米大統領就任後の余話

平成29年2月3日(金)10時〜11時30分
 先日 トランプ氏が米大統領に就任し、諸々の大統領令に
署名をした直後のセミナーでした。
 現状彼は世界の指導者というよりも、米国第一主義を掲げた
秩序や正義よりも損得を重視する経営者に見えます。
 まず第一は雇用を増やし、守るという主張です。
 しかし現経済状況下においては、失業率4.7%と堅調であり、
これを可能な限り「0」に近づけようと考えているのでしょうか。
 かつてリーマンショック時の失業率は10%程度でしたが、これとても内訳は失業者(働きたいが働けない人):5%、未充足求人者(条件が合わなかったり能力がない人):5%のようでした。
 したがって現在の失業率の中には雇用側の条件に合わない等の人も居り、再教育等が必要であって、単に雇用側だけの問題ではないことの認識がなされているのかはなはだ疑問です。
 貿易赤字についても日本が槍玉にあがっていますが、日本の現状は①対中東は赤字(原油の輸入)、②対アジアは黒字(対中国は赤字)、③対EUは赤字、④対米国は黒字で総計では若干の黒字です。
 日本に対しては特に「自動車」について問題視されていますが、米自動車産業の現状(2015年)は、国内販売:1783万台に対して国内生産:1210万台で、国内生産以上に米国人は車に乗っているので輸入せざるを得ないのです。
 したがって、日本は米国の生産不足を補っていると考えてほしいものです。