新公民館ユニバーサルデザイン提案会 第2回の報告(市からの回答)

津中央公民館が津センターパレス2階に移転する事に伴い、センターパレス地階、2階、3階がだれにでも使いやすい施設になるように、6月25日にユニバーサルデザイン提案会を開催し具体的に提案した。それを受け、市からの回答が伝えられた。

日時:平成24年7月9日(月)19時〜20時30分
会場:津センターパレス2階 第1会議室

●取材メディア
伊勢新聞

●行政側出席者
教育委員会生涯学習課、健康福祉部、こども総合支援室、高齢福祉課、障がい福祉課、こども家庭課、対話連携推進室、政策課、商工観光部、建設部営繕課

●ボランティア側出席者
新芽手話サークル、要約筆記サークル 津あみ〜ご、NPO法人三重補助犬普及協会(視覚障害当事者)、NPO法人ピアサポートみえ(肢体不自由当事者、電動車いす使用)、津点訳友の会、津市ボランティア協議会役員…萩野(会長、津地区)、黒川(書記、津地区)

●改装に対しての提案と回答(→はその後のやりとり)

●要約筆記のための備品OHC(オーバーヘッドカメラ)等を備品として用意してほしい。(要約筆記)
○県の聴覚障害者支援センターも見学に行った。予算の適正な範囲内で優先順位を考えながら、ボランティア団体へも相談しながら検討したい。(教育委員会生涯学習担当、公民館改装担当者)

●建物に入ってすぐのところに、どこに何があるか分かる案内(案内板やインターホンなど)を設置してほしい。また、案内がある場所から音を出して、位置が分かるようにしてほしい。(補助犬協会)
○1階部分に設置する場合、センターパレスの管理部分になるので、センターパレスと協議する。バリアフリー新法に基づいて対応させていただきたい。
→視覚障害者にも分かるものか?
→点字併記や触地図など、触って分かるものに。
→インターホンを設置して、窓口に繋がるようにすれば事足りる。対応してくれる人の常駐を。

●自転車置き場の整備(補助犬協会)※補足説明…視覚障害者が白杖(はくじょう)を使い歩行する際には、施設の周囲に違法駐輪された自転車はたいへん困る)
○センターパレスの管理によるものなので、協議中。

●視覚障害者でも使えるテレビ(音声で案内してくれるリモコン)
○老人福祉センターの用途に対応する商品の機能を精査して、前向きに検討する。
→どんな機能を指すのか?

●下足箱(老人福祉センターの土足禁止部分)に、視覚障害者でも自分がどこに入れたか分かるように点字表示を。
○1人1人個人で置くような作りではないので、点字の表示は難しい。(棚のような感じ)職員が常駐しているので、個別に対応し、今後必要があれば検討する。
→自分の靴が下駄箱のどのあたりに置いたが分かれば良い。点字テプラ等で作成した点字シールを貼るくらいなら簡単にできるのでは? 費用のかかるものではなくても良い。ほんの少しの工夫ですごく助かることがあるというのを知ってほしい。

●廊下に手すりはあるか? あるならば、手すりに部屋の表示を
○手すりはないが、点字ブロック等で案内する。経路の途中に点字案内板を設置する。
→手すりが無いのは、県のユニバーサル条例に適合するのか?
→する。

●多目的トイレに音声案内をつけてほしい。
○設置は困難。今後の課題としたい。

●オストメイトに対応していないトイレには、対応のトイレがどこにあるか表示してほしい。
○3階のトイレは今回改装しないので、2階と地下にオストメイト対応トイレがある旨案内をつける。

●事務所のカウンターは車いす対応か。
○車いすに対応した低いタイプに変更する。

●視覚障害者もエスカレーターの上り下りの判別ができるように。
○管理を担当するセンターパレスに伝えた所、バリアフリー新法に基づいて対応するとの事。
→「2階中央公民館、3階社会福祉協議会…」というようにその階に何があるかアナウンスが流れるようにできないか。たまにしか来ない人は、何階に何があるかよく覚えていない。

●調理実習室には、視覚障害者も使える音声案内付きのIHクッキングヒーターを。
○講座内容に合わせる事になると思うので、検討したい。

●多目的トイレをシャワートイレに。
○新設の地下・2階のトイレをシャワートイレにする。

●公民館のホールのステージは、車いすでも上がれるのか。(ピアサポートみえ)
○ステージの高さは30センチ程なので、スロープを使って上がれるようにする。

●現状では立体駐車場5階の車いすスペースから、本館4階へ入るドアが開き戸(手前に引いて開けるスイングドア)になっていて、介助者なしでは開けることができない。
○自動ドアに改装する。現状より内側にドアを設置して、幅を広く取る。

●3階の障がい者相談支援センターが設けられるとのことであるが、それなら障がい者がスムーズに出入りできる車いす用駐車スペースに配慮が必要なのでは。
○建物3階に直接駐車場から入るのは建物の構造上難しい。(建物と駐車場の床の高さが食い違っているため)駐車場5階から本館4階への通路を利用して入ってほしい。(この階だけが、両方のフロアが平面的につながるため、車いすも通れる通路が設けられている)

●障がい者相談支援センターが入ることで、車いすの利用者は増えると思うが、車いす用駐車場は数が足りるのか?
○現状では2台分。即答は出来ないが、全体のスペースの中でバランスを見ながら、確保の努力をしたい。

●各部屋に文字で知らせる電光掲示板を設置してほしい。赤の回転灯だけでは、何が起こっているか分からず、不安である。(新芽手話サークル)
○掲示板は難しいが、2階の公民館部分も含めて、予算の範囲内で赤色回転灯を設置する。

●案内表示を下(床)につけると見やすい。(UDまちづくりの会)
○床への設置は難しい。(設置のためにはコンクリートの床を削って埋め込む必要があり困難)案内板は大きさ・高さ・色などに配慮して設置する。

●色々な施設が入って利用者が多くなると、駐車場が足りない。現在でも度々満車で入れないことがある。
○だいたて駐車場、大門駐車場、お城東駐車場等他の駐車場も活用すれば、対応は可能と考えている。

●救護室のような部屋はあるか。
○救護が必要な場合には、3階の老人福祉センターにベッドなどの備品を配置して対応する。

●(橋北公民館(アストビル4階)のような)休憩スペースなどはあるか。
○利用者共用のスペースとして、談話室を利用してほしい。
→自由に使えるのか?
→申し込みは必要ない。

●床に非常時の誘導灯があるとよい。
○床への設置は難しいが、誘導灯(光・音付き)で対応する。
→音や光の意味が、視覚・聴覚障害者にうまく伝わるか?(健常者も含め、通常使用する事のない誘導灯や信号音が非常事態を示すものか、こちらに逃げるという指示なのか、理解できるのだろうか?)
→音声で案内できるものがあるかなど、メーカーにも問い合わせる。
→誘導灯の光や音の意味をどうやって周知するか検討する必要があるのでは。

●難聴の方のための補聴システムを整備して欲しい。
○そのための予算は要求していきたい。

●その他…例えば、点字表示板では施設の内容が複雑なので情報を伝えきれないと思う。施設のハード面だけではなく、障がい者の案内や誘導などのソフト面で、人(職員の対応)でカバーできるところはカバーしていくようにしてもらいたい。そのための研修などはされているか?
○まだ100%ではないが、様々な場合を想定して、職員に研修もしている。
市民活動センターはアルバイトが多いのでなかなか進んでいないが、まず職員から対応させてもらいたい。
→研修等で必要があれば、私たち津市ボランティア協議会に加盟するサークル(例えば、要約筆記や手話、視覚障害者へのガイド)も講師など協力はしたいと思っている。行政だけでなく我々も協力しながら、使いやすい施設にしたいと思う。