バス事故、背景に「社会のひずみ」 犠牲者の父親が語る(朝日新聞から)

「安全はマスト項目。子どもたちが何が大切なのかを気づけるような声かけが年長者の役目」。長野県のバス事故で亡くなった阿部真理絵さん(22)の父親(56)が20日、通夜の後に取材に応じ、二度と同様の事故が起こらないように願う胸の内を語った。

 早稲田大4年の真理絵さんは希望の会社への就職が決まっていた。父親は変わり果てた姿で戻った娘を普段使っていたベッドに寝かせると、「おはよう」「元気か」といつものように声をかけたという。

 「本当に明るく自慢の娘だった。多くの友人や恩師の言葉を聞き、とても楽しく充実した22年間を過ごせたことがわかった。泣いている人が多くて、その涙を見てどうしてもまたやるせなさがこみ上げてくる」と静かな口調で答えた。

 事故について、「憤りを禁じ得ないが、いまの日本が抱える偏った労働力不足や過度の利益追求、安全の軽視など社会問題で生じたひずみによって発生したように思えてなりません」。

「子どもたちが何が大切なのかを気づけるような声かけが年長者の役目」。
「安全で安心なまちづくり」,を考えるときも 指針になる言葉です。