芝居を俯瞰する

日 時 平成30年9月15日(土)13時30分〜15時30分
 小説家・放送作家・劇作家である井上ひさしの世界について、
お話しを伺ってきました。
 今回は特に彼の劇世界に焦点をあてた内容でした。
 彼は1934年11月16日に山形県の薬局の次男として生まれ
ましたが、5才の時に父が病没し、児童福祉養護施設に入園
する等して育ちました。
 一応 上智大学に入学するも休学して帰省し、2年余りは
公務員などをして過ごしています。
 その後復学しますが、同時に浅草のストリップ劇場で働き、この頃から台本を書き始めます。
 やがてNHKの「ひょっこりひょうたん島」を共作で執筆し、多くの人々に愛されるようになりました。
 さて彼の戯曲となりますと、公式サイトによれば「うかうか三十、ちょろちょろ四十」から「組曲虐殺」まで『68』を数え、「十一ぴきのネコ」で斉田戯曲賞を、「道元の冒険」で芸術選奨新人賞を、「しみじみ日本・乃木大将」や「小林一茶」で紀伊国屋演劇賞等を受賞しています。(他に直木賞、菊池寛賞等も)
 彼の作劇の特徴は、①音楽劇(歌芝居が多い)、②言葉遊びを多用、③エロチックな場面も、④多重構造劇も(劇中劇など)、⑤評伝劇も目立つ(樋口一葉、夏目漱石、松尾芭蕉、石川啄木等々)、⑥はめこみ(極端な例がシェイクスピアで、ハムレット・リチャード3世・リア王・ヴェニスの商人・ロミオとジュリエット等がひとつの芝居に引用されている)、⑦芸能の取り込み(浄瑠璃など)等々とのことでした。