「花咲けば 十条倉庫の 汽車ポッポ」、東十条の柳湯

お正月に備えてもうひとつお願いします。
 王子で東北線から分かれる貨物線(北王子線)は、踏切をいくつか渡って、日本製紙の倉庫へと入って行きます。敷地に沿って桜が植えられ、樹の間から貨物ホームと入換の機関車がのぞいています。運転は平日だけなので、お休みの日に行くとのんびり静まり返っています。貨物駅のフェンスに地元の俳句愛好の方でしょうか、「花咲けば 十条倉庫の 汽車ポッポ」桜の季節の句だと思いますが、汽車ポッポはコスモスの花に囲まれて休んでいました。
 この日本製紙の倉庫へ行く貨物は、宮城県の石巻港駅が始発で、工場が東北大震災で被災したため、しばらく運休が続いていました。現在は岩沼工場から来る午前中の一往復が復活して平日のみ運転されていますが、運休になる日も多く、先行きは心配です。都内にはこのような小さな貨物駅がたくさんあったのですが、今では数少なく、とても貴重な情景なのですが・・・静岡県の岳南鉄道の紙輸送も3月までといいますし。

柳湯はこの貨物駅のすぐ西側にあり、汽笛の音も間近に聞こえてくる近さです。残念ながら貨物列車は平日の午前中だけの運転になってしまったので、いまでは汽笛の跡を聴きながら入浴ということは難しいようです。
柳湯はビルの銭湯ですが、マンションの一部分ではなく、銭湯として設計したビルのようです。そのため、写真のようにかなり複雑な形をしています。銭湯は2階で、入浴した時の動線をたどってみると、玄関の上がフロント、建物側面の手前が浴槽、奥のこう配のある屋根の下が洗い場・・・だと思います。脱衣場と露天風呂は男女の境にあったので、建物の内側ですね。
 清潔な室内、きれいなタイル、リンスインシャンプーとボディシャンプーなど、きめ細かなサービス、お湯もぬるめで浅く、ゆっくりリラックスできるように配慮が行き届いています。洗い場は建物の裏側に向いていて、ここにあるステンドグラスは、銭湯では珍しいかもしれません。
柳湯 北区東十条3-5-15 15:00〜24:00(日祝は13時から営業です。23時終了) 月曜お休み 東十条駅から5分、王子神谷駅からも近いです。