スタッフのkanemexです。

表現することと、鑑賞すること。
その2つがいかに密接に繋がっているか、
これほど考えさせられた一週間はありませんでした。

県民会館前。毛糸の花が散る間際の景色です。

本プロジェクトの期間中、お花見にきてくれた多くの方は
こんな感想を寄せてくれました。
「定禅寺通りに本当に花が咲いたようね」
「散歩していて、楽しかったわ」

「スパイダーマンみたいでかっこいい」と
ブログで紹介してくれた方もいました。

一方で「この毛糸はなんだったの?」という疑問の声や
「何のためにやっているのか、私にはわからない」という、
ある種、アートの存在を否定するようなご意見も。

その方なりの着眼点がいろいろあって、私は面白いなと思いました。

今日は「けやきに花を」の撤去の日。
さくら並木が生まれる瞬間から立ち会ったスタッフたちと門脇さんとで、
市民会館方面からゆっくりと毛糸をたぐり寄せて集めました。

制作してきたものを解体する。
アーティストではないスタッフとしては、それは初めての経験であり
何だか切ない別れのようで…

ぐるぐると手元にまきつけて、また別の角度から鑑賞してみたり。

「こんなに、毛糸の色を計算して使っていたんだね!」という新しい発見もあり。
本プロジェクトが肉体と頭脳を働かせて行ったアートだったことを
あらためて感じた時間となりました。

毛糸をまとった彫刻は
この7日間、どんな気持ちだったのでしょう。

いつもとは違った春の光と影に包まれて、
あたたかな気持ちになってくれていたことを祈ります。

ぐるぐる巻きつけていった毛糸の束は
最後にはバスケットボール4個分くらいになりました。

この毛糸たちは門脇さんのもとで保管され、
また違うプロジェクトで使われるそうです。

今度はいつ、どこで会えるのか楽しみです。

本プロジェクトは今日で解散となりましたが、
私たちスタッフ一同は、今後も門脇さんとともに「まちとアート」について
意見を交換していくこととなりました。

これからも街が元気になるような、アートを応援していきたいと思います。

(コメント:kanemex)