私は軽度の発達障害(ASD・ADHD)です。

苦手なことを挙げますと、
・短い時間覚えておくのが苦手。
「臨機応変」な対応が苦手。
「適当」が分からない。
・同時並行に作業をするのが苦手。
・会話すると、言葉どおりの意味に受け止めてしまう。(ニュアンスや言葉の裏を読み取れない)
・相手の表情やしぐさからメッセージを受け取るのが難しい。
…などがあります。

「なにげない雑談」というのは、これらの要素がみっちりつまっています。

雑談は一対一で「さあ、話をはじめましょう!」という感じで始まるのではなく、
たいてい、何かをしながらなんとなく会話を始めます。
会話の「スタート」「終わり」は、互いに様子を見ながら言葉以外の部分で判断します。
また、コトバそのものに深い意味はないので、
言葉の反応しだいで対応フローチャートを作れるほど単純ではありません。
つまり、事前準備ができないのです。
その場の「雰囲気」、相手の「気分」など、たくさんの要素で「臨機応変」に対応します。

ですので、私が雑談に挑むと、
・いつ話し始めればいいか、つかめなくて黙ったままになる
・会話ができた、と思うと自分の作業がすっ飛んでしまう
・天気の話が出たら、「天気のことを言わねば!」と必死で言葉の意味を考えてしまう
・「適当にしゃべればいい」というアドバイスを真に受けて、脈絡のないことを言ってしまい、相手が「?」となってしまう
・予期せぬ反応で、頭がパニックになる
…といったことが起こります。

「会話のきっかけレシピ」は、
・できるだけいろんな「雑談」を集めて、事前に並べておくことで、臨機応変とまでいかなくても「どれかは使える」という安心感を持てる
・「こういうとき、この返事・声かけならどうかな?」と、事前にシミュレーションができる
といった部分で、私のような特性を持った人間でもある程度雑談ができるようにしたものです。
もちろん、発達障害でない方にもお役に立てるようになっています。

出版社の書籍紹介ページから、集めた「レシピ」の一部を試し読みできます。

こういう「臨機応変を補助」する発想は
ほかの困りごとにも応用できると思うので、
現在、ネタを練っているところです。

bako