おばあちゃんの言葉が止まった時 〜

こんにちは。
今年もあとわずかになりました。
私は家でお正月を迎える準備を整えつつ
心は来年に向かっています。
・・・
さて わが家での会話から〜先日
私は台所仕事をしていた時、75歳のおばあちゃんと
娘と息子が話をしていました。
このところおばあちゃんは、身体の具合いが思わしくなく
外にも出られずに いつもの元気はなく
自分にも不安を抱えて 心配性なこの頃です。

娘が、本屋さんで見つけた本を見ながら「アイシング」を
始めてやり出しました。
私も知りませんでしたが、アイシングは
粉糖と卵の白身を混ぜて簡単に作れて、
ケーキのデコレーションのように
クッキーなどの上に、文字や絵柄を書くことができます。

娘は初めての事で、手際が悪かったのでしょう。
おばあちゃんは、見ていたものの・・
「ほら、もっと こうすればいいんだよ。
そうじゃないよ。こうやってごらん。違う・・」
と、どんどん口を挟み出しました。
でも、娘は それが嬉しくありません。

とうとう我慢ができなくなった時、
娘「私は、失敗してもいいから 自分でやりたいんだから
黙っててくれない?」
息子「自分で考えたり いろいろ工夫することが
楽しんだよね。」
私「完璧な100点のものを作りたいんじゃなくて
上手くいかなくても 80点のものを自分で楽しんでやりたいんだよね。」
(私まで 言わないでよかったかもしれません・・・)

3人が続けてそう言うと、おばあちゃんの言葉が
突然ぴたっと 止まりました。・・(沈黙)・・
25年一緒に住んでいますが 初めてのことです。
数秒の沈黙の時間が 確かにありました。

息子「ばば、大丈夫?
何か急に 言葉が止まっちゃったけど・・」

おばあちゃんは びっくりしていたようにも
見えました。それから やっと
「わたしは ずっと、小さい時から
こうやって教えられてきたんだよ。」

いい悪いはありません。
これが 小さい頃からのおばあちゃんの体験であり
自然に受け継いできた やり方でした。
もし、娘が困っていたら 「助かった、ありがとう。よくわかったよ。」
という場合だって あるでしょう。
いつでも 心から親身になってくれるおばあちゃんです。

昔は きっと それが普通のことだったのでしょう。
今は 時代の流れと共に 個人の意識が 変化しつつあります。
コーチングが日本に導入されたのも そんな時期でした。
トップダウンでなくて
「あなたは どうしたいの?」
「うん、一人で考えてやってみたい。」
「じゃ、見ているね。困ったら、いつでも言ってね。」
個人の考えをできる限り 理解し尊重していくのが コーチングです。

でも、こう〜すればいいと どっちかに
【偏らないこと】が 大事だと思っています。 真ん中を見ていく・・です。
先に 相手を観察し合わせて、気持ちいい距離感を作り
状況に応じて 柔軟にやり方を変えていく。 真ん中です。
そうすると コミュニケーションは 楽になります。
1つのことに こだわると 苦しさが出てきます。

年配の方の中は、同じような方もいらっしゃるでしょう。
そういう環境の中で育ったのですね。
でも 私は 大事なことも 学んでいます。
おばあちゃんは 自分のこと以上に 家族に尽くそうとする 
愛情にあふれていて、
家族以外の 近所の人や 友人や 知らない人でも
同じように 親身に接するのです。
お風呂屋さんで 足を滑らせる人の声がしたら
1番に世話を焼きに 駆けつけます。

おばあちゃんのコミュニケーションの仕方は
これからも 本人が変えたいと思わない限り 続くことでしょう。
それは育ちですから 私は受けいれつつ
苦しかったら ちょっと伝えてみたり
家族みんなで あ〜だの こ〜だの言いながら
おばあちゃんも こども達も 一緒に楽しく過ごしたいと思っています。

あなたは おばあちゃんのコミュニケーションを
どう思われましたか?
もうすぐ クリスマスですね。
どうぞ 楽しい家族だんらんの時間を!