明治の文豪と船旅

日 時 平成29年6月10日(土)10時40分〜12時10分
 今年は神戸開港150年の年です。
 そして明治150年でもあります。
 そのような観点から、船の旅と文学を関連づけたセミナーが
ありました。
 明治時代の著名な文学者としましては、夏目漱石、森鴎外、
二葉亭四迷、島崎藤村、正岡子規・・・等々いますが、今回は
ヨーロッパへ留学した人の代表として、夏目漱石と森鴎外が
取り上げられました。
 現在 ヨーロッパへ行くとすれば、豪華客船を除き、圧倒的に飛行機ということになるでしょう。
 しかし150年前は船以外に選択肢はなく、彼らは何十日もかけて往復したに違いありません。
 漱石は明治33年に横浜・神戸・長崎経由でロンドンへ旅立っています。
 神戸では彼の日記から、「諏訪山中常盤ニテ午餐を喫し温泉ニ浴ス」とあることから、諏訪山に立ち寄ったことは明らかです。
 鴎外は医者としてドイツに留学し、往路は横浜から出発しましたが、復路は神戸に上陸しています。
 この復路の途中(サイゴンあたりか)に、ドイツでの出来事をベースに「舞姫」を草稿したようです。
 「舞姫」は、主人公・太田豊太郎(鴎外がモデル)は法律の勉強でドイツに留学し、ドイツ娘・エリスと恋仲となるも、親友に関係を絶てと忠告され、妊娠・発狂しているエリスを残して帰国する物語です。