古典文学にみる神戸

日 時 平成29年12月2日(土)10時40分〜12時10分
 開港150年を迎えた神戸を古典文学から見てみようとする
セミナーでした。
 具体的には、平安時代に書かれた「大和物語」の第147段
(生田処女)の話しで、この乙女に二人の男(摂津の兎原、
和泉の茅渟)が求婚してきます。
 二人は年齢・容姿・身分等とも同じで、したがって乙女は
愛情の深い方を選ぼうとするも、これもまた同じ位でした。
 乙女はほとほと困り果てていますと、乙女の母親が次のような行動にでます。

すなわち「そばで見ていて心苦しく、二人の男を見ていても
気の毒でしかたがない。」と言って、二人の男を呼んで次の
ように提案いたしました。
 「生田川にいる水鳥を射当てた方に娘を差し上げましょう」
と言いますと、男達は早速川へ行き、一人は鳥の頭を、あと
一人は鳥の尾を射当てたので勝負はつきませんでした。
 乙女は思い悩んでついに生田川に身を投げてしまいます。
 男二人も後を追い、三人とも死んでしまう悲恋の話でした。