『小惑星探査機「はやぶさ」』

先日(22日)、H-ⅡBロケットと、「こうのとり」2号機が打ち上げに成功しましたね。
成功よりも、実は失敗の多い宇宙開発。
なにもかもが手さぐりなのだから、これは失敗が多くて当然。
金星探査機「あかつき」も失敗はしましたが、いやいやまだまだ。
6年後の再チャレンジに向けて準備をしていると思えば、いいんです。
「あかつき」君は、がんばってますよ。

 さて、思い出すのは去年6月、7年の旅を終えて「帰ってきた」、小惑星探査機「はやぶさ」。
今更ながらではありますが、ネット上の第一回のブックトークには「彼」のことを取り上げようと思います。
(もうすでに、あちこちで語られつくされているような気もしますが、語らずにはいられなかった……)

 ひとくちに7年と言いましても、これがまぁ、年表仕立てにされたものを見るだけでも「こんなにトラブルの連続だったのか」とびっくりすること請け合いの長さ。
そのひとつひとつを見てみても、重篤なものになると致命的か、さもなくばその寸前。
図書でそのトラブルを詳しく読めば「どうやって逆転するの」といわんばかりの代物。
もともと、宇宙機である「はやぶさ」の運用そのものが難しいというのに、連続するトラブルを切り抜けるその手腕。
自己判断能力のある「はやぶさ」との、途切れそうなか細い交信を続けることによって回復をさせたり、万が一のためにという仕込みが逆転のカギになったりと、事実は小説より奇なりとはまさにこのこと。
 ちなみに、JAXAのはやぶさ運用チームはまさに「人事を尽くして天命を待つ」そのもので、複数の神社のお守りがあったとか(有名なのは、イオンエンジンニコイチ運用での「中和神社」の逸話ですね)。

 JAXAのツイッターで弟であるイカロスやあかつきとおしゃべりしていた「はやぶさ兄さん」は、突入の時「ただいま」とツイートしていました(心のハイゲインアンテナばんざい!)。
 遠い遠い星のかなたから帰ってきて、彼は、その日異国の聖地の空で、いちばんうつくしい流れ星になりました。
まるで今までの苦労すべてが輝いたように。
 そしてまだ、はやぶさの旅は続いているのです。
サンプルの解析、そして後継機である「はやぶさ2」の実現・運用へと。

 興味のある方には、ぜひ当時のツイッターログのほか、ネット上の動画もおすすめしたいです。
彼の帰還を待ち望む応援歌や、彼の航行でのトラブルをわかりやすく解説したものがあります。
実は私、はやぶさの応援歌を聴くたびに泣いてしまうのです……。

おまけ:折り紙「はやぶさ」、折ってみました。ちょっとあちこちあやふやですが。
もしお越しの際は見ていただきたいなー、と(笑い)。

参考:「小惑星探査機はやぶさの大冒険」
 「小惑星探査機「はやぶさ」 宇宙の旅」
 「はやぶさ、そうまでして君は」
 「はやぶさと宇宙の果てを探る!」
 「探査機はやぶさ 7年の全軌跡」
 「帰ってきた「はやぶさ」」

また、ウィキペディアの記載を参考にしました。

(文責:氷魚)