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 実家を片づけておいたほうがいいのは、なにも「ものが多いと転倒して危険だ」という単純な理由からだけではありません。

「整理しておけばよかった」という瞬間は、ある日、突然やってきます。
 70代後半でひとり暮らしの治代さん(仮名)は、夫に先立たれながらも、地域の活動にはとても積極的で、地域コミュニティでもリーダー的な存在でした。

 ところが、ある日、外出して歩道を歩いているときに、後ろから走ってきた自転車とぶつかり転倒し、救急車で病院に運ばれました。
 すぐに手術をして大事にはいたりませんでしたが、大腿骨を骨折、医師から言われたのは「退院してもひとり暮らしは無理でしょう」という、思ってもみない言葉に、治代さんはとてもショックを受けました。

 退院後のこともしばらく考えてみたものの、たしかに退院しても不自由な足では家事もできません。そこで病院のケースワーカーに相談し、結局、治代さんは住み慣れた家に一度も戻らず、有料老人ホームに入居することになりました。

 親族は甥がいるものの、何十年も連絡を取っていません。治代さんの友人が身の回りのものをまとめて、老人ホームに届けてくれました。また、家は借家だったので、荷物の処分も友人に託しました。
 治代さんは着替えやわずかな衣類しかホームに持っていくことができず、着物など大切な思い出の品を失ったのです。

「こんなことなら、着物もお世話になった方たちにもらってほしかった」
「日記や思い出の品も、自分で片づけたかった」
 治代さんは早めに整理しておけばよかったと悔やみ、1年後、その老人ホームで亡くなりました。

『老前整理のセオリー』 2015年 NHK出版新書より 

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