3月に受けたAMEX研修のフォローアップセッションのために、9月9日・10日に1泊2日で東京に行って来ました。
半年ぶりに受ける米倉誠一郎先生(一橋大学イノベーション研究センター長・教授)の講義はとても刺激的で、世界経済の潮流から組織のリーダーシップ論まで、視野が広がりました。。
米倉先生曰く、今日本に求められているキーワードは
「創発的破壊」だそうです。カリスマの強烈なリーダーシップではなく、個々の小さな行為の総和が創造を超えたパワーや結果を生む「創発(エマージェンス)」。中東で起こったジャスミン革命も、ツイッターやフェイスブックで増幅されて体制を崩壊させた「創発的破壊」だったわけで、そこでは参加するそれぞれが主役です。
 
その後は、3月の受講者がそれぞれ学んだことを現場に持ち帰ってどう活かしたのかを共有しました。職場向けにワークショップを行ったり、次の事業に活かしたり、そこでまた新たな課題にぶつかったり・・・。他の受講者のがんばりに、またも刺激を受けました。
そして、前年度の受講生のNPO法人ネットワークオレンジ小野寺さん、認定NPO法人日本グッド・トイ委員会の山田さんと米倉先生とのパネル・トークでは、東日本大震災復興支援のあり方について話し合われました。
他県から来た支援が去った後に、現地の組織がどう自立していくかが課題です。

翌朝は横浜まで足をのばして「新・港村」というアートイベントを見学してきました。

新・港村について(パンフレットより)
新・港村はあらゆる国と種類のクリエイターが働く蜃気楼のような小さな未来都市です。村の家や図書館や劇場は、建築家やアーティストによってデザインされますが、主に廃材や粗大ゴミ等で構成されます。新しい材料を使用した場合は、再利用します。そして外部からほとんど電気をいただきません。太陽光発電と充電システム、また楽しみながらの人力発電でなんとかやっていきます。
http://shinminatomura.com/about/index.html
そこでは、小さな未来都市のモデルを、アーティストが創っていました。飲食店、学校、床屋さん、学びの場、劇場などがありました。完成したものを見せるのではなく、創っていく過程そのものが公開されていました。8月から11月まで開催されているので、行く度に「まち」の風景は変わっているかもしれません。
展示として、全国のアートプロジェクトや芸術祭の資料・パンフレットなども設置されていました。ひととおり持ち帰りましたので、また機会を見つけて共有できればと思います。

午後は東京に戻り、世田谷区の廃校になった中学校を改装した世田谷ものづくり学校へ。

ここでは、市民が学びあう大学「自由大学」という取り組みが行われ、その中の「ソーシャルアクション学」というコースを見学させてもらいました。教授は、5月に箕面でCRMの講義をしてくださったCausebrand.labの野村尚克さん。ゲストは、社会起業家として有名なかものはしプロジェクトの村田早耶香さん。参加者は20代〜30代の方が10名ほどで、ふだんは企業で働いている方がほとんどでした。
かものはしプロジェクトはカンボジアの児童買春をなくすために立ち上げた活動です。3人の大学生が始めた事業が、今では現地で摘発を行う警察の訓練から、女性の雇用の創造まで、着実にミッション達成に向けて動き出しています。私が知るNPOの中で、最も「社会変革性」を体現している団体だと思います。さらに今年度から、日本の企業に対しての人材研修事業も行うのだとか。

学校内も見学させてもらいました。カフェやギャラリー、お店、事務所・工房があり、それぞれがいい味出してます。
近くの居酒屋で行われた交流会ではさらに野村さんや受講者とも話をし、他地域の寄付事情や業界裏話(?)までいろいろと情報交換させていただきました。

今回は
あちこち動き回って小さなインプットをたくさんして、事業のヒントを仕入れてきたので、これをどの場面で活かそうか、今から楽しみです。