「やる気脳」を育てる 澤口俊之より

・人間は考えや悩み、嫌なことなどを
「言葉」にすることで、自分をコントロール
できることが脳科学的に分かっています

「言語」というものは、一般的にコミュニケーションの
手段だと思いがちですが、もう一つの重要な
側面として、自分を整理して、道筋をつけて
安定させるという役割を持っています

私は「言葉」は、コミュニケーションとしての側面の前に
コントロールの側面があるのではないかと考えています

ストレスや悩み事などで、心や気持ちが不安定になったとき
言葉によって自分をコントロールする方法を
学んでおくと楽です

・「失敗や挫折をすべて授業と思え」という言い方があります
失敗したり挫折したりすることが許されるのは
思春期の特徴とも言えます

もちろん、思春期以降でも、まわりが許してくれることは
あるでしょう。
しかし思春期の脳にとっては、失敗したり挫折したりすることが
栄養になるのです

思春期や青年期の脳は、前頭前野がまだ発達途上です
思春期は自分の夢や目標がはっきりしてくるため
親から自立しようともがきます

大人になる過程は、多くの場合困難で、失敗や挫折が
伴うはずです。あまりのつらさから、場合によっては
夢や目標を変えることもあるかもしれません

この時期に重要なことは、自分で後悔し反省することです
この時期と言いましたが、人間はどの時期においても
後悔し、反省することはとても大切です

しかし、思春期ほど後悔と反省が脳のために良い時期はありません
思春期に後悔することが多かった人ほど後になって成功する
というデータがあります

困難や挫折を克服するのも脳機能です
そして脳機能は使えば使うほど発達するという原理があります

その脳機能は主に前頭前野で担われています
したがって困難や挫折を後悔・反省しつつ
何度も克服することを通して、まさに〔あきらめない心」が培われます

ポイントは後悔や反省。決して絶望ではありません
絶望は脳を冒す、と言ってよいほどで
二大精神疾患としてのうつ病や統合失調症の
リスク要因になります

どんな状況でも絶望はしてはいけません
「汝、絶望するなかれ」という言葉通りです
困難や挫折を後悔・反省できるのは
希望(夢や目標)があるからこそです

<ムスカリが咲きました>