ませんでした。

(4日目に、半日お手軽巡礼のような感じで、

超軽装な60名くらいの団体巡礼者と出会いました)

ほんと、この巡礼路のある、

スペイン北西部のガリシア地方は、

標高400メートルくらいあり高いこともあり、

空が近く、広く、青く、澄んで、美しいなぁ。。。と

惚れ惚れいたしました(*^^*)。

空と心はきっと、どこかで繋がっていて、

こんな空の下でてくてく歩いているだけで、

私の心も、このガリシアの空のように広く、

澄んで美しくなっていくという感じがいたしました。

1日目と2日目は比較的アップダウンがあり・・・

しかも普段あまり歩いていないので、

2日目の夜は、さすがに全身が筋肉痛だけではなく、

関節も痛くなってしまいました。

過去、四国歩き遍路をしましたが、

あの時感じた、痛絶な痛みを感じました。

胃腸の調子やテンポを崩さない為に、

日本からたくさん日本食を持って行きましたので、

それをガッツリ食べながら、

「何が何でも、この今の体調を何とかせねば・・・」と、必死でした。

だけど、出来ることは、祈るようにして早く寝ることだけでした。

なんせ完全一人旅。自分が倒れたら誰も助けてくれません。

これで終わりです。

ちなみに、ヨーロッパはシャワーしかありません。

4&5つ星ホテルにはバスタブがありましたが・・・。

ゆっくりお風呂につかれないのも、辛かったです。

この2日目夜の体調不良が三大苦難の二つ目でした。

この時ばかりは、途中で断念しようと思いました。

<つづく>