空想は文学の始まり

日 時 平成30年11月21日(水)14時〜15時30分
 今年(2018年)の谷崎潤一郎賞受講者:星野智幸氏の受賞
記念特別講演会がありました。
 彼は1965年にロサンゼルスに生まれ、1988年に早稲田
大学を卒業し、新聞記者(1991年退社)になったという経歴
の持主です。
 主な受賞歴は、文芸賞(1997年「最後の吐息」)、三島由紀夫
賞(2000年「目覚めよと人魚は歌う」)、野間文芸新人賞(200
3年「ファンタジスタ」)、大江健三郎賞(2011年「俺俺」)、そして今回の谷崎潤一郎賞(2018年「焔」)等です。
 今回の公演内容ですが、講師は冒頭に客席に向かい、「みなさん、何か空想してみてください。そしてそれで小説を書いてみましょう。」と投げかけられました。
 講師は「創造」とか「希望」とか「未来」とかいう言葉ではなく、あえて「空想」という言葉を使われましたが、これはどちらかと言えば「妄想」に近いものであるとのことです。
 そのためには、「常識」とか「倫理」とかをとっぱわねばなりません。
 たとえば、信号はなぜ「赤」が止まれで、「青」が進めなのでしょうか。
 このようなルールを「なぜ」と考え、自分ならどうするかと自由に考えるのが「空想」で、文学にはこの空想の時間が一番大事であるとのことでした.。