視覚障害の方の「オーダーメイドの避難訓練」の練習報告

「オーダーメイドの避難訓練」の練習
●日時/2012年6月24日(日)午後
●場所/志摩市鵜方中心部の 小川正次さん宅
●参加者/萩野、里中(鳥羽市のボランティア)、江尻(視覚障害者支援ボランティア)松山(障害者施設勤務)、森(障害者施設勤務)

●自宅
・白杖は玄関の傘立てに立てられていた。地震で散乱しない為には、玄関ドア横にぶら下げておく必要がある。
・地震発生時室内が混乱する可能性…室内で倒れそうなものは、食器棚のみ。あとパソコンデスクはキャスターが付いているので、移動する可能性がある。が、基本的に部屋が広く、倒れそうな家具は少数なので、これによって玄関へ行くことが阻まれる事は無さそう。また、方向感覚を失い玄関が解らなくなることは無いと思われる。
・また、近いうちに家具を固定すると言うことであった。

●屋外の建物に避難する場合は
(支援者が居ない場合、やむを得ず単独で避難する場合を想定した)
・小川さんの自宅から300メートルほど離れた近鉄鵜方駅の2階コンコースへの避難を想定した。駅舎は2階建てであるが、ホームの上にあるため普通の建物の2.5階程の高さがあり安心出来るためである。
 ここへの避難を想定した第一の理由は、小川さんが普段から通り慣れている事。また、小川さんの自宅から鵜方駅までは街のメインストリートであり、車道と歩道が区別され、また歩道の点字ブロックも駅までキチンと整備されている。道路添いのほとんどが建物も比較的新しく、道路添いにはブロック塀も無かった。
 実際に歩いてみると、所要時間は7分であった。
また、メインストリートであることは、避難が必要な地震が発生した場合、近所の人を含め多くの人の避難路になると思われ、他の人の援助が期待出来る事も多い。

一方、以下のリスクの存在もあった。
・道路添いの建物のガラスの破損の可能性
・歩道の敷き石が地震によってでこぼこになる可能性がある。これは、視覚障害者にとって白杖が非常にあつかいにくく、でこぼこ道は常に転倒の可能性があるためである。
・液状化のリスクがある。(現在のところ未確認)
・広い道には電柱も多く、架設された電線が多く頭上を走っている。地震発生時にもし断線した架線(電線)が垂れ下がっている場合には、接触する可能性がある。視覚障害者の使用する白杖(はくじょう)はアルミなので、感電する可能性もあり。
・駅は24時間開いている訳ではなく、深夜は閉鎖している。

●別ルートの検討

・裏道を通れば、小川さんの自宅から徒歩8分の場所に標高8メートルほどの公民館があるが、踏切を越えなければならず、また点字ブロック等も無い。がある。
 場所は鵜方駅の裏にあたるが、通常小川さんは駅から公民館に行く事は無いので、単独では駅からの道はご存知無い。
 単独で行動する場合には、最初から駅に行くか、公民館に行くかを決めてから出発しなければならないと思われる。

さらに詳しくレポートをまとめます。萩野茂樹。