育児しながら介護「ダブルケア」25万人/内閣府推計

子育てと家族の介護に同時に直面する「ダブルケア」をする人が、全国で少なくとも25万3千人いることがわかった。女性が16万8千人で、男性が8万5千人。女性により負担が偏っている実態が浮かび上がった。内閣府が28日、初の推計結果を公表した。

2012年の就業構造基本調査で「ふだん育児をしている」「ふだん介護をしている」の両方を回答した人を「ダブルケア」の担い手と定義し、推計した。この「育児」の対象は未就学児に限られており、内閣府は実際の人数はさらに多いとみている。
年齢別では、40〜44歳が27・1%で最も多かった。35〜39歳が25・8%、30〜34歳が16・4%と続き、30〜40代が8割を占めた。

推計とは別に今年1〜2月、当事者へのインターネット調査も実施。小学6年生までの子どもを育てると同時に親や祖父母の介護をする1004人に尋ねた。
ダブルケアになる前に仕事をしていた832人のうち仕事量を減らした人は149人(17・9%)、離職した人は66人(7・9%)。女性(297人)に限ると、それぞれ63人(21・2%)、52人(17・5%)と、割合が高くなった。

女性が仕事量を減らしたり、希望通り増やせなかったりした理由は「家族の支援が得られなかった」が最多の27・9%で、男性より10・6ポイント高い。配偶者による手助けが「ほぼ毎日ある」と答えた人は、男性の52・6%に対し、女性では24・4%にとどまった。
必要な行政支援については、男性は「保育施設の量的充実」が22・8%、女性は「育児・介護の費用負担の軽減」が26・4%でそれぞれ最多だった。
http://www.asahi.com/articles/ASJ4X5FXMJ4XUTFL00V.html

◆「育児と介護のダブルケアの実態に関する調査」/男女共同参画局
http://www.gender.go.jp/research/kenkyu/pdf/ikuji_point.pdf