子どもの見える行動・見えない行動 菅野純著より

不登校児の対人関係

不登校児たちにみられる対人関係の背景に
資質と環境からなる4つの要素を見いだす事ができる
4つの要素とは<敏感さ><固さ><モデルの欠如>
<エネルギーの枯渇>である

<敏感さ>とはプラスに出れば「感受性が豊か」「察しが良い」
「よく気がつく」などの評価を受けるが、
マイナスに出れば「過激」「傷つきやすい」「被害的」と出てしまう感性のことである
登校拒否児たちには感性の強さが共通に見られるのである

もう一つ彼らに共通する資質として<固さ>とは
プラスに出れば「真正面」「几帳面」「堅実」
マイナスに出れば「固い」「こだわる」「融通がきかない」となる一連の資質である

彼らが自分の身のまわりで起きる出来事を柔軟によめず
また臨機応変にかかわれないために生じてしまうトラブルは
<敏感さ>と相乗効果をなして人の関わりを難しくしてしまう

一方こうした資質を持つ弱い面を補うべき教育は
適切なお手本(モデル)が示される事によって
なされるべきである

しかし往々にして親自身も傷つきやすく非社交的であったり
夫婦、嫁姑間あるいは学校の教師との関係で
緊張や葛藤、いさかいが絶えないなど
親和的で安定した人づき合いの“モデル”が示されていない事が多い

子どもは自分の資質を活かした対人関係の方法を学べないばかりか
敵対する人間関係や他者を見限る人間関係を学んでしまい
人間不信をつのらせてしまうのである

又こうした子どもを取り巻く人間関係は
子どもに困難さを突破する“エネルギー”を与えない

子どもは自分が守られていると感じられず、勇気もわかず
ただ緊張や不安を敏感に感じながらなすすべもなく
振り回され、混乱してしまうのである

この4つの要素が最悪の組み合わせになった時
子どもは学校での人とのかかわりにつまずき
不登校に陥っていくのではないだろうか

・・・・・・不登校の子どもといってもいろいろですが、少なくとも私たち自身が
関わった子どもにはこのような共通点があるような気がします。
もちろん短所ではなく個性として似ていると感じることがあります
それを理解した上で個々の子どもに合わせて対応できればよいと思います・・・・

<福寿草はもうすぐ咲くでしょう。おめでたい名前ですね>